損切りが下手なんじゃない。入る場所が悪いだけだ
「損切りができません」
一番よく聞く悩みだ。そして、一番ズレている悩みでもあると思っている。
損切りができないのは、意志が弱いからじゃない。
切れない場所で入っているからだ。
順番が逆になっている。
今日はその話をする。

切れなかった損切りには、共通点がある
自分の取引を思い出してほしい。
切れなかった損切り。ずるずる引っ張って、最後に大きくやられたやつ。
あれ、SLが遠くなかっただろうか。
損失額が大きいから、切るのが怖い。怖いから待つ。待っている間にもっと開く。もっと切れなくなる。
逆に、SLが近い取引は、意外とあっさり切れる。
「まあ、この程度なら」と思えるからだ。
つまりこういうことになる。
損切りできるかどうかは、その取引に入った時点でほぼ決まっている。
メンタルの問題じゃない。距離の問題だ。
なぜSLが遠くなるのか
では、なぜSLが遠くなるのか。

基準になるものから、離れた場所で入っているからだ。
損切りというのは、本来「ここを抜けたら自分の想定が崩れる」という場所に置く。
その場所は、チャートの上にある。直近の高値や安値、意識されている水準、線の位置。
だから、入る場所がその基準に近ければ、SLは自然に近くなる。
離れていれば、離れたぶんだけ遠くなる。
そして人は、たいてい離れた場所で入る。
理由は単純だ。
動き出してから入るからだ。
上がり始めてから買う。落ち始めてから売る。動いているのを見て、乗り遅れたくなくて入る。
その時点で、基準からは離れている。
「勢いがある」と思って入ったポジションほど、SLが遠くなる。
そして、その遠いSLを、あなたは切れない。
「戻ってくるかも」が、正しいから厄介だ
ここが厄介なところだ。
含み損を抱えているとき、「戻ってくるかも」と思う。
そして実際、そこそこの確率で戻ってくる。
だから切らない癖がつく。何度か助かる経験をすると、「待てば戻る」という学習が起きる。
でも、この学習は最悪だ。
助かる回数は多い。しかし、助からなかった1回で、それまで助かった分を全部持っていかれる。
多数決では正しくて、収支では間違っている。
こういう癖は、意志では直らない。
戻ってくるのを待たなくていい場所で入るしか、直しようがない。
一度も含み益にならない取引は、最初から死んでいる

自分の取引を見返していて、気づいたことがある。
負けた取引の多くは、一度も含み益になっていない。
入った瞬間から逆行して、そのまま帰ってこない。
逆に、少しでも順行した取引は、たとえ最終的に負けても、そこまで大きくやられていない。
これは、けっこう使える。
入ってから一定時間経っても一度も含み益にならないなら、その取引はもう筋が悪い。
「戻ってくるかも」で待つ価値が薄い。
待つべきなのは、一度は順行した取引だ。
一度も順行していないものは、想定そのものが外れている可能性が高い。
損切りラインに触れる前に、そこで降りていい。
損切りを鍛えるより、入る場所を選ぶほうが早い
ここまでの話をまとめると、こうなる。
損切りの練習をしても、あまり良くならない。
なぜなら、切りにくい取引に入り続けている限り、毎回同じ苦しみが来るからだ。
それより、切りやすい取引だけを選ぶほうが早い。
基準に近い場所で入る。SLが自然に近くなる。だから切れる。切れるから、次に張れる。
順番はこうだ。
・入る場所を決める
・その場所から見て、SLの位置が決まる
・SLまでの距離から、ロットが決まる
・だから、負けても痛くない
メンタルの話が、一度も出てこない。
損切りをメンタルの問題として扱っている限り、たぶん解決しない。
僕はこれに気づくまで、何年もかかった。
「損切りできない自分」を責めていた期間が長かった。責める必要はなかった。切れない場所で入っていただけだった。
「入りたい」を我慢するのではなく、消す
とはいえ、動いているのを見ると入りたくなる。
これは我慢の話に聞こえるけれど、少し違う。
入っていい場所が決まっていれば、それ以外は自動的に対象外になる。
我慢しているんじゃない。判断の外にある。
逆に、入っていい場所が決まっていないと、全部の値動きが候補になる。
候補になるから、我慢が必要になる。そして人間は我慢し続けられない。
だから、基準を先に決める。
「どこで入るか」を決めるというのは、実は「どこで入らないか」を決めることだ。
そっちのほうが本体だと思っている。
じゃあ、その「基準」をどう決めるのか
ここが一番むずかしい。
「基準に近い場所で入れ」と言われて、じゃあその基準を何にするのか。
高値安値なのか、線なのか、水準なのか。どれを優先するのか。
そして、それを明日の自分も同じように判断できるか。
ここが決まっていないと、結局その場の気分で「今日はここが基準」と決めてしまう。それでは何も変わらない。
僕は、世界中の人が見ているものを基準にしている。参加者が多いものほど、実際にそこで反応するからだ。
だから、自分だけが見ている線や、自分だけが引いたラインは使わない。
具体的に何をどう見ているかは、記事には書かない。ここが12年かけて詰めた部分で、正直、ここが全てだからだ。
ただ、方向としては言える。
基準は、自分で決めるものじゃない。相場の多数派が見ているものを使う。
まとめ
・損切りできないのは意志の問題ではなく、距離の問題
・SLが遠い取引は切れない。近い取引はあっさり切れる
・SLが遠くなるのは、基準から離れた場所で入っているから
・動き出してから入ると、必ず基準から離れる
・「戻ってくるかも」はそこそこ当たるから、悪い癖がつく
・一度も含み益にならない取引は、想定が外れている
・損切りを鍛えるより、切りやすい場所だけを選ぶほうが早い
・「どこで入るか」を決めるのは「どこで入らないか」を決めること
直近で切れなかった損切り、思い出してみてほしい。
そのとき、SLはどれくらい離れていただろうか。
そして、なぜその場所で入ったのだろうか。
たぶん、動き出したのを見てから入っていると思う。
「入っていい場所」の基準の作り方を、教材にまとめてある。
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