MTP開発ノート10|ニュースフィルタは、チャンスを逃すためではなく“事故を避ける”ためにある。
こんにちは、つもです。
この記事は、MTP開発ノートの10本目です。
今日も、勝つ前に破綻しない話をします。
今回のテーマは、ニュースフィルタです。
EAを動かしていると、ニュースフィルタが少し邪魔に見えることがあります。
Masterは動いている。
チャートも動いている。
値幅も出ている。
あとから見れば、入っていれば利益だった。
それなのに、フィルタで止まっている。
こういう時、人は思います。
「もったいない」
「入っていれば取れた」
「ニュースフィルタが邪魔をした」
「せっかくのチャンスを逃した」
この気持ちは分かります。
ニュースや経済指標の前後は、相場が大きく動くことがあります。
大きく動くということは、大きく取れる可能性もある。
だから、止まるのがもったいなく見える。
でも、ここで忘れてはいけないことがあります。
大きく動く相場は、大きく稼げる相場である前に、大きく壊れる相場でもあります。
ニュースフィルタは、チャンスを逃すためにあるのではありません。
事故を避けるためにあります。
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ニュース前後は、いつもの相場ではない
ニュース前後の相場は、普段の相場と違います。
いつもなら止まるところで止まらない。
いつもなら戻るところで戻らない。
いつもなら数pipsの動きで済むところが、一瞬で大きく飛ぶ。
いつもなら問題ないスプレッドが、急に広がる。
こういうことが起きます。
EAは、ある程度「普段の相場」を前提に動きます。
この価格なら入る。
この距離なら追従する。
この幅なら利確する。
この戻りなら有利クローズする。
この条件ならトレーリングする。
でも、ニュース前後は、その前提が崩れやすい。
価格が飛ぶ。
スプレッドが広がる。
約定がずれる。
上下に振られる。
一瞬で段数が進む。
こうなると、普段のルールが急に危なくなります。
相場がいつもの顔をしていない時に、EAだけをいつも通り動かすのは危ない。
ニュースフィルタは、そこを止めるためにあります。
指標で動く相場は、稼ぎやすい前に壊れやすい
指標発表で大きく動く相場を見ると、どうしても思います。
ここを取れたら大きい。
この値幅を取れたら一気に増える。
うまく乗れれば、かなり利益になる。
たしかに、そういう場面はあります。
でも、同時に考えないといけないことがあります。
うまく乗れなかったら、どうなるのか。
飛び乗った瞬間に逆行する。
スプレッドが広がった状態で約定する。
思った価格より悪い価格で入る。
一瞬で含み損になる。
追従やナンピンが連続して入る。
合計ロットが増える。
口座健全性が悪化する。
こういう事故が起きます。
大きく動く相場は、利益の可能性だけを大きくするわけではありません。
損失の速度も大きくします。
特に、MTPのように追従や分割を扱う運用では、値動きの速さはかなり重要です。
ゆっくり逆行するなら、まだ判断できます。
でも、一瞬で動くと、判断より先にポジションが増えることがあります。
だから、ニュース前後は慎重でいい。
取れなかった利益より、避けた事故の方が大事な場面はあります。
スプレッド拡大は、EAの設計を壊す
ニュース前後で怖いのは、値動きだけではありません。
スプレッド拡大も怖いです。
普段は狭いスプレッドでも、指標前後に一気に広がることがあります。
この時、EAの想定は崩れます。
普段なら有利に見える価格でも、スプレッド込みでは不利になる。
普段なら回収できる利確幅でも、コストが重くなる。
普段なら問題ないエントリーでも、最初からマイナスが大きくなる。
これはかなり重要です。
EAは、チャート上の価格だけで戦っているわけではありません。
実際には、スプレッド・手数料・スワップ・約定価格まで含めて戦っています。
ニュース前後は、この条件が悪くなりやすい。
特に、損切りしない運用や、追従・分割を使う運用では、入口の不利さが後から効いてきます。
悪い価格で入る。
含み損が出る。
追加で追う。
さらに重くなる。
この流れは避けたい。
ニュースフィルタは、値動きだけでなく、スプレッドの事故も避けるためにあります。
約定ズレと価格飛びは、あとから修正できない
ニュース相場では、思った価格で約定しないことがあります。
入るつもりだった価格より悪い価格で約定する。
閉じるつもりだった価格より悪い価格で約定する。
そもそも価格が飛んで、想定した位置を通らない。
こういうことがあります。
これが、EA運用ではかなり厄介です。
なぜなら、約定したあとに「やっぱり今のなし」とはできないからです。
一度持ったポジションは、口座に残ります。
悪い価格で入ったポジションも、残ります。
広いスプレッドで入ったポジションも、残ります。
想定外の位置で持ったポジションも、残ります。
