期待値を計算できない人間が、なぜ相場にいるのか
期待値を計算できない人間が、なぜ相場にいるのか
答えられないなら、それは丁半博打を打っているのと変わらない。
前回、期待値こそが勝敗を決める本当の数字だと解説しました。今回は、さらに厳しく踏み込みます。自分のトレードの期待値を把握していない人が、あまりにも多すぎる。そして、それを把握しないまま、相場に大切なお金を投じている。これは、極めて危険な状態です。
ビジネスの世界で、利益が出るかどうかを計算せずに事業を始める人はいません。それなのに、トレードでは、期待値も計算せずにエントリーする人が大勢います。期待値を計算できないままトレードを続けるのは、勝てるかどうか分からない賭けを、延々と打ち続けるのと同じです。
期待値を知らない=勝算を知らない
期待値は、あなたのトレード手法が「儲かる仕組みなのか、損する仕組みなのか」を教えてくれる数字です。期待値がプラスなら、続ければ資金は増える。マイナスなら、続ければ減る。これほど重要な数字を知らずにトレードするのは、勝算を知らずに戦いに挑むようなものです。
「なんとなく勝てそう」「この手法は良さそう」——こうした曖昧な感覚で、期待値を確認せずにトレードしていませんか。感覚は、当てになりません。実際に記録を取って計算してみたら、期待値がマイナスだった、ということは珍しくありません。感覚では勝てそうでも、数字はマイナスを示している——このギャップに気づけるのが、期待値です。
期待値は、記録から計算できる
期待値の計算は、難しくありません。必要なのは、自分のトレードの記録だけです。シリーズ4で解説した記録が、ここで活きてきます。
過去のトレード記録から、以下の数字を出します。勝率(勝った回数 ÷ 全体の回数)。平均利益(勝ちトレードの利益の平均)。平均損失(負けトレードの損失の平均)。この3つが分かれば、期待値が計算できます。
① 勝率(勝った回数 ÷ 全トレード数)
② 平均利益(勝ちトレードの利益の平均)
③ 平均損失(負けトレードの損失の平均)
期待値 =(平均利益 × 勝率)−(平均損失 × 敗率)
記録さえあれば、電卓一つで計算できる。
※コストは別途考慮が必要。
これらは、トレード記録さえ取っていれば、すぐに計算できます。逆に言えば、記録を取っていないと、期待値は計算できません。だからこそ、記録が重要なのです。記録は、期待値という最も大切な数字を知るための、土台になります。