【8月12日 ゴールド相場分析】4,400ドル上で定着できず。米CPI後の4,350ドル攻防に注目
8月12日のゴールド(XAU/USD)は、短期上昇がいったん一服し、4,350~4,400ドルのどちらを抜けるかを確認する局面です。
結論からいえば、現時点の見方は、
「中立~やや調整警戒。ただし、4,350ドルを維持する限り、上昇構造が完全に崩れたとは判断しない」
です。
8月12日午前8時30分頃(日本時間)のXAU/USDは4,370ドル前後で推移しています。
本日は米消費者物価指数(CPI)が発表されるため、発表前の方向だけで売買を決めるのではなく、
4,400ドルを回復するのか
4,350ドルを割り込むのか
を、ドルと米金利の反応と合わせて確認することが重要です。
現時点の方向感:中立~やや調整警戒
確信度:低~中(米CPI発表前)
8月11日のゴールドを振り返る
8月11日のXAU/USDは、おおむね次の値動きとなりました。
始値:4,403ドル付近
高値:4,435ドル付近
安値:4,357ドル付近
終値:4,367ドル付近
前日比:約0.8%下落
一度は4,400ドルを上抜け、4,435ドル付近まで上昇しましたが、その価格帯を維持できず、4,360ドル台まで押し戻されています。XAU/USDの日足・現在値データ
この値動きから分かることは、主に2つあります。
一つ目は、
4,400ドルより上には、まだ利益確定売りや戻り売りが残っていること。
二つ目は、
4,350ドル付近では、いったん下げ止まったこと。
つまり現在は、上昇トレンドがそのまま続いているというより、
4,400ドル突破に失敗した後、次の方向を探している状態
と考えています。
8月12日の重要価格帯
① 4,400ドル
本日の上方向の分岐点です。
前日は一時4,400ドルを超えましたが、その上で定着できませんでした。
したがって本日は、単に4,400ドルへ到達するだけではなく、
4,400ドルを回復し、その後の押しでも維持できるか
を確認したいところです。
米CPI発表後に4,400ドルを回復し、ドル安と米金利低下も同時に進んでいれば、上昇再開との整合性が高まります。
② 4,435ドル
前日の高値です。
4,400ドルを回復した場合、次に買いの強さを確認する価格になります。
4,435ドルを明確に超えれば、次の大きな節目として、
4,500ドル付近
が再び意識されます。
反対に4,435ドル付近で再度上値を抑えられた場合は、4,400~4,435ドルが抵抗帯として機能している可能性があります。
③ 4,370~4,380ドル
執筆時点の価格に近い、短期的な攻防ゾーンです。
前日の記事では4,370ドルを短期サポートとして見ていましたが、8月11日は一時的に下回りました。
そのため現在は、4,370ドルを明確なサポートと決めつけるのではなく、
上方向へ戻るための最初の確認ライン
として見ています。
CPI発表前は、この価格帯を中心に方向感の乏しい値動きとなる可能性があります。
④ 4,350~4,360ドル
本日最も重要な下値ゾーンです。
前日の安値が4,357ドル付近であり、現在の短期上昇構造を維持できるかどうかの境界になります。
CPI発表後も4,350ドルより上を維持できれば、今回の下落は上昇後の利益確定の範囲と考えられます。
一方、4,350ドルを下抜け、戻しても回復できない場合は、
短期的な調整がもう一段進む可能性
を警戒します。
⑤ 4,310~4,300ドル
4,350ドルを割った場合の次の重要ゾーンです。
4,310ドル付近は8月10日の安値に近く、4,300ドルは心理的にも意識されやすい価格です。
ここまで下落しても直ちに中長期の下降トレンドへ転換したとはいえませんが、短期上昇の勢いは明確に弱まったと判断する必要があります。
4,300ドルまで明確に割り込む場合は、次に4,250~4,230ドルへの調整も想定します。
8月12日の3つのシナリオ
シナリオ① CPI通過後に4,400ドルを回復
上方向へ戻るシナリオです。
米CPIが市場予想を下回り、
ドル指数が低下
米10年債利回りが低下
ゴールドが4,400ドルを回復
という動きになれば、ゴールドにとって比較的分かりやすい上昇材料になります。
