仮想通貨相場分析【6月30日】
本日の主な暗号資産の値動き(2026年6月30日時点)
最新の市場データ(CoinMarketCapなど)によると、主要な暗号資産の価格および前日比(24時間前比)の値動きは以下の通りとなっています。
·ビットコイン(BTC)
現在の価格は約 58,927ドルで、過去24時間比で +0.23% となっています。
·イーサリアム(ETH)
現在の価格は約 1,569ドルで、過去24時間比で +0.60% となっています。
·ソラナ(SOL)
現在の価格は約 73.23ドルで、過去24時間比で +0.82% となっています。
暗号資産市場全体の時価総額は、現在約 2.04兆ドル(過去24時間比で -0.20%)に達しています。
また、市場全体におけるビットコインの占有率を示す「ビットコイン·ドミナンス(Bitcoin dominance)」は約 57.8% を記録しています。(通常不況時はドミナンスが上昇する傾向になる)
市場の投資家心理を数値化したセンチメント(Crypto Fear & Greed Index)は15である「Extreme Fear(極度の恐怖)」を示しており、投資家の間では非常に強い警戒感が広がっています。
本日の市場はやや小幅に持ち直す(リバウンドする)ような動きが見られますが、ビットコイン(BTC)は依然として59,000ドル近辺で推移しており、方向感を欠いた弱含みのレンジ相場(一定の価格帯で行ったり来たりする相場)が続いています。暗号資産メディアであるCoinDeskなどの最新の報道でも、「大口投資家や機関投資家からの需要が全体的に低迷していることで、価格が59,000ドルの節目を割り込んでいる」という現在の厳しい状況が重ねて指摘されています。
本日の値動きの主な要因·ニュース
本日、暗号資産市場が上値の重い展開となっている主な原因や関連ニュースは、以下の通りいくつかの要素に分解できます。
·ETF(上場投資信託)からの大規模な資金流出の継続
特にビットコイン(BTC)の現物(スポット)ETFにおいて、機関投資家による資金の流出が顕著に現れています。今年6月は、過去最悪クラスの月間流出額(数十億ドル規模)を記録したとされており、世界最大の資産運用会社であるBlackRock(ブラックロック)の「IBIT」などが投資家から大きく売られている状況です。この動きが「機関投資家による需要の低迷」を明確に象徴することとなり、相場全体の価格を強く下押しする圧迫要因となっています。
·マクロ経済環境(為替や他資産との連動)
国際的な経済環境においては米ドルが強含んでおり、これに伴い外国為替市場では円安がさらに進行するなどの影響が出ています。米ドル高の局面では、ビットコインをはじめとするリスク資産全般に資金が回りにくくなり、価格が圧迫される傾向にあります。本日は安全資産とされる金(ゴールド)や銀(シルバー)も売られており、こうした他の主要コモディティ市場の動きと暗号資産市場が連動していることも、下落の一因として挙げられます。
·その他の要因とセンチメントの悪化
ビットコインを大量に保有する企業として知られるMicroStrategy(マイクロストラテジー、ティッカー:MSTR)の株価が低迷していることや、同社のビットコイン関連の新たな対応が市場のセンチメント(投資家心理)をさらに悪化させています。また、ブロックチェーン上の取引活動を示すオンチェーンデータを見ても需要が非常に低調であり、デリバティブ(金融派生商品)のオプション市場では、さらなる価格下落に備えてポートフォリオを保護するための「下落保護(プットオプションなど)」の需要が急速に高まっています。
·イーサリアム(ETH)およびアルトコインへの波及
イーサリアム(ETH)においてもビットコインと同様に厳しい展開が続いており、特に分散型金融(DeFi)に関連するトークンが顕著に弱い動きを見せています。市場全体を包み込んでいる広範な「リスクオフ·ムード(投資家がリスクを避ける姿勢)」が、アルトコイン市場全体に悪影響を及ぼしています。
全体としてまとめると、「機関投資家による売り圧力」と「マクロ経済における米ドル高」という2つの大きな要素が、現在の市場における強力な下押し要因となっています。
先週(約7日間)からの価格動向
