[過去に使用してきた手法] ④一目均衡表手法
こんにちは、2payです!
今日は過去の手法シリーズです。
今回のテーマは「一目均衡表」です。
一目は個人的にごちゃごちゃしていてあまり使ってこなかった手法になりますが、ボラのある市場では使えるのではないかと思います。
ボラのある市場
先にボラのある市場について説明します。
アナリストや解説者の話の中でよく「ボラティリティが高い(低い)」という言葉を聞くと思います。ボラティリティとは何なのかという定義を先に説明した方が良いと思い、前置きします。
ボラが高い(低い)を決める判断材料は、「変化率(ROC)」になります。
ROCとは "Rate of Change" の略称です。
FXではあまり使わない単語ですが、株式市場ではよく耳にすると思います。
なぜなら、株式市場の方がROCが高い銘柄が多いからです。
FX市場でROCがメジャーでない理由
FX市場はROCが小さい(=ボラが低い)市場です。
これは市場の構造上の問題ですが、株式と違い、FXは2国間の資金力の比率で表されます。
ざっくりした説明ですが、株式は企業が成長することを目的としているため市場全体に上昇バイアス(買われやすい傾向)が働きます。
一方でFXは2国間の強弱関係を示したものになります。普通は双方の国が自国の成長を促すように働きかけるため、2国のバランスは並行を保ちます。
一方に進むということは自然と複利曲線のような加速度的な成長曲線になるため、ボラティリティが急拡大します。
反対に双方の圧力により価格が拮抗するような市場はいつまでも一定のレンジから抜け出せません。
この違いがボラティリティの傾向を分ける要因になっています。
・株式:一方向(上昇)へ進行しやすい構造
・FX:2国間の強弱関係のため、一定レンジに留まりやすい構造
FXは「ハイレバで危険」という印象を持たれがちですが、実はボラティリティの変動率がハイレバを容認する構造を作っています。
「FXは動かないから倍率を上げて取引する」というのが背景にある実情であり、株式は「元よりボラティリティがある市場だから倍率を上げる必要がない」という理由があります。
ボラティリティの話をしたのは一目均衡表を始めとしたトレンド系指標はボラのある市場環境で使うことを前提としたインジケータになっているからです。
一目均衡表が使える場面
一目均衡表はトレンド系指標に分類され、他のトレンド系指標として移動平均線やボリンジャーバンド等が挙げられます。
基本的にトレンド系指標は中長期向けの指標になります。
短期ではノイズが増えるからです。
「ノイズが増える」という表現は式にしなくても感覚的に理解できるものです。
例えばUSDJPYは、2022年から2025年の4年間で
-(115.033-156.820) = +41.787 円上昇しています。
これをM1チャートとD1チャートで比較したとします。
監視期間は固定とするので、M1でもD1でも上昇量は+41.787 円です。
この4年間を足1本あたりの変動量で計算します。
まずD1ですが、年間営業日を250日で計算した場合、単純計算でバー1本(1日)あたりの変動率は0.167148円となります。
続いてM1を同様に計算すると、バー1本(1分)あたりの変動率は0.000116075円となります。純粋に1/1440です。
さて問題です。1本あたりのROCが高いのはどちらでしょうか?
D1ですね、計算するまでもなく。
ここで私が言いたいのは短期スケールである程、1本あたりの変動効果が希釈(薄まる)されるということです。
これはトレンド系指標を使う上では非常に重要な概念になります。
なぜなら、インジケータは足(本数)単位で算出されるからです。
ダマシに遭うからというより、純粋に1本あたりの変動量の質が高いという理由で上位のスケールを利用した方が良いのです。
M1もD1も同期間の変動量が変わらないということは、短期スケールではそれだけ無駄に上下に振れるノイズを拾う事になります。
単純計算ですが、1日は1440分なので、M1に含まれるノイズはD1の1440倍です。(そのうちの数本は真の値動き)
そしてあらためてトレンド系指標の話に戻りますが、トレンドとは一方向へ価格が変動する状態を指します。レンジを対象としていません。
さて、M1とD1で、トレンド系指標が機能しやすいのはどちらでしょうか?
