どこの何を見てるの?
高値と安値を正確に言えますか?言えないなら負けます
これができない人が、ダウ理論を使おうとしている。
「ダウ理論を使っています」「トレンドフォローをしています」と言うトレーダーに聞いてみたいことがあります。
今のチャートの「高値」と「安値」はどこですか?
この質問に即答できない人が、驚くほど多い。「なんとなくここかな」「直近のここだと思う」と言いながら、チャートを何度も見返す。それは高値と安値を「定義」していないからです。
高値と安値は、感覚で決めるものではありません。明確なルールで決めるものです。ルールなく高値・安値を決めているトレーダーは、毎回違う場所を高値・安値と認識しています。それでは、トレンド判定が安定するはずがない。
「高値・安値がわかる」とはどういう状態か
ダウ理論における高値・安値の定義はシンプルです。
- 高値:上昇の後に下落に転じた頂点。左右より高く、両側に陰線または下ヒゲで囲まれているローソク足の頂点
- 安値:下落の後に上昇に転じた底。左右より低く、両側に陽線または上ヒゲで囲まれているローソク足の底
重要なのは、「転換した」という事実が確認できて初めて高値・安値と認定することです。上がり続けているローソク足の頂点は、まだ高値ではありません。その後に下落が来て、初めて「あそこが高値だった」と確定します。
これを理解していない人は、まだ上昇中の価格を「高値」と呼んでしまいます。そして「高値を超えたからトレンド転換だ」と判断して逆張りエントリーをする。その後も上昇が続いて、損切りを食らう。
なぜ高値・安値の認識がズレるのか
高値・安値の認識がトレーダーごとにズレる最大の原因は、「どの時間足で見るか」が統一されていないことです。
日足で見れば大きな高値・安値が見えます。H1で見れば細かい高値・安値がたくさんある。M5で見ればさらに細かい波が無数に存在します。どの時間足の高値・安値を使うかを決めていないと、分析のたびに「高値」が変わってしまいます。
環境認識に使う時間足(例:H4)での高値・安値を明確に定め、その時間足のトレンド判定を行う。エントリー時間足(例:H1)では、H4の高値・安値を常に意識しながら、H1レベルの高値・安値でタイミングを計る。上位足と下位足で「見ている高値・安値のレベル」を混在させない。
高値・安値が言えない人のトレードで起きていること
高値・安値を正確に定義できていないトレーダーには、共通するパターンがあります。
まず、トレンド判定が毎回変わります。昨日は「上昇トレンド」と言っていたのに、今日は「レンジ」と言う。チャートが変わったのではなく、見ている高値・安値が変わったからです。
次に、損切り位置が決められません。「直近安値の下に損切りを置く」というルールがあっても、「直近安値」がどこかを正確に言えなければ、損切り位置も毎回あいまいになります。結果として、損切りを置かずにエントリーするか、感覚で決めた根拠のない位置に置くことになります。
さらに深刻なのは、トレードの振り返りができないことです。「なぜここでエントリーしたのか」を後から説明しようとしても、そのときの高値・安値の認識が記録されていなければ、振り返りのしようがありません。改善できないトレードは、ただの繰り返しです。
今すぐやるべきこと
チャートを開いて、今日のXAUUSDのH4を見てください。そして、直近の「高値」と「安値」に印をつけてください。
その印を誰かに見せて、「なぜここが高値で、なぜここが安値なのか」を説明できますか?
説明できるなら、あなたはトレンド判定の土台ができています。説明できないなら、今すぐその定義を固めることが最優先です。手法よりも、インジケーターよりも、資金管理よりも先にやるべきことです。
高値と安値を正確に言えない人間が、ダウ理論を語る資格はありません。厳しいようですが、これが現実です。逆に言えば、ここさえ固まれば、トレンド判定の精度は一気に上がります。基礎を馬鹿にしない人が、最終的に勝ち残るトレーダーになります。