直近7日間(約1週間)の推移に焦点を当てると、CoinMarketCapのデータから以下のような部分的な回復や安定化の兆しが見て取れます。
·ビットコイン(BTC):過去7日間で プラス約 5.9%
·イーサリアム(ETH):過去7日間で プラス約 5.7%
·ソラナ(SOL):過去7日間で プラス約 5.4%
時計の針を少し戻すと、6月中旬にはビットコイン(BTC)が62,000ドルを超え、イーサリアム(ETH)が1,700ドルを超える水準で取引されていました。しかしそこから、上述した現物ETFからの急激な資金流出の影響を受け、市場全体に強い下落圧力がかかりました。
一方で、直近の1週間に関しては、価格がこれ以上下がりにくくなる「小幅な反発」や「底固め」の動きへと転じています。ただし、この動きはまだ力強い上昇トレンドへの転換を意味するものではなく、あくまで「大きく下落した後の自律反発·調整局面」の範囲内であり、一定の価格帯で推移するレンジ相場を形成している状態に過ぎません。
6月全体という長いスパンで見ると、ビットコイン·イーサリアムともに月間の騰落率はマイナス圏で推移しており、今年初めにつけた年初来の高値圏からの調整(価格の下落·停滞)が今なお続いている形です。
先週の市場は「一旦は下げ止まり、次の材料を待つための様子見」という雰囲気が漂っていましたが、根本的な原因であるETFからの資金流出が完全に止まらない限り、市場全体の本格的な価格回復は難しいという見方が大勢を占めています。
ETFフローの直近1週間程度のまとめ(6月23~29日頃中心)
直近のビットコインおよびイーサリアムの現物ETFにおける資金の流出入(フロー)の状況は、以下の通りとなっています。
·ビットコイン(BTC)スポットETF(CoinGlassデータなどに基づく)
ビットコインの現物ETFからは、ほぼ毎日資金が流出し続けるという極めて厳しい状況が続いています。
·6月29日:約 マイナス2億3100万ドル(-$231 million)の純流出
·6月25日:数百百万ドル(数億ドル)規模の大規模な純流出を記録
·6月26日や24日など、それ以外の取引日においてもまとまった赤字(純流出)を計上
これらを1週間単位で合計すると、数千万ドルから数億ドル規模に上る巨額の純流出となっており、ビットコインの数量に換算すると累計で約 マイナス25,000 BTC相当に達する規模感です。
特に世界最大の運用会社であるBlackRock(ブラックロック)が提供する「IBIT」が最大の流出源となっており、以前から流出が続いているGrayscale(グレースケール)の「GBTC」なども同様にその悪影響を受けています。
全体として、実質的に「7週連続での資金流出」という非常に不名誉な流れが継続しており、ETFが保有する総資産残高(AUM:Assets Under Management)は大幅に減少しています。これは、6月中旬に記録したピーク時の残高から大きく低下したことを意味します。
·イーサリアム(ETH)スポットETF
イーサリアムの現物ETF市場においても、継続的な資金の流出が非常に顕著となっています。
·6月29日:約 マイナス19,000 ETHの流出
·6月25日:約 マイナス50,000 ETHの大規模流出
·6月23日~26日についてもほぼ毎日が赤字(資金流出)であり、資金が純流入した日はほとんど確認されていません。
金額ベースでは数百百万ドル規模の流出が続いており、ビットコインほどの絶対額ではないものの、イーサリアムに対する機関投資家需要の弱さが際立つ結果となっています。
·補足情報:
ビットコインやイーサリアムが苦戦する一方で、対照的にXRP(リップル)のETFなどには一部で資金の流入が続いています。このことから、市場の投資家がビットコインやイーサリアムから他の暗号資産へと資金を移動させる「資金のローテーション」が一部で発生している可能性が示唆されています。
暗号資産市場の各種データと最新動向
市場の心理指標や価格、およびアルトコインを取り巻く環境は以下の通りです。
·ビットコインの「恐怖と強欲指数(Fear & Greed Index)」は現在【15】を記録しています。これは市場が「極端な恐怖(Extreme Fear)」に支配されていることを意味します。
·現在のビットコイン価格:58,528ドル
·アルトコイン市場の長期低迷
