【4本目】EAで破綻する人は、だいたいロットを甘く見ている
こんにちは、つもです。
今日も、勝つ前に破綻しない話をします。
この記事は、MTP運用設計ノートの4本目です。
今回は、ロットについて書きます。
EA運用で破綻する人は、だいたいロットを甘く見ています。
いきなり強めに言いました。
でも、これはかなり本質だと思っています。
EAが悪い。
相場が悪い。
ロジックが悪い。
タイミングが悪い。
ブローカーが悪い。
もちろん、それぞれ原因になることはあります。
でも、実際にはもっと手前で決まっていることが多い。
ロットが重すぎる。
これです。
同じEA。
同じ通貨ペア。
同じエントリー。
同じ利確。
同じチャート。
それでも、0.01ロットで動かすのと、1.0ロットで動かすのでは、まったく違う運用になります。
片方は検証。
片方は火薬庫です。
今日はその話をします。
EAは、ロットを変えると別物になる
EAを評価する時、多くの人はロジックを見ます。
勝率。
月利。
最大ドローダウン。
エントリー回数。
バックテスト。
フォワード成績。
もちろん大事です。
でも、そこだけを見ていると危ないです。
EAは、ロットを変えると別物になります。
0.01ロットなら耐えられる逆行でも、
0.1ロットならかなり重くなる。
0.1ロットなら様子を見られる含み損でも、
1.0ロットなら画面を見るだけできつくなる。
ロジックは同じです。
でも、口座への圧力が違う。
EAの性格は、ロジックだけでは決まりません。
ロットで決まります。
どれだけ優秀なEAでも、ロットを間違えれば危険になります。
逆に、多少荒いロジックでも、ロットを軽くして検証すれば学びになります。
この差は大きいです。
EA運用で最初に見るべきなのは、
「このEAは勝てるか」
だけではありません。
「このロットで、口座は耐えられるか」
ここです。
勝率が高いEAほど、ロットで事故る
勝率が高いEAを見ると、安心したくなります。
勝率80%。
勝率90%。
連勝中。
右肩上がり。
月利も良い。
こういう数字を見ると、ロットを上げたくなります。
「これならもう少し上げても大丈夫だろう」
「今のロットだともったいない」
「資金効率を上げたい」
「せっかく勝てるなら、大きく回したい」
分かります。
でも、ここが危ない。
勝率が高いEAほど、負けることを忘れます。
小さな利益が積み上がる。
連勝する。
安心する。
ロットを上げる。
そして、上げたあとに大きな逆行が来る。
よくある話です。
勝率が高いことは悪くありません。
むしろ良いことです。
でも、勝率が高いからロットを上げていい、とはなりません。
勝率は安心材料ではあります。
ただし、免罪符ではありません。
勝率が高いEAほど、最後の一撃が重くなることがあります。
だから、勝率を見るなら同時に見たい。
負けた時にどれくらい沈むのか。
含み損はどこまで膨らむのか。
最大ポジション数はいくつか。
ロットが増えた時に、証拠金は耐えられるか。
勝つ時の気持ちよさより、
負けた時の重さを見る。
ここが大事です。
ロットが重いと、正しい方向でも負ける
相場でつらいのは、予想が外れて負けることだけではありません。
もっとつらいのは、方向は合っていたのに、途中で耐えられずに負けることです。
買い方向は合っていた。
でも、一度深く押した。
売り方向は合っていた。
でも、一度大きく踏み上げられた。
その途中で口座が耐えられなかった。
そして、そのあとに思った方向へ動いた。
この負け方は、かなりきついです。
でも、EA運用では普通に起きます。
なぜ起きるか。
ロットが重いからです。
ロットが軽ければ、途中の逆行を耐えられたかもしれない。
ロットが軽ければ、次の段を冷静に見られたかもしれない。
ロットが軽ければ、利確まで待てたかもしれない。
でも、ロットが重いと、判断が急に狭くなります。
含み損の金額が大きい。
証拠金維持率が下がる。
追加で入る余地がなくなる。
少しの値動きで心が折れる。
そして、変なところで切る。
または、切れずに強制ロスカットまで行く。
方向が合っているかどうかより先に、
耐えられるサイズかどうか。
EA運用では、ここが問われます。
最初のロットで勝負してはいけない
MTPのように追従や分割を考える運用では、特に大事なことがあります。
最初のロットで勝負しないことです。
最初の1本目から大きく入ると、勝った時は気持ちいいです。
利益も大きく見える。
効率も良く見える。
「もっと早く増やせる」と思う。
でも、その代わりに後半の自由度を失います。
相場が逆行した時、どうするか。
待つのか。
追加するのか。
追従を止めるのか。
有利クローズを狙うのか。
両建て回復で時間を作るのか。
一部を整理するのか。
こういう選択肢は、口座に余力があるから持てます。
最初からロットが重いと、余力が消えます。
余力がないと、運用は急に雑になります。
