仮想通貨相場分析【7月7日】
本日の暗号資産市場の値動き(2026年7月7日)
本日、暗号資産(仮想通貨)市場は全体として堅調な値動きを見せており、投資家のマインドはリスクオン(積極的な投資姿勢)に傾いています。
ビットコイン(BTC)は、約 63,000 USD から 63,300 USD 前後のレンジで推移しました。24時間比では約プラス1%からプラス2.5%程度の上昇を記録しています(参照するデータソースにより若干の変動あり)。取引時間中には一時 64,000 USD の大台を超える場面も見られるなど、強い底堅さを示しています。
現在のビットコインの時価総額は約 1.26 兆 USD 規模で推移しています。
ビットコイン日足チャート
イーサリアム(ETH)は、約 1,770 USD から 1,780 USD 前後で推移しました。24時間比では約プラス1%前後の小幅な上昇となっています。現在のイーサリアムの時価総額は約 2,130 億 USD 規模に達しています。
その他の時価総額上位の主要アルトコイン(ソラナ(SOL)やバイナンスコイン(BNB)など)も、ビットコインやイーサリアムの動きに追随する形で同様に小幅な上昇傾向を維持しています。
イーサリアム日足チャート
本日の主な相場上昇要因(関連ニュース)
本日の市場を牽引した最大の材料は、米国で発表された雇用統計の弱さです。
6月の非農業部門雇用者数の増加数は、市場予想の110,000人超を大幅に下回る「約57,000人」という非常に弱い内容でした。これに伴い、失業率もやや上昇傾向を示しています。この結果を受けて市場では、「FRB(米連邦準備制度理事会)が今後さらに利上げを行う可能性が後退した」「年内の利下げ開始に対する期待が一段と高まった」との見方が急速に広がりました。このマクロ経済観測の変化が、株式市場、暗号資産市場、金(ゴールド)といったリスク資産や代替資産全体にとっての強力な追い風(好材料)として機能しました。
この雇用統計の発表結果を受け、ビットコインは一時 64,000 USD 台の節目を回復し、イーサリアムも 1,800 USD 近辺の大台に向けて押し上げられる展開となりました。
その他の材料として、大量のビットコインを保有することで知られる米マイクロストラテジー(MicroStrategy)社が、先週に約 3,588 BTC を売却していたことが判明し、これが一時的な売り材料(下落要因)として意識されました。
しかし、今回のマクロ経済要因(米雇用統計の弱さによる金融緩和期待)のインパクトがその売り圧力を完全に上回る形で、市場にはポジティブな影響が勝る結果となりました。
全体的な総括として、現在の相場は「弱い雇用データの発表から金融緩和(利下げ)期待が強まり、その結果として暗号資産への買いを呼び込む」という、典型的なリスクオン相場のロジックによって支えられています。
市場の「ローテーション回復」モードへの突入とテクニカル分析
暗号資産市場は、資金が各セクターへ循環しながら回復する「ローテーション回復」モードに突入した兆候が見られます。
ビットコイン(BTC)が 63,000 USD 付近まで価格を戻したことに伴い、米国時間外の取引では半導体関連株や仮想通貨関連株も連動してリバウンドを見せています。さらに、この好地合いは香港のテック株市場にも波及し、底堅い温もりが感じられる動きとなっています。
今後のテクニカル的な注目ポイントは、長期的なサポートラインとして非常に重要視される「200週移動平均線(約 62,600 USD)」の水準をしっかりと死守できるかどうかという点に集まっています。
なお、市場のセンチメントを測定する「ビットコインの恐怖と強欲指数(Crypto Fear & Greed Index)」は現在「27」を示しており、市場環境としては依然として「恐怖(Fear)」の領域にあります。足元の価格が 63,033 USD 付近で推移する中、投資家の心理は依然として慎重ながらも買い場を探る展開です。
過去のアノマリー(歴史的な実績データ)に目を向けると、7月はビットコインが上昇しやすい月として知られており、過去の勝敗データでは「11勝5敗」と高い勝率を誇っています。今月(7月)の市場における具体的な注目·警戒ポイントは以下のプレーンテキストの通りです。
