2025年ドル円相場の総括
2025年12月26日(金)時点での、今年のUSD/JPY(ドル円)相場の総括をいたします。
2025年は、「日米金利差の縮小」というファンダメンタルズの変化と、「トランプ政権(第2期)による貿易政策・ドル高圧力」という政治要因が綱引きをした、激動かつ難解な一年でした。
結論から言えば、日銀は歴史的な利上げ(0.75%へ)を行い、FRBは利下げに転じましたが、年末時点での相場は156円-157円台と、依然として歴史的な円安水準で年を越そうとしています。
2025年相場のハイライト
時期出来事・材料相場動向 (USD/JPY)年初 (1月)日銀が0.50%へ利上げ(17年ぶりの水準)。158円近辺から一時下落するも、底堅い。
春〜初夏 (4-6月)米経済減速懸念、FRB利下げ期待の台頭。143円台まで円高が進行(年最安値圏)。
秋 (9-11月)米大統領選・トランプ氏の影響(関税政策への懸念)。再び150円台へ上昇。「もしトラ」から「トランプ・トレード」へ。
年末 (12月)日銀が0.75%へ追加利上げ(30年ぶり高水準)。FRBは3回連続利下げ(政策金利3.6%近辺へ)。「材料出尽くし」や米国の関税リスク意識により、逆に156-157円台へ円安進行。
今年の3大トレンド総括
1. 日銀の「正常化」と植田総裁の決断
今年は日銀にとって歴史的な転換点となりました。
1月の利上げ(0.25%→0.50%): マイナス金利解除後の第一歩を固めました。
12月の利上げ(0.50%→0.75%): 12月19日の会合で決定。高市早苗首相(積極財政・緩和志向)との政治的な緊張関係が囁かれる中、植田総裁は「物価目標の持続的達成」を理由に利上げを断行。独立性を示しました。
しかし、市場はこれを「織り込み済み」とし、利上げ発表直後に円が売られる「セル・ザ・ファクト(事実で売り)」の反応を見せました。
2. FRBのピボット(転換)と「トランプ2.0」のドル高
FRB(米連邦準備制度理事会)は年後半に利下げサイクルに入り、政策金利を4%台から3%台半ばへ引き下げました。通常であればこれはドル安(円高)要因ですが、以下の要因がドルを支えました。
トランプ政権の関税政策: 米国への輸入関税引き上げ観測が、「輸入物価上昇(インフレ再燃)→FRBの利下げ余地縮小」という連想を呼び、米金利の低下を阻みました。
米国経済の底堅さ: 雇用統計などが軟化する場面もありましたが、リセッション(景気後退)は回避され、ドル選好が続きました。
教科書的には「日米金利差縮小=円高」ですが、2025年はそれがストレートに通用しませんでした。
金利差は縮小しましたが、依然として絶対値の差(米3.6% vs 日0.75%)は大きく、キャリートレード(円売り・ドル買い)の巻き戻しは限定的でした。
日本の貿易赤字や新NISAを通じた海外投資(オルカンなど)による構造的な円売り需要が、相場の下値を支え続けました。
来年(2026年)に向けた視点
現在の156円台という水準は、日銀にとって「輸入物価上昇」を通じたインフレ圧力となるため、2026年も引き続き利上げ圧力がかかります。
中立金利への道: 市場は日銀のターミナルレート(利上げの到達点)を1.0%〜1.25%程度と見ており、2026年中に追加利上げがあるかが焦点です。
トランプ政権との摩擦: 米国の通商政策が日本の輸出産業にどう影響するか、また為替条項などで円安是正を求めてくるかどうかが、相場を動かす最大のリスク要因となります。
今年も残すところあと数日ですが、年末年始の薄商いの中での急変動(フラッシュ・クラッシュ)には念のためご注意ください。
順張り最強で最高! 順張りトレードの王道インジケーター年間1億を狙え!
実績多数!億トレーダー誕生
https://gogojungle.co.jp/re/82bZpYuxQSgWCPg
休み期間中のトレード練習と検証に最適
練習君プレミアムと特別特典インジケーター
よろしいですか?