『マーク・ダグラス徹底解説 第2弾:無敵の確率的思考を体現する「ゾーン」完全図解連載』【第1章】成功への道 〜なぜ、どれだけチャートを学んでも私たちは「恐怖」から逃れられないのか?〜
画面の向こうで、一人チャートと向き合っているあなたへ。
前回の『規律とトレーダー』全17章の連載では、本当にたくさんの方と一緒に、血を吐くようなトレードの痛みと向き合ってきました。損切りの恐怖、ルールを破ってしまった後の自己嫌悪。あの連載を通して、私たちは「相場で生き残るための防具(規律)」を手に入れましたよね。
でも……、心のどこかでこんな風に感じていませんか?
「ルールは分かった。損切りもできるようになった。……なのに、なぜいざエントリーする瞬間、心臓がギュッと締め付けられるんだろう?」
「なぜ、勝っても負けても、いつも心がヒリヒリして疲労困憊してしまうんだろう?」
痛いほど、分かります。
実は、規律を手に入れた私たちが次にぶち当たるのは、「相場への恐怖心そのものを、根こそぎ消し去ることはできないか?」という、さらに高く、深い壁なのです。
だからこそ、私はこの新しい連載を始める決意をしました。
相場心理学の最高峰であり、世界中のトッププロたちがバイブルとしてすり切れるまで読み込んでいる名著、マーク・ダグラスの『ゾーン』。
この本が教えてくれるのは、単なる勝率の上げ方ではありません。
相場に対する一切の恐怖、迷い、不安、エゴが完全に消滅し、ただ川の流れに身を任せるように、息をするように利益を積み上げていく……「ゾーン」と呼ばれる無敵の精神状態へ到達するためのチケットです。
今回から始まるこの新連載は、全11章で完結する濃密な心の旅になります。
この11章を読み終えたとき、あなたがチャートを見る目は、間違いなく今までとは全く違う次元に到達しているはずです。
さあ、究極の「確率的思考」を手に入れる旅へ、一緒に出発しましょう。

? 「負ける痛み」を避けるために、私たちはテクニカル分析にすがる
第1章でマーク・ダグラスは、私たちトレーダーがいかにして「心の迷路」に迷い込んでいくのか、その残酷なプロセスを暴き出します。
トレードを始めたばかりの頃を思い出してみてください。
最初は何も分からず、ただ適当に買って、たまたまビギナーズラックで勝って大喜びしたはずです。相場には夢がある、無限のお金が転がっていると感じたことでしょう。
しかし、その直後、相場は牙を剥きます。
あっという間に利益を奪われ、それ以上の資金を溶かし、あなたは「強烈な痛み」と「恐怖」を味わうことになります。「こんな思いは二度としたくない。次からは絶対に確実な場所でエントリーしよう」と。
そこで私たちが次にすがるのが、「テクニカル分析」です。
MACD、RSI、ボリンジャーバンド、エリオット波動……。
「これらのサインを完璧にマスターすれば、相場の未来が読めるはずだ。未来が読めれば、もう負ける痛みから解放されるはずだ!」
そう信じて、私たちは寝る間も惜しんでチャートの過去検証に没頭します。
あなたも、無数のインジケーターを表示させて、画面がごちゃごちゃになった経験、ありませんか? 私はあります。まるで、インジケーターの数が自分の身を守る「鎧の厚さ」であるかのように勘違いしていたんです。
? 完璧な分析が、私たちをさらに深い絶望へ突き落とす
しかし、どれだけテクニカルを極めても、悲劇は終わらなかったはずです。
完璧なサインが出た。「よし、ここは鉄板だ!」と自信満々でエントリーした直後、相場はまるであなたの注文を待っていたかのように逆行し、あっけなく損切りラインを貫いていく。
この時、心の中で何が起きていますか?