今月の注目ポイント一覧
(1)クラリティ法案(仮想通貨規制法案)の審議進展の行方
(2)米国の今後の利上げ·利下げ観測と、それに伴う異常な円安の動向
(3)マイクロストラテジー社が今後さらにBTCを売却してくるかどうかの動向
(4)暗号資産の現物ETF(上場投資信託)からの資金流出が止まるかどうか
(5)欧州の仮想通貨規制「MiCA」の猶予期間終了がもたらす市場への影響
(6)日本国内で開催される大規模Web3イベント(WebXやジャパンブロックチェーンウィーク(JBW))による盛り上がり
先週(直近1週間)からの価格動向とV字回復
先週の動きを振り返ると、週の初め(7月1日頃)は調整局面が続いており、各通貨ともに直近の安値圏に沈んでいました。しかし、週末にかけて発表された前述の米雇用統計をきっかけとして市場は力強く反発しました。
ビットコイン(BTC)の動向
7月1日頃:直近の安値圏である約 58,000 USD から 60,000 USD 台まで下落し、調整を強めていました。
現在:約 63,100 USD 前後まで回復。週間ベースでは約プラス5%から8%程度の上昇を記録しており、これは本年3月以来となる高い週間パフォーマンス(騰落率)となっています。
イーサリアム(ETH)の動向
7月1日頃:約 1,570 USD から 1,610 USD 台まで売り込まれていました。
現在:約 1,770 USD 前後まで反発。週間ベースでは約プラス10%を超える大幅な上昇を記録しており、ビットコインを大きく上回る勢いを見せています。
相場の総括として、6月後半から7月初旬にかけては利益確定売りやマクロ経済への懸念から一旦の調整が入り、一時的に安値圏まで売り込まれました。しかし、7月に入ってから発表された弱い米雇用統計が「利下げ期待」を改めて呼び起こしたことで急激な買い戻しが入り、結果としてBTC·ETHともに「V字回復」に近い力強いチャート形状となっています。
現時点では、ビットコインの 64,000 USD 付近や、イーサリアムの 1,800 USD から 2,000 USD 付近に依然として強い上値抵抗線(レジスタンス)が残っているものの、短期的な底打ち感は強く意識され始めています。
ETFフロー(過去1週間程度の資金流入·流出まとめ)
ビットコイン現物ETFの動向
全体的な傾向としては、やや「資金流出優勢」の展開が続きました。特に6月末から7月初頭にかけては、数百百万 USD から数億 USD 規模の純流出(ネットアウトフロー)が継続しており、ある特定の1週間では合計で約5億 USD を超える純流出が報告される場面もありました。
第三者データ(FarsideインベスターズやCoinglassの公開データ)を参考にした具体的な日次フローは以下の通りです。
(1)6月26日:マイナス4億 USD を超える規模の大幅な資金流出を記録。
(2)7月1日:マイナス2億 USD から 3億 USD 規模の流出。
(3)7月2日および7月6日:一部で潮目が変わり、プラス2億 USD を超える純流入に転じる日も確認されました。
動向の特徴として、ブラックロック(BlackRock)社が提供する「IBIT」を中心にボラティリティ(変動幅)が大きく、グレースケール(Grayscale)社の「GBTC」からの継続的な資金流出も依然として目立っています。ただし、運用開始からの累積データでは、依然としてプラス500億 USD 超、数量ベースでプラス64万 BTC を超える巨額の純流入を維持しています。直近の1週間に関しては、機関投資家による買いの勢いが一時的に弱含んだと捉えることができます。
ビットコイン関連の個別ニュース
(1)SEC議長が「市場のオンチェーン化」を強力に推進中
6月30日、米証券取引委員会(SEC)のアトキンス議長が講演を行い、暗号資産規制に関する重要な発表をしました。SECと米商品先物取引委員会(CFTC)が歴史的な業務覚書を締結したほか、これまで規制の空白地帯となっていた部分を「イノベーションを育む沃土」へと転換させる方針を示しました。さらに「Project Crypto」と名付けられたプロジェクトを通じて、既存の規則を近代化するプロセスを進めているとのことです。アトキンス議長は演説の中で、「明確なルールを整備することは暗号資産業界への単なる恩恵ではなく、市場が健全に機能するための絶対的な前提条件である」と言及しています。
