損切りの位置を、その日の気分で決めていました――10年半・56通り検証して作った「地図」を配ります
損切りができない、という話ではありません。
損切りの位置を、毎回ちがう決め方で置いていた、という話です。
同じ含み損なのに、切る場所が毎回ちがった
昔の自分の注文履歴を見ると、損切り幅がばらばらです。
30ドルのときもあれば、120ドルのときもある。銘柄も時間足も同じなのに、です。
理由は思い出せます。その日の含み損の大きさで決めていたからです。
浅い含み損なら「ここで切っておこう」と近くに置く。深くなってからは「ここで切ったら大きいから」と遠ざける。切られたくない気持ちが、そのままナイフの位置を動かしていました。
そして遠ざけた日にかぎって、そこまで届きます。
「戻ったら切ろう」が、一生来ない理由
含み損を抱えているとき、頭の中では2つの未来が比べられています。
いま切れば、損は確定します。持っていれば、まだ確定していません。
人間はこの2つを対等に比べられません。確定した損のほうが、同じ額でも重く感じるようにできています。だから「まだ確定していない」ほうを選び続ける。
意志の問題ではありません。そう感じるようにできている、というだけです。
問題は、その状態で「じゃあどこで切るか」を考えることです。答えは毎回変わります。含み損の深さが変われば、心地よい位置も変わるからです。
だから、先に地図がいる
対策としてよく言われるのは「エントリー前に損切りを決める」です。正しいと思います。
ただ、これを実行しようとして詰まりました。「先に決める」の、決める材料がなかったからです。
そこで自分用に作ったのが、チャートの構造を毎回同じルールで描くインジケーターです。
- 確定したスイングの高値・安値をつなぐ
- 同じ価格帯に何度も反応があった場所を、帯(ゾーン)として四角で囲む
- その帯に過去何回タッチしたかを数字で出す(T2、T4…)
- いまの脚に対する押し目・戻りの候補帯を出す
これで「直近の壁は上にいくら、下にいくら」「そこまで何ドルある」が、開いた瞬間に同じ形で出るようになりました。
損切りの位置が、気分ではなく「直前の安値の外側」「4回触られている帯の外側」に変わりました。
ここからが、この記事で一番言いたいことです
その地図を作ったあと、当然こう思いました。「じゃあこの線で機械的に売買したら勝てるのでは」
検証しました。ゴールドの1時間足、2016年1月から2026年7月まで、61,994本のローソク足です。
結果を先に書きます。
順張り(帯を抜けたら追う)40通り
- 後半(2022年〜2026年7月)だけを見ると、40通り中26通りがPF1.0を超えていました
- ところが前半(2016〜2021年)も見ると、両方の期間でPF1.0を超えた設定は0通りでした
逆張り(帯の端で戻りを狙う)16通り
- 前半・後半・通期、どの期間でもPF1.0を超えた設定は0通り
- 通期でいちばんましな設定でもPF0.806
後半5年だけ見れば「26通りも勝てる設定がある道具」に見えます。前半も見た瞬間に、ゼロになります。
これが、成績表を後半だけ見せられたときに起きていることです。自分の道具で、自分でやってみせた形になりました。
それでも配る理由
この検証は、この道具を「合図」として使う使い方を否定しています。矢印が出たから買う、という使い方です。
否定していないのは、「地図」としての使い方です。
損切りをどこに置くか。次の壁まで値幅がどれだけ残っているか。それを毎回同じルールで出すこと。ここに優位性があるかは検証していませんし、検証する筋のものでもないと思っています。決めるのは自分だからです。
私が変わったのは勝率ではなく、損切り幅が日によってばらつかなくなったことでした。
この道具がやらないこと
正直に書いておきます。
- 売買しません。発注機能はありません。表示専用です
- 矢印を出しません。機械化した売買にエッジが確認できなかったので、載せると誇大になります
- 線が後から書き換わりません。構造は右側が確定してから現れ、確定した過去は動きません。MQL5版とPython版を10年半分・6万本超で突き合わせ、ピボット6,454件・スイング5,103点・ゾーン555個がすべて一致することを確認しています
インジケーター本体(MT5用)と、上に書いた56通りの成績表そのものをお渡しします。悪い数字も入っています。
無料ですが、お申し込みが必要です。
続きに、受け取りと導入の手順、そして損切りの位置を決める3つの手順を書いています。