落ちるトレーダーには、5つの共通点があった ― 検証でわかる、プロップ不合格の型
「プロップファームの合格率は10〜20%くらい」──よく聞く数字です。裏を返せば、挑戦した人の8割は落ちているということ。ぼく自身、何度も落ちて、そこから何とか合格までたどり着いた側の人間です。だから、落ちる人の気持ちも、理由も、それなりに分かるつもりでいます。
この記事は、その「落ちる側」に長くいた自分の反省と、半年間データを検証してわかったことを重ねて書きます。落ちる人には、驚くほどはっきりした5つの共通パターンがある。これを最初に知っておくだけで、同じ失敗を避けられる確率は、たぶん相当上がります。
申し遅れました、lulu.fx と申します。GOLD(XAUUSD)を中心にトレードしている現役の裁量トレーダーで、自分でEAを組んでは検証する、ということを続けています。いまはプロップファームの (A社) に挑戦中で、その挑戦の途中で気づいたことも、この記事に混ぜて書きます。
結論を先に書いておくと、落ちる人の共通点は「感情」でも「手法」でもなく、いちばん奥は『見えていないこと』でした。この記事の最後に、その「見えていない」を物理的に解決する方法まで書きます。
落ちる人には「たったの5パターン」しかなかった
プロップに落ちる原因を、あれこれ調べたり、自分で失敗したりしてきた結果、意外なことがわかりました。不合格の原因は、無数にあるようで、実は5つに収束するんです。手法の違い、経験の差、性格の差、いろいろあっても、最後は必ずこの5つのどこかで足を止めます。ここを最初に頭に入れておくだけで、地雷を踏む確率がぐっと下がります。
まずは全体像を先に
先に、5パターンをざっと並べます。この記事の無料部分では、この5パターンの正体を「何が起きているのか」に絞って解説し、有料部分でその根っこにある一つの共通原因と、それを物理的に解決する方法まで書きます。
その5つが、こちらです。
パターン①「取り返し」で、突然ロットを上げる
いちばん多いのが、これです。負けが数回続いたあと、次の一発で「今までの負けをチャラにしたい」と思って、いつもの何倍ものロットを入れてしまうやつ。ぼく自身も何度もやりました。冷静なときには絶対に触らないロットに、その瞬間だけ手が伸びる。
怖いのは、当の本人は「これは根拠のある勝負だ」とすら思っていることです。むしろ「ここで反転すれば、朝からのマイナスが全部消える。むしろプラスに戻る」と、頭の中では合理的に組み立ててしまっている。感情に流されている、という自覚がないまま流されているのが、このパターンのいちばん厄介なところです。
この一発が逆行したときの被害は、ふだんの負けの何倍にも膨らみます。朝の小さな負けは手法の想定内の「よくある連敗」だったのに、取り返そうと入れた3倍ロットで、想定を大きく超えた損失を作ってしまう。プロップだと、これ一発でデイリー損失上限を割ることも普通にあります。手法は何も悪くない。悪いのはロットを変えた自分の一手だけ、というのがこのパターンの構図です。
パターン②「日次の損失上限」を頭の中でだけ管理する
プロップには、たいてい「1日でこれ以上負けたらアウト」というデイリーの損失上限があります。ここに触れると、その日どころか、チャレンジそのものが終わってしまうことも珍しくありません。それだけ大事な線なのに、多くの人がここを「頭の中の暗算」だけで管理しようとします。
「たしか今日はあと2万円くらい余裕があったはず……」──こういう感じです。ふだんの平常時ならまだ精度もあるでしょう。でも、負けが込んで焦っているときほど、この暗算はどんどん甘くなります。「まだいけるはず」と自分に都合よく計算して、実際にはもう線を割る一手を打ってしまう。感情が判断を歪める、まさにその場面で、いちばん頼りにならない「記憶と暗算」に判断を任せているのが、このパターンです。