(2)マイクロストラテジー社が過去1週間で3,588 BTCを売却
同社は先日、12億ドルの資金調達および10億ドルの自社株(買戻し)プログラムを発表したばかりであったため、このタイミングでの売却発表は市場に驚きを与えました。今回の売却益は優先株の配当支払いに充てられたとされており、これまでの「ビットコインは絶対に売却しない」という同社の絶対的な方針に変化が生じたのではないかとの見方も示唆されています。売却発表直後、BTC価格は一時的に 64,000 USD 近辺から 60,000 USD 台へと下落したものの、その後すぐに反発したため、市場全体への長期的な悪影響は限定的でした。大口の売却が出たにもかかわらず、ETFへの資金流入の継続やショートスクイーズ(売り方の買い戻し)、さらには弱い米雇用統計を受けた買い需要が下値を支え、売却圧力を完全に吸収した形です。なお、同社は依然として 843,775 BTC という巨額のビットコインを保有しており、今回の売却はあくまで配当資金の確保を目的とした資本配分の調整と見なされています。長期的なBTCのホールド(ガチホ)姿勢自体には変わりがないため、市場の信頼を大きく損なうまでには至っていません。
(3)フィデリティのティマー氏がビットコインの重要サポートラインを分析
米資産運用大手フィデリティ(Fidelity)のグローバル·マクロ·ディレクターであるジュリアン·ティマー氏が、BTCの重要な支持線について分析を行いました。それによると、価格の「べき乗則モデル(Power Law Model)」に基づく重要な支持線である「5万8,237ドル」のラインに現在接近中とのことです。このラインは、過去の歴史(2015年、2018年、2022年)における主要な底値(大底)でも機能してきた強固な実績があります。ただし同氏は同時に、「現時点ではマクロ経済環境において、これ以上価格を急騰させるような決定的な強気材料が不足している」とも指摘しています。
(4)メタプラネット社が2,823 BTCを追加取得
日本の上場企業であるメタプラネット社が、新たに 2,823 BTC のビットコインを追加購入したことを発表しました。これにより、同社のビットコイン総保有数は 43,000 BTC に到達しています。日本国内の上場企業としては極めて異例かつ過激とも言える「ビットコイン財務戦略」を継続しており、市場からは「米国マイクロストラテジー社の日本版」として着実に保有数量を積み上げている姿勢が評価されています。
(5)Binanceへの個人投資家からのBTC流入量が過去最低を記録
世界最大の暗号資産取引所であるバイナンス(Binance)に対し、個人投資家(リテール)の動きを示す「1BTC未満を保有するウォレット」からのビットコイン流入量が、1日あたり約 329 BTC にまで減少して過去最低水準を記録しました。これは2021年の強気相場におけるピーク時(1日あたり約 2,690 BTC)の8分の1以下という低い水準です。この背景には、個人投資家が直接取引所で現物を売買するスタイルから、現物ETFを経由した間接的な投資スタイルへとシフトしていることや、長期保有(ガチホ)の傾向が強まっていることが挙げられます。
(6)トランプ家が支援する「American Bitcoin」が500 BTCを追加取得
トランプファミリーが支援しているとされる「American Bitcoin」社が、新たに 500 BTC を追加取得しました。これにより保有総額は 8,000 BTC となり、ビットコインを保有する世界の上場企業の中で第16位の規模に浮上しました。先週にはナスダック(NASDAQ)の上場を維持するために「1対15」の株式併合を実施したものの、株価は年初来で60%を超える下落を記録するなど苦戦が続いています。なお、ドナルド·トランプ氏本人も、自身で1億ドルを超えるBTCを保有していることを公開したばかりです。
(7)トランプ政権の「戦略的BTCリザーブ(国家備蓄)」計画に法的ハードル