アルトコイン市場は、現在にいたるまでおよそ8ヶ月近くもの長期にわたり低迷を続けています。
大手暗号資産取引所であるBinance(バイナンス)に上場している銘柄のうち、実におよそ84%もの銘柄が、長期的なトレンドの分岐点とされる「200日移動平均線」を下回るという「極端な弱気状態(ベア·マーケット)」に陥っています。
この低迷の期間は、2020年以降の暗号資産の歴史において「2番目に長い低迷サイクル」となっており、過去に記録された前回の本格的な弱気相場(約10ヶ月間の低迷)の記録をさらに更新しかねないほどの異例のペースで長期化しています。
ビットコイン(BTC)関連の個別ニュース
·MicroStrategy(マイクロストラテジー)社が「保有ビットコインの売却方針」を発表
大量のBTCを買い増しし続けることで有名なMicroStrategy社が、現在同社が保有しているビットコインのうち、およそ2.5%程度を売却できるとする新たな方針を発表しました。
同社は、デジタル·クレジット(デジタル信用)の枠組みを強化し、自社の流動性を向上させること、そして長期的なビットコインの保有体制を強固に維持しながら、長期的な企業価値の創造を支援することを目的とした「デジタル·クレジット·キャピタル·フレームワーク(Digital Credit Capital Framework)」を正式に発表しました。
この発表にともない、同社は配当の支払いや利払い、さらには自社株買いの資金に充てることを目的として、保有するBTCの一部の売却を許可する形をとりました。
具体的には、MicroStrategy(MSTR)の株式および優先株を用いて、合計20億ドル規模の買い戻し(バック)枠を設定しました。また、あわせて「STRC」の配当率を従来の11%から12%へと引き上げることも発表しています。
同社は、株価が1株あたり純資産価値を割り込む「mNAVの1割れ」や、現金準備高が38%も減少するという窮地に立たされており、これまでの「ひたすら買い増し一辺倒」だった強気の路線を修正せざるを得なくなった形です。市場では、同社が「攻めの姿勢から、自社を守るための守りの姿勢」へとシフトしたと受け止められています。
·Coinbase(コインベース)CEOの市場認識:現状は「冬」ではなく「涼しい風」
これまでの暗号資産市場の歴史的な大暴落(ドローダウン)と比較して、米最大手取引所CoinbaseのCEOは「正直に言って、現在の状況はほとんど仮想通貨の冬(本格的な冬眠期)という感じではないよ。むしろ、心地よい涼しい風が吹いている程度だ」と発言しています。
実際、これまでの過去の暴落時における最大下落率と比べると、今回の最高値からの下落率はマイナス53%程度にとどまっており、過去の壮絶な暴落を知るベテランたちからすれば、確かに「まだ涼しい風のレベル」と言えるのかもしれません。
·Liquid Capital創業者ジャック·イー氏の分析
Liquid Capitalの創業者であるジャック·イー氏は、「今回起きている価格の下落は、ビットコインの歴史における2010年以降で数えて『3度目の大きな波』であり、このサイクルの最後の大調整(最後の押し目)になる可能性がある」との見解を示しました。
同氏は、これからの時期である「7月~8月」が、投資家にとって絶好の買い場(仕込み時)になる可能性を示唆しています。
事実として、今回の弱気相場における最大下落率は約51%にと得まっており、2014年以降に起きた過去の弱気相場と比べても「最も穏やかな下落」となっています。テクニカル的には、48,000ドル~56,000ドルの価格帯が、今後を占う上での重要な最終防衛ラインとして機能すると見られています。
·ビットコイン担保ローン市場の急回復
暗号資産を担保にしたローン市場が急速な回復を見せています。
2022年に起きた「BlockFi(ブロックファイ)」や「Celsius(セルシウス)」といった大手貸付プラットフォームの相次ぐ破綻という大打撃から完全に立ち直り、2026年第1四半期(Q1)の市場規模は670億ドル(前年同期比で49%増)にまで拡大しました。
さらに、米国の伝統的な大手銀行もこの担保ローン市場へ次々と参入し始めています。現在提示されている金利は7.5%~16%と高めですが、大手銀行の参入によって競争が激化すれば、今後は金利が下がっていく可能性も高いとされています。ベンチャーキャピタル(VC)の投資家数自体は6年ぶりの低水準にとどまっているものの、伝統的な「機関投資家のマネー(クジラ資金)」は、着実にそして確実にクリプト市場へと流入し続けています。