「なぜだ!? RSIもMACDも完璧なサインを出していたのに! 相場が間違っている! 機関投資家が自分を狙い撃ちにしたんだ!」
テクニカル分析で武装すればするほど、それが裏切られたときの「精神的なダメージ」は、初心者の頃よりもはるかに深く、鋭く心をえぐります。
そして、「まだ分析が足りないんだ」と、さらに複雑な手法を探す底なし沼に落ちていくのです。
これが、9割以上のトレーダーが抜け出せない「分析の呪縛」の正体です。

? あなたの「心の現在地」を丸裸にする30の意識調査
この恐怖の底なし沼から抜け出すために、マーク・ダグラスは新しい手法を教える前に、まず「今の自分の心が、相場に対してどういうスタンスを取っているのか」を客観的に知ることを求めます。
本書の冒頭に用意された「30の意識調査」。これは、あなたの中にどれだけ「相場と戦うエゴ」が残っているかを測る踏み絵です。
ぜひ、今の自分の気持ちに正直に「同意する・同意しない」を心の中で答えながら、以下の30問すべてに目を通してみてください。
トレーダーとして稼ぐため、マーケットの次の展開を知る必要がある。
正直なところ、損を出さずにトレードする方法があるに違いないと考えるときがある。
トレーダーとして稼げるかは、主に分析次第である。
損失はトレードするうえで避けられない要素である。
自分のリスクは常にトレードする前から決められている。
マーケットが次にどうなるか発見するには常にコストがかかると肝に銘じている。
勝てそうだと確信が持てない場合でも、次のトレードを仕掛けるのにまったく躊躇しない。
マーケットについて、そしてマーケット動向について理解すればするほど、トレードの実行は楽になるだろう。
自分の方法論は、マーケットがどのような状況になれば建玉や仕切りを実行するか、はっきりと教えてくれる。
適正のシグナルがはっきりと出たときでさえ、そのとおりに実行するのが困難である。
通常、一貫して成功する期間が続くのは、自己資金に何度かかなり深刻なドローダウンがあってからである。
トレードを始めたとき、自分の売買法は無茶苦茶だったと言える。つまり多くの苦痛のなかで数回成功していただけである。
よくマーケットが自分に対して個人的な攻撃をしてくると感じることがある。
忘れようと思えば思うほど、過去の心の傷を消し去るのが難しいことがある。
マーケットで利益が乗ったとき、常にいくばくかの利益確保を基本原則とする資金管理哲学がある。
トレーダーの仕事は、収益機会となるマーケット動向のパターンを明確にし、これらのパターンが過去にあったように動いているかどうか見極めるためのリスクをはっきりさせることである。
自分がマーケットの犠牲者だと感じざるを得ないときがある。
トレードをするとき、常に一つの時間枠に集中しておこうとする。
トレードで成功するためには、大半の人々よりもかなり柔軟な思考力を持つ必要がある。
マーケットの流れをはっきりと感じるときがあるが、たいていその感覚どおりに行動するのは困難である。
トレードに利益が乗って、その動きが基本的に終了したと分かっても、まだ利食いしないことが多い。
トレードでどれだけ稼いだかにかかわらず、もっとできたはずだと感じ、滅多に満足しない。
トレードを仕掛けたとき、前向きな姿勢を取っていると感じる。予想するのは前向きな結果だけだ。
長期的に利益を積み重ねる能力とは、自分自身の一貫性に信念を持つことである。
「一つだけトレード技術を即座に身に着けられる」という願いをかなえてもらえるとしたら、どのような技術を選ぶだろうか。
マーケットが心配で眠れない夜をすごしたことがある。
機会を逃してしまうのが心配で、無理にでもトレードしなければならないと感じたことがある。
滅多にないが、たしかに完璧なトレードは好きだ。会心のトレードをしたときは、うまく行かなかったときの感情を帳消しにするような心地良さを感じる。
計画しておきながら実行しなかったトレードがある。あるいは計画にないトレードを実行したことがある。
なぜ大半のトレーダーは利益を乗せず、稼いだ利益を維持できないのか、数行で説明すること。
いかがでしたか?
グサッと胸に突き刺さるような質問もあったのではないでしょうか。
実は、「ゾーン」に到達したトッププロたちは、これらの質問に対する答えが、私たち一般トレーダーとは完全に異なります。 彼らは、私たちが「当たり前だ」と思っている常識の、全く逆の世界を生きているのです。
この30の質問は、単なる心理テストではありません。全11章を読み終えた後、あなたが「ゾーン」の思考を手に入れたかどうかを測る、最高のリトマス紙になります。どうか、今の自分の答えを心の中に大切に保管しておいてください。
?️?️ 本当の敵は相場ではない。あなたの「心」の中にいる
マーク・ダグラスは、ここで静かに、しかし冷酷な事実を告げます。