【3本目】ナンピンEAが破綻する理由は、エントリーではなく“追いかけ方”にある。
こんにちは、つもです。
今日も、勝つ前に破綻しない話をします。
この記事は、MTP運用設計ノートの3本目です。
今回は、ナンピンEAについて書きます。
ナンピンEA。
この言葉を聞くと、かなり印象が分かれると思います。
「危ない」
「いつか破綻する」
「コツコツドカンの典型」
「含み損を抱えて、最後に飛ぶ」
そう言われることが多いです。
たしかに、雑なナンピンEAは危ないです。
むしろ、かなり危ない。
でも私は、ナンピンそのものが絶対悪だとは思っていません。
問題は、ナンピンすることではありません。
どこで、どれだけ、どんな条件で追いかけるか。
ここです。
ナンピンEAが破綻する理由は、エントリーが少しズレたからではありません。
本当に怖いのは、その後の追いかけ方です。
今日はその話をします。
ナンピンは、負けを隠すためのものではない
まず、ここをはっきりさせたいです。
ナンピンは、負けをなかったことにする魔法ではありません。
最初のポジションが逆行した。
次のポジションを追加する。
平均建値が近づく。
戻れば回収しやすくなる。
この仕組み自体は分かります。
でも、ここで勘違いすると危ない。
ナンピンは、含み損を消してくれるわけではありません。
ポジションを増やして、平均建値を動かしているだけです。
つまり、口座のリスクは増えています。
見た目としては、少し戻れば助かりそうに見える。
でも実際には、ロットが増えて、口座への負荷も増えている。
ここを忘れると危ないです。
ナンピンは、負けを隠す道具ではありません。
使うなら、回収までの設計が必要です。
どこで追加するのか。
どれくらいのロットで追加するのか。
何段まで許容するのか。
どこで回収するのか。
どこで止めるのか。
これがないナンピンは、ただの先送りです。
先送りは、最初は優しく見えます。
でも、あとで利息をつけて返ってきます。
相場はそのあたり、かなり取り立てが厳しいです。
破綻するナンピンEAは、入口よりも追い方が危ない
EAが破綻した時、人はエントリーを責めがちです。
あそこで入ったのが悪かった。
方向を間違えた。
タイミングが早かった。
反転を読み違えた。
もちろん、入口は大事です。
でも、ナンピンEAで本当に口座を壊すのは、入口だけではありません。
むしろ、入口の後です。
1本目が逆行する。
2本目を入れる。
さらに逆行する。
3本目を入れる。
また逆行する。
ロットが増える。
含み損が増える。
証拠金維持率が下がる。
それでも止まらない。
この流れが危ない。
最初のエントリーが少し悪かっただけなら、まだ立て直せることがあります。
でも、その後の追いかけ方が雑だと、口座は一気に苦しくなります。
ナンピンEAが破綻する時は、
「最初の1本で死ぬ」
というより、
「追いかけ続けて、気づいた時には重くなりすぎている」
ことが多いです。
だから見るべきなのは、エントリー精度だけではありません。
追従間隔。
ロット増加。
最大段数。
口座余力。
停止条件。
回収位置。
ここです。
ナンピンEAは、入口よりも追い方で性格が決まります。
近すぎるナンピンは、口座をすぐ重くする
ナンピンで危ないのは、間隔が近すぎることです。
少し逆行しただけで追加する。
また少し逆行したら追加する。
さらに追加する。
こうなると、短時間でポジションが増えます。
ポジションが増えると、合計ロットが増えます。
合計ロットが増えると、含み損の増え方が早くなります。
証拠金も使います。
余力も減ります。
最初は大したことがないように見えます。
でも、積み上がると急に重くなる。
ナンピンEAの怖さは、この「最初は軽いのに、後から急に重くなる」ところにあります。
1段目は平気。
2段目もまだ平気。
3段目で少し気になる。
4段目で重い。
5段目で祈り始める。
この流れはよくありません。
ナンピン間隔が近すぎると、相場が少し走っただけで段数が進みます。
本来なら様子を見るべきところで、EAが淡々と拾ってしまう。
そして、戻りを待つ前に口座が重くなる。
だから、ナンピンは間隔が大事です。
ただ追加するのではなく、
本当に追加していいだけの価格差があるのか
を考える必要があります。
ロットを増やしすぎると、戻る前に口座が壊れる
ナンピンEAでよくあるのが、ロットを増やして回収を早める考え方です。
1本目より2本目を大きくする。
