【ドル円は160円目前から一服、いま問われるのは“上昇再開”より“どこで下げ止まるか”】
【ドル円は160円目前から一服、いま問われるのは“上昇再開”より“どこで下げ止まるか”】
足元のFX市場では、ドル円が一時159円台後半まで上昇したあと、直近では158円台前半〜後半へ押し戻される場面が見られています。ロイターによると、17日時点でドルは対円で158.22円付近まで下落し、週間では約9週間ぶりの大きめの下げとなる可能性が意識されました。背景には、中東情勢を巡る過度な緊張がやや和らぎ、ドルの安全資産買いが一服したことがあります。つまり、これまでの円安進行を支えていた“地政学リスクによるドル買い”が少し薄れたことで、相場は一方向に走りにくくなってきたわけです。
ただし、これで円高トレンドへ完全に転換したと見るのはまだ早そうです。日銀の植田総裁は、4月の利上げを明確に示唆せず、市場で高まっていた早期利上げ観測をいったん冷やしました。ロイターは、月初に7割程度まで高まっていた4月利上げ観測が、その後約1割程度まで低下したと報じています。一方で、日銀が追加利上げの可能性そのものを否定したわけではなく、ロイター調査では、エコノミストの約3分の2が6月末までに政策金利が1.00%へ引き上げられると見ています。つまり足元では「4月は見送りでも、利上げ路線はまだ生きている」という理解が自然です。
さらに日本側では、為替の動きに対する警戒感も残っています。財務相は最近の円相場について、地政学要因だけでなく投機的な取引の影響も大きかったとの見方を示し、日米で為替に関する連携を強める姿勢も示しました。加えて、ADBの神田総裁は、日銀がインフレに対して遅すぎる対応をすると、円にさらに下押し圧力がかかる可能性があると指摘しています。160円近辺は依然として当局のけん制が強まりやすい価格帯であり、相場参加者もその点を強く意識していると考えられます。
個人投資家にとって今のポイントは、「円安継続か、円高反転か」を一気に決め打ちしないことだと思います。たしかに日米金利差はなおドル円を支えやすい構図ですが、足元ではドル買い材料の一部が後退し、しかも日銀の次の一手への思惑が残っています。こうした局面では、高値追いよりも、押し目候補や戻り売り候補を時間帯ごとに丁寧に見る方が、リスク管理の面で優位になりやすいはずです。特にロンドン序盤やNY序盤など値幅が出やすい時間帯に絞り、「伸びる相場」なのか「振らされる相場」なのかを見極めることが、今週のドル円ではより重要になってきそうです。
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