トランプ氏が掲げるビットコインを国家の戦略的備蓄資産にするという計画について、「そもそも財務省にその管理権限があるのか」という根本的な法的問題が浮上しています。現在はその管理権限を商務省へ移管することも検討されており、司法省が法的枠組みの具体的な調整を進めているとのことです。
(8)バーンスタインがビットコインの年末15万ドル目標を維持
米調査会社バーンスタイン(Bernstein)は、ビットコインの年末価格目標である「15万ドル」を改めて維持しました。ビットコインは昨年10月の高値(あるいは直近高値)の12.5万ドル水準から一時54%下落する局面もありましたが、同社は「過去の半減期サイクル末期で見られた75%から90%の大暴落に比べれば、今回の調整は極めて軽傷である」との見解を示しています。今後の警戒ラインとして、高値から75%戻した水準である「3.1万ドル」を割り込んだ場合は、本格的なベアマーケット(弱気相場)への突入シグナルになるとのことです。
(9)Coinbaseの「ビットコイン·プレミアム指数」が50日連続マイナスで過去最長を更新
米大手のコインベース(Coinbase)取引所における価格乖離を示すプレミアム指数が、5月19日から数えて「50日連続でマイナス」を記録し、過去最長記録を更新しました。前回の記録である40日連続マイナス(1~2月期)を大きく上回っており、米国の機関投資家による需要が足元で減退していることを示す不気味なシグナルとして警戒されています。
(10)未成年向け長期投資口座「トランプ口座」が正式ローンチ
7月4日の米国独立記念日の夜、トランプ氏は「トランプ口座(Trump Account)」の正式なローンチを祝い、遠隔操作でニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)の開市ベル(オープニングベル)を鳴らしました。この口座は未成年者向けに設計された長期投資制度であり、2025年から2028年生まれの社会保障番号(SSN)を持つ米国市民の子供たちに対し、政府が自動的に1,000ドルを支給して入金し、S&P 500インデックスファンドを購入する仕組みです。原則として18歳になるまで資金の引き出しは認められず、最終的な運用損益は自己責任となります。また、政府からの1,000ドルとは別に、親は毎年最大5,000ドルを上限として追加で追加入金することができます。本来は一般的な子供向けの貯蓄·投資計画であるはずでしたが、デル(Dell)、ブラックロック、JPモルガン·チェース、シティグループといった米国の超大手企業が次々と追随し、寄付のマッチング(同額の寄付上乗せ)を発表したことで、この口座は「政府による福祉」という枠を超え、企業間の競争をエスカレートさせる場へと急速に変貌しています。現在、全米で既に600万世帯がこの口座を開設しており、そのうちの86%が年収20万ドル未満の一般·低所得世帯です。支持派はこれを「すべての子供が生まれた瞬間から『小さな株主』になれる」というインクルーシブ金融(金融包摂)の素晴らしい実験であると評価しています。その一方で反対派は、この口座に充てられる政府資金の一部が、低所得世帯向けの食料券(スナップ)や子供向けの医療保険予算の削減から捻出されている点を懸念しており、18歳まで資金が完全にロックされる仕組みは、一般世帯の現在の経済的な困窮や圧力をまったく緩和できないという点も問題視しています。
(11)バイナンス前CEOのCZ氏「仮想通貨はもう消せない」と発言
バイナンスの創設者であるチャンポン·ジャオ(CZ)氏は、次期の米政権から再び召喚状が届く可能性について問われ、「先のことは予測不能である」と回答しました。しかし同時に、「反仮想通貨」を掲げる政治家は、今後の選挙で多くの票を失うリスクがあると指摘しています。同氏は「暗号資産はAI(人工知能)やインターネットと同じである。一度世界に広まってしまったテクノロジーに対して、後から『削除ボタン』を押して消し去ることは不可能だ」と言及しました。
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(本レポートは、2016年の配信開始以来、常に市場の最前線をお届けしています)