仮想通貨相場分析【2月24日】
仮想通貨市場の現状と関税脅威による不確実性の再燃
仮想通貨市場は本日、投資家やトレーダーたちがドナルド·トランプ米大統領による新たな一連の世界的な関税脅威という衝撃的なニュースに敏感に反応したことで、再び大きな下落局面を迎えました。
世界貿易をめぐる先行き不透明感と地政学的なリスクが再び高まったため、リスク資産としての側面を持つ暗号資産市場からは資金が流出する動きが強まっています。
現在の暗号通貨市場全体の時価総額は、過去24時間で3%以上の急落を記録し、およそ2兆2900億ドル規模まで縮小しました。特に市場の指標となるビットコイン(BTC)の動きは顕著であり、日曜日の米国東部時間夕方には約67,600ドルの高値圏から一時約64,400ドルまで垂直落下するように値を下げました。
週明け月曜日の朝方には買い戻しの動きが見られ、一時的に66,000ドル付近まで値を戻す場面もありましたが、その後の戻り売り圧力に押され、現在は再び64,600ドル前後という不安定な水準で取引が続いています。
ビットコイン日足チャート
特筆すべきは、ビットコインが2018年の歴史的な弱気相場以来で最長となる連続下落ペースに直面しているという点です。市場の売り圧力は依然として止まる気配を見せておらず、もし2月も月足がマイナスで確定することになれば、ビットコインは実に5か月連続の下落を記録することになります。これは過去7年間で最長の下落記録を更新することを意味しており、現在の価格水準は過去の最高値から比較して約50%も下落しているという深刻な状況にあります。
一方、時価総額で第2位の規模を誇る主要アルトコインのイーサリアム(ETH)も、ビットコインの急落と歩調を合わせる形で価格を下げています。ETHは1日で4%以上の下落を見せ、現在は1,850ドル付近の節目で取引されています。
イーサリアム日足チャート
その他の時価総額上位10銘柄についても、24時間比で2%から6%程度の緩やかな、しかし着実な下落が続いています。その中でドージコイン(DOGE)は時価総額上位銘柄の中では比較的堅調に推移しており、下落幅はわずか1.3%にとどまりましたが、週間ベースで見ると7%を超える損失を出しており、依然として厳しい状況が続いています。
市場アナリストらは、最近の投資家による「7日間の実現純損益平均」に着目しています。このデータは2月6日時点では1日当たり12億4,000万ドルの巨額損失を記録していましたが、現在は1日当たり4億8,000万ドルの損失まで縮小しています。
しかし、これは底打ちを意味するものではなく、依然として基盤形成段階の安値で購入したはずの投資家までもが、含み損に耐えきれず売却を余儀なくされている現状を示しています。
SoSoValueが公開した最新の統計データによれば、2月20日までの1週間において、現物ビットコイン上場投資信託(ETF)からは3億1,586万ドルの資金流出が確認されました。また、現物イーサリアムETFについても1億2,337万ドルの純損失を記録しており、機関投資家の資金引き揚げが鮮明になっています。
デジタル資産投資商品全体で見ると、先週1週間で2億8,800万ドルの純流出となりました。銘柄別の内訳を詳しく見ると、ビットコイン(BTC)の流出額が2億1,500万ドルと大半を占め、イーサリアム(ETH)も3,650万ドルの流出となりました。対照的に、ソラナ(SOL)には330万ドル、リップル(XRP)には350万ドルの僅かな流入が見られ、投資家の選別が進んでいることが伺えます。
2026年の市場予測と投資家心理の交錯
予測プラットフォーム「Polymarket」におけるトレーダーの予測によれば、2026年の中でビットコインが最も好調なパフォーマンスを見せる月について、12月であるとする確率は現在17%とされています。これは11月の予測値18%に次ぐ数字です。歴史的なデータを紐解くと、2013年以降、11月はビットコインにとって最も収益性の高い月として知られており、CoinGlassのデータによれば平均で41.13%という驚異的なリターンを記録しています。
今後の見通しについては、専門家の間でも意見が分かれています。MN Trading Capitalの創設者であるマイケル·ファン·デ·ポッペ氏は、現在の相場環境に対して慎重な姿勢を崩さないものの、来週にはビットコイン価格がプラスに転じるという楽観的なシナリオを想定しています。これに対し、伝説的なベテラントレーダーであるピーター·ブラント氏は対照的な見解を示しており、ビットコインが真のボトム(底値)を打つのは2026年10月までずれ込む可能性があると推測しています。
投資家の心理状態を数値化した「暗号通貨の恐怖と強欲指数(Crypto Fear & Greed Index)」は、日曜日にスコア「9」という極めて低い数値を叩き出しました。これは市場が「極度の恐怖」に支配されていることを示しており、本格的なシステム崩壊を伴わない相場環境における緊張度としては、過去最低水準に近い数値であると分析されます。
このような悲観論が渦巻く一方で、一部のプラットフォームでは異なる動きも観察されています。米ロビンフッドの暗号通貨部門責任者であるヨハン·ケルブラット氏は、自社のユーザーが現在の価格下落を絶好の投資機会と捉えていることを指摘しました。ケルブラット氏がコインテレグラフに語ったところによると、ロビンフッドの顧客は安値圏での買い増しを積極的に行っており、その投資対象はビットコインやイーサリアムといった主要銘柄にとどまらず、より広範な暗号資産ポートフォリオへと分散されているとのことです。価格が下落することで、かえって投資家の好奇心と購買意欲が刺激されるという興味深い現象が起きているようです。