そして、その後の平均建値や利確設計に影響します。
MTPでは、有利エントリーや有利クローズを考えます。
でも、ニュース前後で価格が飛びやすい時は、その有利さ自体が崩れやすい。
だから、そもそも近づかない。
これは弱気ではありません。
事故が起こりやすい場所を避ける設計です。
ナンピン・追従EAはニュース相場と相性が悪いことがある
ナンピンや追従を扱うEAは、ニュース相場と相性が悪いことがあります。
理由はシンプルです。
ニュース相場では、値動きが速いからです。
追従条件に到達する。
次の段に到達する。
さらに逆行する。
また条件に到達する。
これが短時間で起きることがあります。
普段なら、段階的に判断できる。
でもニュース相場では、一気に進む。
そうなると、ポジションが短時間で増えやすい。
しかも、その時の価格は荒れています。
不利な価格で入る。
スプレッドが広い。
約定がずれる。
戻りが浅い。
そのまま突き抜ける。
こうなると危険です。
ナンピンや追従は、設計が大事です。
でも、設計された運用でも、ニュース相場では想定外が起こりやすい。
だから、わざわざその時間に戦わなくてもいい。
MTPの思想で大事にしているのは、一撃を取りに行くことではありません。
壊れにくい運用を作ることです。
壊れやすい時間帯を避ける。
これは、かなり自然な判断です。
「入っていれば取れた」は、あとから見た幻想
ニュースフィルタで止まったあとに、相場が大きく伸びる。
この時、人は思います。
「入っていれば取れた」
でも、これはかなり危ない考え方です。
なぜなら、あとから見ているからです。
あとからチャートを見れば、どこで入れば良かったか分かります。
どこで利確すれば良かったかも分かります。
どこで止めれば良かったかも分かります。
でも、その瞬間には分かりません。
ニュースがどう反応するか。
上に行くのか。
下に行くのか。
一瞬だけ動いて戻るのか。
そのままトレンドになるのか。
上下に振ってから方向が出るのか。
分かりません。
それなのに、結果だけを見て「入っていれば取れた」と考えるのは危険です。
それは検証ではありません。
後出しの悔しさです。
本当に見るべきなのは、その時点で入るべきだったかどうかです。
スプレッドはどうだったか。
口座余力はどうだったか。
ポジションはどれくらいあったか。
ロットは重くなかったか。
指標の影響度は高くなかったか。
想定外に動いた時、耐えられたか。
ここを見る。
もし耐えられない状態だったなら、入らなくて正解です。
結果的に取れたとしても、その判断が安全だったとは限りません。
相場では、危ない運転でも目的地に着くことがあります。
でも、それを成功体験にすると、いつか事故ります。
ニュースフィルタは、止まる勇気を自動化する
人間は、止まるのが苦手です。
相場が動きそう。
チャンスに見える。
大きく取れそう。
今入らないともったいない。
そう思います。
特に、ニュース前後は値幅が大きくなるため、余計に入りたくなります。
でも、そういう時ほど危ない。
だから、止まる勇気が必要になります。
ただし、毎回気合いで止まるのは難しいです。
その時の感情。
直近の損益。
含み損の有無。
取り返したい気持ち。
利益を伸ばしたい気持ち。
こういうものに判断が引っ張られるからです。
そこで、ニュースフィルタです。
重要指標の前は止まる。
発表直後は止まる。
スプレッドが落ち着くまで待つ。
値動きが通常に戻るまで待つ。
再開する前に、口座状態を確認する。
これをルールにする。
ニュースフィルタとは、止まる勇気を自動化する仕組みです。
気合いではなく、ルールで止まる。
これが大事です。
相場では、入るルールより、止まるルールの方が口座を守ることがあります。
ニュース後すぐも危ない
ニュースフィルタというと、ニュース直前だけを避ければいいと思いがちです。
でも、ニュース後すぐも危ないです。
発表直後に大きく動く。
一度逆に振る。
そこから本方向に進む。
また戻る。
スプレッドが広いまま残る。
流動性が薄い。
こういうことがあります。
ニュース直後は、方向が分かりやすく見えることがあります。
大きく上がった。
だから買いだ。
大きく下がった。
だから売りだ。
でも、その初動がダマシになることもあります。
一瞬上げてから落ちる。
一瞬下げてから上がる。
上下に振ってから方向が出る。
ニュース後すぐに飛び乗ると、こういう動きに巻き込まれやすい。
だから、ニュース後も少し時間を置く意味があります。
落ち着いてから見る。
スプレッドが戻ってから見る。
値動きが通常に戻ってから判断する。
口座健全性を確認してから再開する。
これでいいと思っています。
取れなかった値幅はあります。
でも、取れなかった値幅より、避けた事故の方が大事な場面は多い。
ニュース後の相場は、祭りのあとに見えて、まだ火花が残っていることがあります。
近づきすぎると、普通に火傷します。
Is it OK?