2本目より3本目を大きくする。
平均建値を早く近づける。
少し戻れば利益になる。
理屈としては分かります。
でも、これはかなり危ない。
ロットを増やせば、確かに回収は早く見えます。
ただし、逆行した時の損失も早く大きくなります。
少し戻れば助かる。
でも、戻らなければ一気に苦しくなる。
ここが怖い。
ロットを増やすナンピンは、回収速度と破綻速度を同時に上げます。
利益側だけ速くなるわけではありません。
損失側も速くなります。
だから、ロット増加は慎重に考えるべきです。
特に、損切りが苦手な人ほど、ロットを増やしすぎてはいけません。
切れない。
でもロットは増えている。
戻らない。
証拠金が減る。
これはかなり危ない組み合わせです。
ナンピンで大事なのは、早く助かることだけではありません。
戻るまで口座が耐えられることです。
「戻る前提」で組むと危ない
ナンピンEAは、戻る相場には強く見えます。
逆行しても、どこかで戻る。
平均建値が近づく。
少し戻れば回収できる。
そして利益になる。
この流れが続くと、かなり安心します。
でも、ここに落とし穴があります。
相場は、いつも戻るとは限りません。
戻る前にさらに走ることがあります。
戻りが浅いこともあります。
長期間戻らないこともあります。
ニュースや金利差で、片方向に進み続けることもあります。
だから、戻る前提だけで組むと危ない。
必要なのは、戻る期待ではありません。
戻らなかった場合の設計です。
どこまで逆行しても耐えるのか。
何段まで追うのか。
それ以上は止めるのか。
口座健全性が悪化したらどうするのか。
ニュース時は止めるのか。
両建て回復を使うなら、出口はどうするのか。
ここまで考える。
ナンピンは、戻った時に強く見えます。
でも、運用設計で大事なのは、戻らなかった時です。
相場で口座を壊すのは、想定通りの相場ではありません。
想定外の相場です。
ナンピンは、追いかけるほど逃げ道が減る
ナンピンは、追いかければ追いかけるほど、逃げ道が減ります。
ポジション数が増える。
ロットが増える。
含み損が増える。
証拠金が減る。
口座健全性が悪くなる。
そうなると、判断が難しくなります。
本当は止めたい。
でもここで止めると損が大きい。
本当は整理したい。
でも戻れば助かるかもしれない。
本当はロットを下げたい。
でも回収が遠くなる。
こうして、どんどん動けなくなる。
ナンピンで怖いのは、含み損だけではありません。
選択肢が減ることです。
余力がある時は、いろいろできます。
待つ。
一部を閉じる。
追従を止める。
有利クローズを狙う。
両建てで時間を作る。
ロットを調整する。
でも、余力がなくなると、できることが減ります。
そして最後は、祈るしかなくなる。
だから、ナンピンでは、逃げ道を残すことが大事です。
全部追いかけない。
ロットを重くしすぎない。
止まる条件を持つ。
回収できるところで回収する。
追いかけるほど強くなるのではありません。
追いかけすぎると、逃げ道が消えます。

MTPでは、全部追いかけないことを大事にする
MTPでは、Masterのポジションに全部ついていくことを正解とは考えていません。
Masterが1段目を持った。
Slaveもすぐ持つ。
Masterが2段目を持った。
Slaveもすぐ持つ。
Masterが3段目を持った。
Slaveもすぐ持つ。
これが常に正解とは限りません。
なぜなら、MasterとSlaveは同じ口座ではないからです。
資金が違う。
レバレッジが違う。
ロットが違う。
約定価格が違う。
スプレッドも違う。
Masterが耐えられる追い方でも、Slaveが耐えられるとは限らない。
だから、MTPでは段階追従を考えます。
1段目は見送る。
2段目から考える。
3段目から条件付きで入る。
有利な価格になるまで待つ。
こういう考え方です。
全部ついていかない。
これは利益を捨てるためではありません。
口座を守るためです。
有利エントリーは、ナンピンの傷を浅くするためにある
ナンピンや追従で大事なのは、どこで追加するかです。
追加する位置が悪いと、後からかなり重くなります。
急騰中にSELLを追加する。
急落中にBUYを追加する。
不利な価格で飛び乗る。
スプレッドが広い時に入る。
こういう追い方は危ない。
だから、有利エントリーが必要になります。
有利エントリーは、天井や底を当てるためのものではありません。
不利な価格で追いかけないためのものです。
