自動売買には、どんな「戦略」があるか
TrendSync ―― 売買して、検証して、戦略を練る
前回は、TrendSync の売買を後から検証(答え合わせ)できることを紹介した。
今回は、その売買の中身。どんな「戦略」で売買しているのか、そして実際の取引ではどう動くのかを、これから取引を始める人にも分かるように整理する。
なぜ「戦略」をいくつも持つのか
相場は、毎日 変わる。
はっきり一方向に動く日もあれば、行ったり来たりを繰り返す日もある。前場と後場で性格が変わる日もある。
一つの戦略だけで売買すると、その戦略が得意な日は勝てても、苦手な日にまとめて負ける。波が大きくなりすぎる。
そこで TrendSync は、性格の違う戦略をいくつか用意して、相場に合わせて組み合わせる。
万能の一手を探すのではなく、役割の違う複数の戦略で、当たり外れをならしていく。この考え方が土台になっている。
代表的な戦略を、三つ紹介
・流れに乗る戦略(順張り)
上がり始めたら買い、下がり始めたら売る。値動きが一方向にはっきり出た日に力を出す。
「天井や底を当てる」のではなく、「動き出した方向についていく」考え方。
・行き過ぎを戻す戦略(逆張り)
上がりすぎ・下がりすぎを目印に、逆の方向へ入る。
振り子が振れすぎたら戻る、という発想。行ったり来たりの相場を受け持つ。
・値動きの帯で見る戦略(ボリンジャー)
普段の値動きの幅を「帯」として描き、その帯から外れた場面を目印にする。
いつもより大きく動いたかどうかを、形で判断する。
どれが正解、という話ではない。得意な相場が それぞれ違う。
言葉だけでは分かりにくいので、実際の取引を見てみる。
こちらは、ある日の信越化学工業(4063)。順張りで、一日に3回 売買した日。
順張りは「動き出した方向についていく」戦略。図の青や赤の丸の番号が、売買に入った順番。緑の線が利確ライン、赤い線が損切ライン。
①は、朝の上昇に乗って買い、上げが一段落したところで決済(+2,760円)。
③は、午後の下げに乗って売り、しっかり下げが伸びて決済(+6,640円)。
流れがはっきり出た場面では、こうして取れる。
一方 ②は、上で売った直後に逆に上げてしまい、損切ライン(赤い線)で決済(−7,470円)。
もみ合いに入った場面では、こうして損切りになる。
この日は3回で、合計 +1,930円。勝ち2回・負け1回。
順張りは、流れが出れば取れるが、もみ合うと損切りも出る。その両方が、一日の中に普通に起きる。
どんな戦略にも、苦手な相場が必ずある。だからこそ、一つの戦略だけに賭けない。
役割分担という考え方
順張りと逆張りは、得意な相場が ちょうど逆になる。
方向がはっきり出た日は順張りが伸び、もみ合った日は逆張りが受け持つ。
片方が苦しい日も、もう一方で補う狙い。
完璧な戦略は無い、という前提に立つからこそ、性格の違う戦略をそろえて、当たり外れの波を小さくする。
派手に勝つ一手より、負ける日を浅くして続ける。その設計の一部が、この戦略の組み合わせ。
どの戦略を、どの銘柄で、どの設定(利確や損切の幅、見るタイミング)で動かすか。
これは一度決めたら固定、ではない。
前回紹介した検証で、毎日その日の相場に当てて試し直せる。
戦略の良し悪しは、思い込みではなく、実際の相場の答え合わせで確かめていく。
まとめ
TrendSync の売買は、一つの必勝法に頼るのではなく、性格の違う戦略の組み合わせで成り立っている。
そして、その組み合わせが今の相場に合っているかは、検証でいつでも確かめられる。
なお、本記事で示した取引は、あくまで一例。相場や設定によって結果は変わり、毎回 利益が出るものではない。参考程度に見てほしい。
次回は、その検証を使って、自分で戦略を試す手順を紹介する予定。