単独指標は全滅の中、Keltner Channelの火曜日限定に統計的優位性を見つけた話──曜日フィルタで浮上した隠れエッジ
「単独指標のEA、何をやっても勝てないんだけど」──EA自作を続けていると、この壁に一度は突き当たります。RSI、MACD、ストキャス、ADX、BB、Keltner、Donchian ──有名どころを網羅的に検証しても、素の状態では系統的にマイナスに沈む。ぼくもEURUSDで累計47,000構成を検証して、その現実を数字で突きつけられました。
その中で唯一、単独指標に「曜日フィルタ」を掛けた瞬間に統計的優位性が浮上したのが、Keltner Channelでした。
期間20・ATR倍率2.0のオーソドックス設定に「火曜日限定」を組み合わせるだけで、6年間のOOS期待値が+0.041R/取引まで浮上。他曜日は依然マイナス圏で、火曜だけの特異なアノマリーです。
この記事では、①Keltner全曜日の基本結果(単独ではほぼトントン)、②曜日別に分解すると火曜だけプラス圏に浮上する事実、③火曜日エッジの詳細数字と仮説、④他曜日で化けるパラメータは見つからなかったこと、⑤分散設計の1駒としての位置付けと今後の検証予定を書きます。
?目次
▼無料公開
▼続きを読むで公開
Keltner Channel全曜日の基本結果(単独ではトントン)
まず、Keltner Channelの基本検証結果から。ClaudeでEAを書かせて、EURUSD単一銘柄で数百構成を網羅検証しました。
検証範囲(全曜日・単独)
検証条件は次のとおり。
- 銘柄: EURUSD単一(他銘柄は別途検証中)
- 時間軸: M15, M30, H1, H4の4種
- Keltner期間: 10, 20, 30, 50の4種
- ATR倍率: 1.5, 2.0, 2.5, 3.0の4種
- エントリー:バンドタッチ逆張り/バンドブレイク順張りの2種
Keltner期間別平均OOS期待値(全曜日・ATR倍率2.0固定)
- 期間10: -0.024R
- 期間20 (定説): -0.008R (最良、ほぼトントン)
- 期間30: -0.019R
- 期間50: -0.032R
期間20がほぼトントンの数字。BB(-0.029R)やRSI(-0.023R)と比べてもわずかにマシですが、実運用に使える水準ではありません。
ここで諦めずに曜日フィルタを試したのが今回の発見につながりました。
曜日別に分解すると火曜だけプラス圏に浮上
「マイナー指標だから、市場参加者が少ない曜日で効くかも」の仮説で、曜日別に分解しました。
曜日別平均OOS期待値(期間20, ATR倍率2.0固定)
- 月曜日: -0.021R (週明けで相場方向不確定)
- 火曜日: +0.041R (プラス圏!)
- 水曜日: -0.005R (ほぼトントン)
- 木曜日: -0.018R
- 金曜日: -0.036R (週末前でポジション調整多い)
火曜日だけの特異な浮上
火曜日だけ+0.041Rでプラス圏に到達しました。他曜日はマイナス圏を抜けないので、火曜日限定のアノマリーっぽい挙動です。
この結果は6年分のヒストリカルで一貫して出ているので、統計的な有意性は高めです(t値約2.3)。
EURUSD × Keltner × H1の単純な組み合わせに「火曜日限定」を掛けるだけで、実運用に使える水準に到達する、というのが今回の発見でした。
他の有名指標と比較しても、これだけシンプルなフィルタでプラス圏に浮上した事例は少ないです。
ここから先は、火曜日エッジの詳細な数字、なぜ火曜だけ効くのかの3つの仮説、他曜日でパラメータを振っても化けなかった実データ、分散設計の1駒としての位置付け、今後の継続検証予定まで書きます。
統計的に確認できたエッジをどう扱うかの実務ノウハウが中心ですので、ぜひ参考にしてみてください。
ここから先(続きを読む)で公開:
- 火曜日エッジの詳細数字(勝率49.6% /ペイオフ1.5倍/年間45件)
- なぜ火曜だけ効くのか3つの仮説(月曜過剰反応/指標少なさ/機関リバランス)
- 他曜日でパラメータを振っても化けなかった実データ
- 分散設計の1駒としての位置付け(月+0.24%の貢献)
- アノマリーが突然消えた時の撤退基準