冷静に「あと何円で今日終わり」と紙に書いて画面の横に貼っておくだけでも、事故は減ります。それすらせずに、頭の中の曖昧な余裕感で運用してしまうと、いつか必ずどこかで、この線に足を突っ込みます。
パターン③「全体のドローダウン」を、踏み過ぎる
日次の上限とは別に、「チャレンジ全体でこれ以上負けたらアウト」という、もう一本の線があります。累計の下げ、いわゆる全体のドローダウン上限です。ぼくが検証を通じていちばん多く見た不合格の型は、実はこの「全体の線を、じわじわ踏み越えていく」タイプでした。
日次のように、1日で「バン!」と決着がつくわけではありません。1日−1%、翌日−0.5%、その次−1.5%……と、じわじわ積み上がっていくうちに、気づけば全体−5%、−7%と、危険水域に入っている。「まだ大丈夫」の連続で、いつのまにか終わっているという、いちばん静かで、いちばん多い落ち方です。
怖いのは、この「じわじわ」は、日々のトレードでは違和感が薄いことです。1回1回は「今日はちょっと悪かった」で済んでしまう。でも、全体で見ると「あと残り3%踏んだら終わり」の場所に、もう来ている。この距離感を持っていないと、パターン①や②と重なった瞬間に、簡単に線を割ります。
パターン④「時間制限」を、意識していない
プランによっては、チャレンジに時間制限があります。「30日以内に目標達成しないと、失格」というやつです。無制限のプランを選んでいる人には縁がないかもしれませんが、そうでない場合、この時間の意識が薄いと、後半に無理をして崩れます。
序盤に思うように利益が伸びなかった場合、終盤に近づくにつれて「間に合わない」の焦りが出てきます。焦りは、パターン①(取り返し)と同じ挙動を引き出します。時間切れを回避するために、ロットを上げる。無理筋のエントリーを増やす。結果、パターン③の「じわじわ全体を踏み越える」を、後半になって一気に加速させて、そのまま退場──というルートです。
対策は本当は単純で、「時間制限のあるプランを選んだ時点で、時間との勝負の設計まで含めて考える」こと。あとになって焦っても遅い。最初に「間に合わせる」ではなく「無理せず届く」設計を選ぶこと自体が、実は大事な話です。
パターン⑤「気分」で、ロットを毎回変える
最後がこれ。1回1回のトレードのロットが、日によって、いや、時間帯によって、コロコロ変わるタイプです。「今日は絶対自信あるからちょっと多めに」「なんとなく不安だから半分にしとこう」──こんな調子で、リスク量の基準がありません。
これがなぜ致命的かというと、「勝ちトレードは小ロットで小さく、負けトレードは大ロットで大きく」になりがちだからです。自信のある場面ほど動きが安定していて利幅は小さく、自信のない場面(=相場が荒れていて読めない場面)ほど動きが激しいのに、そこに大ロットが乗ってしまう。勝ち額と負け額のバランスが、じわじわ悪い方に崩れるんです。
プロップだと、この「気分ロット」がパターン①〜④のどれと重なっても、被害を倍化させます。取り返そうとしたときのロットが「気分」で決まっている、日次上限までの距離が「気分ロット」で日々ブレる──こうなると、もう自分が今どのくらいリスクを取っているかすら、自分で分からなくなります。
ここまでが、この記事の無料部分です。ここから先は、この5パターンに共通する「たった一つの根本原因」と、気合いでは絶対に解決できない理由、そして、合格したいなら精神論を捨ててツールに頼るべき、という現実的な結論まで書きます。
ここから先(続きを読む)で公開:
- 5パターンに共通する「たったひとつの根本原因」とは何か
- なぜ「気合い」ではこの5パターンを防げないのか、その脳のからくり
- ぼくがたどり着いた「感情に頼らない仕組み」の作り方
- 合格したいなら精神論を捨ててツールに頼るべき理由と、何を可視化すればいいか
- ぼく自身が使っている「見える化のルール」を、そのままお見せします