この場合は、
4,400ドル維持
↓
4,435ドル突破を確認
↓
4,500ドルを意識
という順番で見ます。
ただし、CPI直後に一瞬だけ4,400ドルを上回り、その後すぐに4,370ドル台へ戻る場合は、上方向へのダマシに注意が必要です。
シナリオ② 4,350~4,400ドルのレンジ継続
CPIが市場予想に近く、ドルや米金利の反応も限定的だった場合に考えられるシナリオです。
この場合、ゴールドは、
4,350ドル付近では買われる一方、4,400ドル付近では売られる
という往復になりやすくなります。
重要なのは、レンジ内で細かな方向を決めつけないことです。
4,350~4,400ドルの中で推移している限り、上昇再開とも下落転換とも断定せず、どちらを明確に抜けるかを待つ局面と考えます。
シナリオ③ CPI後に4,350ドルを割る
調整拡大を警戒するシナリオです。
米CPIが市場予想を上回り、
ドル指数が上昇
米10年債利回りが上昇
ゴールドが4,350ドルを下抜け
という動きになれば、4,310~4,300ドルへの下落余地が広がります。
この場合も、一瞬の下抜けだけで判断するのではなく、
4,350ドルを割った後、戻しても回復できないか
を確認したいところです。
さらに4,300ドルを下回る場合は、単なる小さな押し目ではなく、短期上昇構造そのものが変化していないかを見直す必要があります。
本日の最大材料は米CPI
米労働統計局は、7月の米消費者物価指数を8月12日午前8時30分(米東部時間)、日本時間では午後9時30分に発表します。
前回6月分は、
総合CPI:前月比-0.4%、前年比+3.5%
コアCPI:前月比横ばい、前年比+2.6%
でした。米労働統計局(BLS)
今回の市場予想は、おおむね次の内容です。
総合CPI:前月比+0.1%、前年比+3.4%
コアCPI:前月比約+0.3%、前年比+2.5%
今回特に重要なのは、総合CPIだけではなく、
食品とエネルギーを除いたコアCPI
です。
総合CPIが予想を下回っても、コアCPIが強ければ米金利が上昇し、ゴールドの上値を抑える可能性があります。
したがって、発表された数字だけを見るのではなく、
数字を受けてドルと米10年債利回りが実際にどちらへ動いたか
を確認することが重要です。
CPI後の米10年債入札にも注意
8月12日は、米10年債入札も予定されています。米財務省の入札予定表
CPI発表で最初の値動きが発生した後、米国債入札をきっかけに金利が再び動く可能性があります。
入札需要が弱く米金利が上昇すれば、ゴールドには上値を抑える材料となり得ます。
反対に入札需要が強く米金利が低下すれば、ゴールドを支える可能性があります。
そのため本日は、CPI直後の値動きだけで一日の方向が決まるとは限りません。
8月12日の結論
8月11日のゴールドは、4,400ドルを上抜けたものの、その価格帯を維持できず4,360ドル台まで反落しました。
したがって、前日までの「上昇優位」から、本日は、
中立~やや調整警戒
へ見方を一段引き下げます。
ただし、4,350ドル付近では下げ止まっているため、現時点で上昇構造が完全に崩れたと断定する段階でもありません。
本日の判断基準は次のとおりです。
4,400ドルを回復・維持
→ 4,435ドルを再度確認
4,435ドルを突破
→ 4,500ドルが次の上値候補
4,350~4,400ドルの範囲
→ 方向未決定。レンジ継続
4,350ドルを明確に割る
→ 4,310~4,300ドルへの調整警戒
4,300ドルも割る
→ 短期上昇構造の見直し
本日最も重要なのは、CPIの数字を予想することではありません。
CPI発表後、4,350ドルと4,400ドルのどちら側で価格が維持されるか
を確認することです。
発表直後は上下に大きく振れる可能性があるため、最初の値動きだけで方向を決めつけず、ドル・米金利・ゴールドの3つが同じ方向を示しているかを見ながら相場を確認したいところです。
※価格はデータ提供元や利用する証券会社によって異なる場合があります。本記事は市場環境の分析を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。将来の値動きや利益を保証するものでもありません。