本当は待つべき場面で焦る。
本当は止めるべき場面で無理をする。
本当は軽く入るべき場面で取り返そうとする。
そして、設計が崩れる。
最初のロットは、攻めの一手ではありません。
後半で生き残るための入口です。
ここを間違えると、あとの工夫が全部苦しくなります。
ロットは利益目標から決めてはいけない
ロットを決める時、多くの人は利益から考えます。
月にいくら欲しい。
1日にいくら取りたい。
このくらい増やしたい。
だから、このロットで回したい。
気持ちは分かります。
でも、この決め方は危ないです。
利益目標からロットを決めると、だいたいロットは重くなります。
本来は逆です。
まず、どれくらいの逆行を想定するか。
どれくらいの含み損なら耐えられるか。
証拠金維持率をどこまで守るか。
何段まで追従する可能性があるか。
その時に口座が壊れないか。
そこからロットを決める。
つまり、ロットは欲望から決めるものではありません。
ロットは、耐久力から決めるものです。
ここを逆にすると危ない。
「このくらい稼ぎたい」から始めると、相場が少し荒れただけで苦しくなる。
「このくらいなら壊れない」から始めると、少なくとも退場しにくくなる。
勝つことを考える前に、壊れない幅を決める。
地味ですが、これが土台です。
ナンピン・追従は、後半の余力が命
ナンピンや追従では、最初より後半が大事です。
最初のエントリー時点では、まだ余裕があります。
問題はそのあとです。
逆行した。
段数が増えた。
平均建値が動いた。
含み損が膨らんだ。
利確までの距離が変わった。
この時に、まだ冷静に動けるかどうか。
そこが勝負です。
後半で余力がないと、選択肢がありません。
追加もできない。
回収も遠い。
トレーリングまで届かない。
待つには証拠金が苦しい。
切るには損失が大きすぎる。
こうなると、運用ではなく我慢大会になります。
我慢大会は、だいたい最後に口座が負けます。
だから、ナンピン・追従では後半の余力を残す必要があります。
最初に勝ちに行きすぎない。
段数が進んでも壊れないロットにする。
次の手を打てる状態を残す。
これが大事です。
MTPで段階追従や有利エントリーを考えるのも、ただエントリーを工夫したいからではありません。
後半で詰まないためです。
合計ロットを見ない運用は危ない
EA運用では、1本ごとのロットだけを見ると危ないです。
0.1ロット。
これだけ見ると軽く見える。
でも、同じ方向に10本あれば、合計1.0ロットです。
さらに通貨ペアが複数あれば、口座全体のリスクはもっと増えます。
大事なのは、単体ロットではありません。
合計ロットです。
同方向にどれだけ持っているか。
複数通貨でどれだけリスクが重なっているか。
相関のある通貨で同じ方向に偏っていないか。
複数口座で同じようなポジションが増えていないか。
ここを見る必要があります。
特にMTPのように、複数口座やコピー運用を考える場合、1つの口座だけを見て安心するのは危ないです。
A口座は軽い。
B口座も軽い。
C口座も軽い。
でも、全部合わせると重い。
こういうことがあります。
だから、スマホのダッシュボードで複数口座を見える化することにも意味があります。
ロットは、口座単体だけでなく、全体で見る。
ここを見落とすと、気づいた時には重くなっています。

口座健全性を数字で見る
ロット管理で怖いのは、感覚で決めることです。
たぶん大丈夫。
このくらいなら耐えられる。
前も助かった。
今回は戻るはず。
この言葉が出始めたら危ないです。
相場は、こちらの感覚に付き合ってくれません。
だから、口座健全性は数字で見た方がいい。
証拠金維持率。
有効証拠金。
余剰証拠金。
最大含み損の想定。
ポジション数。
同方向の合計ロット。
段数ごとの必要証拠金。
利確までの距離。
こういう数字です。
特に大事なのは、今どれくらい余力があるかです。
今のポジションが助かるかどうかだけを見てはいけません。
次の逆行に耐えられるか。
スプレッド拡大に耐えられるか。
ニュースの急変に耐えられるか。
一時的な踏み上げや急落に耐えられるか。
そこまで見たい。
EAは感情を持ちません。
だから、感情で止まってはくれません。
止める条件を入れておく。
見るべき数字を決めておく。
その数字を割ったら、動きを制限する。
ここまで含めて、ロット管理です。
ロット管理とは、単に何ロットで入るかの話ではありません。
どの状態になったら、もう入らないかを決める話です。
ロットを上げたくなる瞬間が、一番危ない
EAを動かしていると、ロットを上げたくなる瞬間があります。
連勝している時。
含み損が少ない時。
利益が順調に積み上がっている時。
「もっと増やせたな」と思った時。
この瞬間が危ない。
負けている時より、勝っている時の方がロットを上げたくなります。
そして、だいたいそこが危ない。
理由は単純です。