ナンピンでは、追加したポジションが後から効いてきます。
良い位置で追加できれば、回収が楽になります。
悪い位置で追加すると、平均建値も悪くなり、回収が重くなります。
だから、焦って入らない。
少しでも有利な条件を待つ。
これは、ナンピンEAにとってかなり重要です。
利確は遠くしすぎない
ナンピンEAでありがちな失敗が、利確を欲張りすぎることです。
含み損に耐えた。
やっと戻ってきた。
ここまで耐えたなら、もっと取りたい。
気持ちは分かります。
でも、ナンピン運用では、まず回収が大事です。
利確を遠くしすぎると、せっかく戻ってきた相場を逃します。
少しプラスになった。
でもまだ待つ。
さらに伸びるかもしれない。
でも反転する。
また含み損になる。
これでは苦しい。
ナンピンは、含み損を抱える時間が出やすい運用です。
だからこそ、利益が見えた時は、まず資金を戻す。
大きく勝つことより、口座を軽くすることを優先する。
MTPの有利クローズも、この考え方です。
逃げ遅れない。
欲張りすぎない。
回収できるところで回収する。
ナンピンEAでは、出口が遠すぎると、せっかくの回復チャンスを逃します。
口座健全性フィルタは、ナンピンEAのブレーキになる
ナンピンEAに必要なのは、エントリーロジックだけではありません。
ブレーキです。
口座余力が少ない。
含み損が大きい。
ポジション数が増えている。
合計ロットが重い。
証拠金維持率が下がっている。
この状態でさらに追いかけるのは危ないです。
だから、口座健全性フィルタが必要になります。
口座健全性フィルタは、利益を逃すためのものではありません。
壊れる前に止まるためのものです。
ナンピンEAは、止まる条件がないと危険です。
条件を満たせば、どんどん追加してしまう。
口座が苦しくても、淡々と追従してしまう。
EAは人間の顔色を見ません。
「今日はちょっと危ないからやめておこう」
とは思ってくれません。
だから、最初から止まる条件を入れる。
危ない時に止まれるEAにする。
これが大事です。
ニュースと過熱相場では、追いかけない勇気が必要
ナンピンEAは、ニュース相場や過熱相場と相性が悪いことがあります。
指標発表。
要人発言。
急騰。
急落。
スプレッド拡大。
約定ズレ。
こういう場面では、想定より速く段数が進むことがあります。
少し逆行したら追加。
さらに動いたら追加。
一気にロットが増える。
これは危険です。
また、RSIで強い過熱が出ている時も注意が必要です。
買われすぎだから売る。
売られすぎだから買う。
この単純な逆張りは、強い相場では危ないです。
買われすぎのまま上がる。
売られすぎのまま下がる。
そういうことがあります。
だから、ニュースフィルタやRSIフィルタが必要になります。
追いかけない勇気を、ルールにする。
これがMTPの考え方です。
ナンピンを否定する前に、設計不足を疑う
ナンピンEAは危ない。
これは半分正しいです。
でも、もう半分はこうだと思っています。
設計されていないナンピンEAが危ない。
どこで追加するのか分からない。
どれくらい増やすのか曖昧。
何段まで耐えるのか決まっていない。
口座余力を見ていない。
止まる条件がない。
出口が遠すぎる。
こういうナンピンは危ないです。
でも、ナンピンという考え方そのものを、全部否定する必要はないと思っています。
問題は、追いかけ方です。
ナンピンを使うなら、設計する。
ロットを設計する。
段数を設計する。
入口を設計する。
出口を設計する。
止まる条件を設計する。
ここまでやって、初めて運用になります。
最後に
ナンピンEAが破綻する理由は、エントリーだけではありません。
本当に怖いのは、追いかけ方です。
近すぎる追加。
重すぎるロット。
止まらない追従。
遠すぎる利確。
口座余力を見ない運用。
ニュースや過熱相場への飛び込み。
出口のない両建て。
これらが重なると、口座は苦しくなります。
ナンピンは、負けを消す魔法ではありません。
使うなら、設計が必要です。
今日の結論は、シンプルです。
ナンピンが危ないのではない。
危ない追いかけ方をするナンピンが危ない。
全部追いかけない。
ロットを重くしすぎない。
有利な場所まで待つ。
利益が見えたら回収する。
危ない時は止まる。
勝つ前に、まず破綻しない。
ナンピンEAも、その前提で考えていきましょう。
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