ビットコイン関連の主要ニュースと大口保有者の動向
ビットコインの裏側では、初期の保有者や大企業による大規模な動きが続いています。まず、市場を驚かせたのは、いわゆる「サトシ時代」からビットコインを保有していた極めて古い大口保有者(クジラ)の動向です。この保有者は2009年のネットワーク黎明期からビットコインを保持し続けてきましたが、本日、保有していた18,400BTC(時価約12億4,000万ドル相当)のすべてを売却したことが判明しました。15年以上の長期保有を経ての完全撤退は、市場に大きな衝撃を与えています。
一方、企業によるビットコイン買い増しの動きも継続しています。マイクロストラテジー(MicroStrategy)は、1BTCあたり約67,286ドルの価格で、約3,980万ドル相当となる592BTCを追加で購入しました。これにより同社の総保有量は717,722BTCに達し、現在の評価額は約546億ドル(取得コストベースでは約464億ドル)に上っています。
一方で、戦略の転換を余儀なくされている企業もあります。ビットディアー(Bitdeer)は、保有していたビットコインの残高をゼロまで減らしたことを報告しました。同社は現在、複数の拘束力のない土地取得の機会を精査しており、それらの投資案件に向けた流動性を確保することが賢明であると判断したため、ビットコインを売却して現金化したと説明しています。
トランプ大統領の戦略:暗号資産の主導権を米国へ
ドナルド·トランプ米大統領は、暗号資産を国家戦略の要と位置付けています。トランプ氏は「仮想通貨の主導権は米国が握るべきであり、中国に渡すわけにはいかない」と明言し、米国を「世界の暗号資産の中心地」にするという野心的な目標を掲げています。
その具体的な実績として、昨年には「Genius法案」に署名し、これを成立させました。現在、米議会では「暗号資産市場の構造(規制枠組み)に関する法案」が、ビットコインを含む幅広い銘柄を対象に検討されています。トランプ氏はこの法案が議会を通過次第、速やかに署名する意向を示しており、明確な規制ガイドラインの整備によって米国の競争力を高める狙いがあります。
国内の動向:20%分離課税への期待とETFの組成
日本国内においても大きな動きが見られます。自民党の片山さつき氏が「Digital Space Conference」において行った基調報告では、暗号資産の税制改正に関する踏み込んだ言及がありました。
現在、暗号資産の所得は原則として「雑所得」に区分され、他の所得と合算して最大55%の税率が課される総合課税の対象となっています。これに対し、片山氏はこれを「20%の分離課税」へと減税する方針を示唆しました。もしこの税制改正が実現すれば、個人投資家にとってのハードルが大幅に下がり、市場の活性化に繋がることが期待されます。
また、野村ホールディングスやSBIホールディングスといった国内大手金融機関が、日本初となる暗号資産ETFの組成を検討していることも明らかになりました。税制改正とETFの実現が組み合わされば、これまで参入を控えていた機関投資家からの莫大な資金流入が期待でき、国内市場の流動性は飛躍的に向上する可能性があります。
アーサー·ヘイズ氏の警告:AI失業と法定通貨の危機
BitMEXの共同創業者であるアーサー·ヘイズ氏は、独自の視点から市場を分析しています。同氏は最新のブログ記事において、ビットコイン(BTC)とハイテク株中心のナスダック100指数の間に生じている乖離(デカップリング)について言及しました。ヘイズ氏はこの現象を、人工知能(AI)主導による将来的な信用危機の予兆であると警告しています。
「ビットコインは世界の法定通貨流動性の火災報知器である」と同氏は表現し、政府による信用供給に対して最も敏感に反応する自由取引資産としてのビットコインの価値を強調しました。ヘイズ氏の予測によれば、今後AIによる雇用への影響や経済構造の変化に対応するため、政府はさらなる法定通貨の増発や銀行救済を余儀なくされます。その結果として生じる信用創出の急増が、ビットコインを現在の安値圏から決定的に押し上げ、史上最高値を更新させる原動力になるとの見方を示しています。
イーサリアムの動向:ヴィタリック氏の売却とビットメインの大量保有
イーサリアムのエコシステム内でも、創設者と主要プレイヤーの間で対照的な動きが見られます。イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック·ブテリン氏は、自身の保有するETHの売却を継続しています。過去3日間で約700万ドル相当の3,765ETHを売却し、2月2日以降の累計では約2,170万ドル相当にのぼる10,723ETHを売却しました。これについてヴィタリック氏は、以前から表明していた通り、複数のエコシステムプロジェクトへの資金提供を目的とした売却であると説明しています。
一方で、マイニング機器大手のビットメイン(Bitmain)は対照的な「買い」の姿勢を見せています。同社は先週、51,162ETHを自社の資産ポートフォリオに追加したと発表しました。これにより、同社の保有量はイーサリアム総供給量の約3.66%に相当する規模にまで拡大しています。ビットメインの報告によれば、保有するETHの約69%にあたる3,040,483ETHをステーキングしており、そこから得られる年間収益は1億7,100万ドル(利回り2.89%ベース)に達する見込みです。
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