手法を販売する理由
なぜ、商材を売るのか。
トレードで生計を立てている人間が、なぜ教育コンテンツを売るのか。
その問いに、正直に答えようと思います。
動機は、正直に2つあります。
まず、包み隠さず申し上げます。動機は2つあります。
ひとつは、収入の柱を複数持ちたいという、至極シンプルな経営判断です。トレードで安定した収益を得ていたとしても、それひとつに依存することは、長期的なリスクになり得ます。教育という形で別の収益源を設けることは、事業として合理的な選択だと考えています。
もうひとつは、かつての自分と同じ苦しみの中にいるトレーダーに、ひとつの道筋を示したいという気持ちです。綺麗事に聞こえるかもしれませんが、これは本音です。むしろ、この2つ目の動機がなければ、わざわざ教育という手間のかかることに踏み込もうとは思いませんでした。
負けの2年間。思い出したくもない話をします。
当時の自分は、常に「聖杯」を探していました。
どこかに、勝ち続けている人間だけが知っている特別な手法があるはずだ。それさえ手に入れれば、自分も変われる。そう信じて、ひたすら情報を集め続けていました。
しかし、努力はしていませんでした。
情報を消費することを、学びと混同していたのです。チャートに向き合う時間よりも、誰かの発信を眺める時間のほうが、圧倒的に長かった。結果は当然、右肩下がりの口座残高でした。
資金が底をつきかけた時、初めて本当の意味での危機感を覚えました。
私がチャートと真剣に向き合い始めたのも、まさにその瞬間からでした。
言葉は知っている。しかし、使い方がわからない。
多少のトレード用語は持っていました。ダウ理論、押し目、レジサポ転換。言葉という道具だけは揃っていました。
しかし、使い方がわからなかった。
これは、多くのトレーダーが陥る本質的な問題だと今は思っています。知識として「知っている」ことと、実際のチャートの前で「使える」ことは、まったく別の次元にあります。どこがエントリーで、どこは違うのか。その判断基準を、自分の中に構築できていなかったのです。
私はここを、自分なりの解釈で徹底的に噛み砕き、自分の身体感覚に落とし込む作業に専念しました。それ以外に、答えを得る方法が見当たりませんでした。
毎朝5時から、ただ過去検証だけをやり続けました。
当時はサラリーマンをしていました。日中は仕事をこなしながら、少額の資金で検証中の手法を試すトレードを続け、朝は5時に起きて出勤前の時間を過去検証に充てる。その繰り返しでした。
最初の3ヶ月は、まったく芽が出ませんでした。
損益はほぼ横ばい、あるいはわずかなマイナス。手応えがあるような、ないような、という曖昧な状態が続きました。それでも検証を続けたのは、それ以外にできることが何もなかったからです。
転機は、月次が初めてプラスに転じた瞬間でした。金額は大したものではありませんでした。しかし、その時の感覚は今でも鮮明に覚えています。「やっと、解放される」という感覚でした。苦しかった2年間が、ようやく報われたように感じた瞬間でした。
負けの構造は、常に自分の内側にあります。
勝ち始めてからも、検証をやめませんでした。ルールを確立させる作業に、ひたすら没頭し続けました。
その過程でひとつの確信に至りました。トレードにおける負けは、基本的に自分自身が作り出しているパターンしか存在しない、ということです。
ルール通りにトレードできないのは、過去検証の数が足りていないからです。自分のルールに確信が持てないから、相場の動きに引きずられてしまう。
チャンスに見えてポジションを取ってしまうのも同じです。何がチャンスで、何がそうでないかを、判断できるほどに身体で覚えていない。
資金管理ができないのも、根は同じところにあります。自分が取るリスクからロットを逆算するという思考回路が、そもそも備わっていないのです。
それ以外のことは、その土台ができてから考えれば十分です。
経済ニュースを見ることの、本当の意味。
言葉を勉強する。経済ニュースを読む。世界情勢を把握する。これらを「トレードの勉強」と位置づけているトレーダーは少なくありません。
しかし、一般のトレーダーがプロと同じフィールドで同じ戦い方をすることは、構造的に無理があります。情報の速度と質が、根本から違います。
一般のトレーダーが磨くべきは、チャートをしっかりと読む力です。ゼロサムゲームの中に、いかに期待値を乗せるか。確率をいかに自分側に傾けるか。その一点に集中すること、それが再現性のある勝ちへの道だと考えています。
適切なメンターを選ぶことが、最短の道です。
私は勝てるようになる前、「勝っている」と言われる人たちの発信を見続けていました。
しかし、肝心なところは誰も教えてくれませんでした。
なぜか。無料で発信しているからです。
手法は、それを作り上げた人間にとって、間違いなく資産です。勝てる立場になった今だからこそ、よくわかります。仮に手法を無料で教えて相手が勝てるようになったとして、毎月の利益から対価をいただけるわけではありません。教える側に残るものは何もない。
だからこそ、手法を伝える対価をいただくのです。それは、至極自然な関係性だと思っています。無料のコンテンツも一定の価値を持ちます。しかし、無料は、無料以上の価値を持つことができません。
このことを念頭に置いてメンターや手法を探せば、無駄に費やす時間を大幅に短縮できるはずです。
商材を売ることへの後ろめたさが、まったくないとは言いません。しかし、自分が2年間探し続けていたものを、正しく届けられる形で提供できているとするなら、それは誠実な仕事だと思っています。
読んでいただき、ありがとうございました。