【ドル円は“日銀待ち”でも油断禁物、いま市場が見ているのは据え置きそのものではない】
【ドル円は“日銀待ち”でも油断禁物、いま市場が見ているのは据え置きそのものではない】
足元の為替市場では、ドル円は引き続き高値圏を意識した推移となっていますが、相場の焦点は単純な円安・ドル高ではなく、4月27〜28日に開催される日銀会合の結果と、その後のメッセージに移っています。日銀の公表スケジュールでも、27〜28日に金融政策決定会合が予定されており、市場はこのイベントを今週最大の材料として見ています。
現時点では、日銀は今回の会合で政策金利を0.75%に据え置く公算が大きいとロイターが報じています。背景には、中東情勢の長期化に伴うエネルギー価格上昇や、日本経済への不透明感があります。もっとも、今回据え置きだからといって、利上げ路線そのものが消えるわけではありません。市場では、4月見送りでも6月以降の追加利上げ観測は残るとの見方が根強く、実際にロイターの調査では、6月までの利上げを見込む声も多くなっています。
一方で、日本の物価指標はやや微妙です。3月の日本のコアCPIは日銀の2%目標を2カ月連続で下回ったと報じられています。ただし、これは政府の燃料補助金や食品価格の落ち着きが一時的に押し下げた面があり、企業が中東情勢を受けた燃料高を今後価格転嫁していけば、再び物価が上向く可能性があると見られています。さらに、家計のインフレ期待は依然高めで、日銀にとっては「景気不安」と「物価上振れ」の両方を見ながら判断しなければならない難しい局面です。
為替そのものに対する警戒も続いています。日本政府は24日に、円安進行に対して必要なら“断固たる行動”を取る用意があると改めて警告し、米国とも緊密に連携している姿勢を示しました。160円近辺は過去にも介入警戒が強まりやすかった水準であり、相場参加者にとっては「上値余地」と同時に「急反落リスク」も強く意識される価格帯です。
加えて、今のドル円は中東情勢の影響も無視できません。27日時点のロイター報道では、米・イラン協議の停滞を受けてブレント原油は1バレル108ドル近辺まで上昇し、ドル相場も地政学リスクに左右されやすい状況が続いています。日本はエネルギー輸入依存度が高いため、原油高は円安と組み合わさると国内物価への圧力を強めやすく、結果として日銀の政策判断もより難しくなります。
米国側もまた、ドル売り一辺倒にはなりにくい環境です。FRBは3月18日の声明とその後の議事要旨で、インフレはなお高めで、経済見通しの不確実性も大きいとの認識を示しています。つまり、米国がすぐに大きくハト派へ転じるとは見えにくく、日米金利差の面ではなおドル円を支えやすい構図が残っています。
こうした状況で個人投資家が意識したいのは、日銀が据え置くかどうか以上に、据え置き後にどれだけタカ派の余地を残すかという点です。いまのドル円は、高値圏だから買えば安心という相場ではありません。政策、地政学、原油、そして当局のけん制が重なっている以上、方向感を決め打ちするよりも、ロンドン序盤やNY序盤など値幅が出やすい時間帯に絞りつつ、ニュースがどれだけ続く材料なのかを見極めることが、いま最も大切になっていると言えそうです。
Is it OK?