ロットを上げたくなる時は、たいてい直近の相場が自分に合っていた時だからです。
その状態がずっと続く前提で考えてしまう。
でも相場は変わります。
今の勝ち方が、来週も通用するとは限りません。
今のボラティリティが、来月も続くとは限りません。
今の通貨ペアの癖が、急に変わることもあります。
だから、ロットを上げる時ほど慎重にする。
利益が出たから上げるのではなく、
最大逆行に耐えられるから上げる。
ここが大事です。
勝ったからロットを上げる。
これは感情です。
耐えられるからロットを上げる。
これは設計です。
似ているようで、まったく違います。
小ロット運用は逃げではない
ロットを小さくすると、利益も小さくなります。
これは事実です。
だから、小ロットを嫌がる人は多いです。
これでは増えない。
時間がかかる。
効率が悪い。
もっと攻めたい。
分かります。
でも、小ロットには大きな価値があります。
検証できることです。
相場の癖を見る。
EAの動きを見る。
設定の相性を見る。
含み損の出方を見る。
自分のメンタルの揺れを見る。
スマホ通知やダッシュボードの動きも確認する。
これを、口座を壊さずに確認できる。
それだけで価値があります。
大きなロットでいきなり動かすと、学ぶ前に壊れます。
小さなロットなら、失敗してもデータになります。
大きすぎるロットなら、失敗した瞬間に退場になります。
この差は大きいです。
小ロットは、利益が小さい代わりに、学習する時間をくれます。
EA運用では、この時間がかなり大事です。
MTP運用では、ロット設計がすべての土台になる
MTPは、追従や分割、有利エントリー、有利クローズ、トレーリングを扱うEAです。
だからこそ、ロット設計が土台になります。
どれだけ段階追従を工夫しても、最初のロットが重すぎれば苦しくなる。
どれだけ有利エントリーを待っても、合計ロットが大きすぎれば一度の逆行で余裕が消える。
どれだけ有利クローズを設計しても、口座が先に壊れたら意味がない。
どれだけトレーリングで利益を守ろうとしても、その前に証拠金が耐えられなければ終わる。
つまり、MTPの機能はロット設計の上に乗っています。
土台が弱ければ、上に何を積んでも危ない。
家と同じです。
高級なキッチン。
おしゃれな照明。
広いリビング。
全部すばらしい。
でも基礎が傾いていたら、そこじゃない。
EAも同じです。
機能を見る前に、ロットを見る。
月利を見る前に、余力を見る。
勝率を見る前に、最大含み損を見る。
この順番を間違えないことです。
ロット設計で決めておきたいこと
実務的には、最低限これを決めておきたいです。
初回ロット。
最大同方向ロット。
最大ポジション数。
追従開始段。
段数ごとのロット増加ルール。
証拠金維持率の下限。
含み損が一定以上になった時の停止条件。
ニュース前後の新規停止。
利益が出た時の回収ルール。
ロットを上げる条件。
ロットを下げる条件。
特に大事なのは、ロットを下げる条件です。
多くの人は、ロットを上げる条件ばかり考えます。
資金が増えたら上げる。
連勝したら上げる。
調子が良ければ上げる。
でも本当に重要なのは、逆です。
どんな時に下げるのか。
どんな時に止めるのか。
どんな時に様子を見るのか。
ここを決めていないと、苦しい時に判断できません。
人は、追い込まれると都合のいい判断をします。
もう少し待とう。
ここで下げたらもったいない。
次で戻るかもしれない。
そして、だいたい悪い方向へ行く。
だから、平常時に決めておく。
苦しくなってから考えない。
苦しくなる前に決める。
これがロット設計です。
最後に
EAで破綻する人は、だいたいロットを甘く見ています。
これは、EAを責めたいわけではありません。
使う人を責めたいわけでもありません。
むしろ逆です。
ロットを整えるだけで、かなり変わる可能性がある。
そう思っています。
勝率を上げる。
エントリーを磨く。
利確を伸ばす。
トレーリングを調整する。
もちろん大事です。
でも、その前にロットです。
ロットが重すぎると、全部が壊れます。
正しい方向でも負ける。
良いEAでも壊れる。
良い相場でも耐えられない。
勝っている時ほど油断する。
だから、最初に決めるべきなのは、
「いくら稼ぎたいか」
ではありません。
「いくらまでなら耐えられるか」
です。
今日の結論は、シンプルです。
ロットは、利益目標ではなく耐久力から決める。
勝つ前に、まず破綻しない。
そのために、まず壊れないロットから考える。
今日も、そこから始めていきましょう。
※本記事は筆者個人の運用思想に基づくものであり、利益を保証するものではありません。
※FX・自動売買・追従売買には大きなリスクがあります。設定、ロット、相場条件によっては大きな損失が発生する可能性があります。運用は自己責任でお願いします。
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