自明ですね。D1です。なぜならトレンド動向に対するノイズが少ないからです。
MTFで上位足の環境認識を利用するのもこのような事情が絡んでいたりします。
私の伝えたい事(意図)が伝わったでしょうか?
一目を含め、トレンド系指標は短期スケールで使用して欲しくないのです。
一番愚かなのは短期スケールでトレンド系指標に基づいた分析をすることです。(プラスのリターンが残りません。)
一目は特にシグナルの点灯が遅いので、FXなら最低でもH1以上での使用を推奨します。
これに加えて、銘柄の選定も重要になってきます。
FXの場合はクロス円が比較的ボラティリティの高い市場という認識になっています。
基本はクロス円で立ち回るか、いっそGOLDやBTCで取引しても良いと思います。私がこの一目均衡表を使っていた頃は日経で使用していました。
手法の説明
必要なもの
・一目均衡表(数値デフォルト)
・スケール:H1以上
少し使い方が特殊です。
先行スパン1~2の間で反発エントリーとなります。
先行スパンにタッチした足がヒゲで戻されればエントリーです。
先行スパン1と2の使い分けですが、トレンド初動(ダウ転換など)は先行スパン2を使用し、トレンド継続中は先行スパン1で反発を確認します。
統計的な観測ですが、調整波が深いというのはあまり良いサインではありません。
トレンドが強いなら押さずに一方向に進み続けるからです。
そのため、トレンド中盤の深押しはあまり良いサインにはなりません。
どちらかと言えばそれはトレンド終了のサインになります。

先行スパンを使用する理由
本手法で遅行スパン、転換線、基準線は使用しません。
統計的・数理的に利用する意味が分からないからです。
反対に、先行スパンを利用することには意味があります。
先行スパン1,2は、特定期間の(高値-安値)/2+安値で示されます。
つまり、「特定期間のレンジの半値(50%)」を見ているのです。
なぜ半値が良いのか?
押し目を測る際にFibや半値は意識されるゾーンとして有名ですが、実は統計で分布毎の反発回数を取得してみると、50%や38.2%,61.8%に尖った傾向は見えず滑らかなベルカーブ型(標準偏差)に分布します。
これはパチンコ玉の落下分布と同じこと(調べれば出てきます)で、真ん中が最も頻度が多くなります。
つまり統計学的に解釈すると、中心極限定理に基づき50%が最も多い反発ポイントとなり、次点で38.2%や61.8%という中心寄りの比率の位置で反発しやすいことになります。
これはσ1(68.3%=変曲点)よりも内側になるため、38.2~61.8%の範囲で反発する確率はおよそ7割です。
Fibが効くというより、統計分布としてその範囲に概ね落ち着くというイメージです。
(どのFibレベルが一番効くかという検証はあまり意味がありません)
一目の雲は任意の高値安値ではなく指定期間の高値安値のため、主要な高値安値を拾えないことがしばしばあります。
代わりに直近の値動きに対するレスポンスが良いので、直近の値動きに対する指標として活用するのが良いかと思います。
まとめ
今回は一目均衡表の手法について解説しました。
当時あまり使わなかった手法なので、具体的なメソッドより最近の統計分析寄りの話になりました。
トレンド系指標に共通して言えることですが、ごく短期スケールではノイズ負けするので、使わないことを勧めます。
それからトレンド系指標を使用する層の投資家は教科書通りのトレードをする傾向があります。
GCでエントリーするなら、直近安値にSLを設置する等の行動がセットになります。
これを逆手に取り、GC発生時点の直近安値にSLが溜まっている事を推定することで、SL刈りや直近安値に対するブレイクアウトを仕掛けるといったアプローチの仕方が実務では使われています。
私はただの個人投資家に過ぎないので実務の現場で具体的に何をしているのかは分かりませんが、ざっくりとしたことなら推定できますし、逆に利用して稼ぐだけの情報も持っています。
こういうことができると安定的に稼げるようになるので、初心者はとりあえずストップが溜まりやすい位置だけでも推定できるようになると良いかと思います。(ダブルプレッシャーなど参照)
今回はここまでになります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。