·CryptoQuantがビットコインの「初の底打ちシグナル」を検出
オンチェーンデータ分析企業であるCryptoQuant(クリプトクォント)の最新データにより、ビットコインの価格が「初の底打ち」を示唆するシグナルが検出されました。
ブロックチェーン上のデータを詳細に分析したところ、投資家たちが損失を確定させるために売る「損切り売り圧力(カピチュレーション)」が大幅に収束(減少)しつつあるとのことです。
ただし注意すべき点として、2018年、2020年、2022年といった過去の相場サイクルを振り返ると、オンチェーンで底打ちシグナルが出た後も、しばらくの間は一定期間の価格調整やもみ合いを経てからでなければ本格的な反転上昇には至っていません。そのため、今回もシグナル点灯後すぐに急騰するわけではないという点に留意する必要があります。
·Grayscale(グレースケール)による今後のビットコインシナリオ分析
投資大手のGrayscaleは、ビットコインの今後の展開について、以下の2つの対照的なシナリオを提示して分析しています。
·上昇シナリオ:
米国の「CLARITY法案」が上院を無事に通過し、さらに米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを見送る(金融緩和方向への期待)という条件が揃えば、現在の価格帯が「底値圏(大底)」となる可能性が高まります。
·下落シナリオ:
逆に、上記のCLARITY法案が不成立に終わり、インフレが長期化することでFRBがさらなる利上げに踏み切った場合、市場はさらに一段と下落することになります。
なお、Galaxy Research(ギャラクシーリサーチ)がこのCLARITY法案の成立確率を「50%」へと下方修正したばかりであり、市場関係者の間では、来る7月初旬が相場の大きな分岐点(運命の分かれ道)になると予想されています。
イーサリアム(ETH)およびアルトコイン関連の個別ニュース
·米下院がFRBによるデジタル通貨(CBDC)の作成を2030年まで禁止する法案を可決
米国の下院において、連邦準備制度理事会(FRB)が2030年までの間に中央銀行デジタル通貨(CBDC、いわゆるデジタルドル)を作成·発行することを全面的に禁止する法案が決議されました。
この法案は議会を通過し、正式に米国の法律として成立しました。国家による国民のお金の監視を防ぎ、市民のプライバシーを保護することを第一に念頭に置いた、Web3および暗号資産業界にとっても非常に画期的かつ歴史的な法律といえます。
·Sharplink社が10,000 ETHを購入
Sharplink(シャープリンク)社が、新たに10,000 ETHという巨額のイーサリアムを購入したことが判明しました。同社は最新の自社株買いプログラムを実行中であり、今回の動きに合わせて213万株の「SBET株」を市場から買い戻したこともあわせて報告されています。
·VisaやBlackRock、Coinbaseなど140社超が新型ステーブルコイン「OUSD」の連合を結成
決済大手のVisa、世界最大の資産運用会社BlackRock、大手取引所Coinbaseをはじめとする140社以上のグローバル企業が、新しいステーブルコイン「OUSD」の運営に向けて巨大なコンソーシアム(連合)を結成しました。
このOUSDは、どこか特定の単独企業が発行する形式ではなく、企業連合が共同で運営を行うコンソーシアム型を採用しています。特徴として、参加している企業の間で準備金から生まれる金利などの収益をシェア(分配)し、運営のガバナンス(意思決定)にも共同で参加できる仕組みになっています。さらに、ユーザーがこのトークンを発行·償還(現金化)する際の手数料は「完全にゼロ」に設定されています。
年内のローンチ(サービス開始)を予定しており、大手決済企業Stripe(ストライプ)の傘下にあるBridge(ブリッジ)の共同創業者が、この連合のCEOに就任することが決定しています。
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