レバレッジの「死の計算式」。90%暴落からの生還は無理ゲーだ
資産1.5億円を運用するFP1級のエスである。 一部の界隈でカルト的な人気を誇る「レバレッジ型商品(レバナス等)」。 攻撃力の高さだけに魅了され、その裏にある「数学的な罠」を理解せずに全ツッパしている信者があまりにも多い。
算数ができない投資家は、相場という名の戦場で簡単に破滅する。 今回は、レバレッジ投資において最も恐ろしい「死の計算式」と、一度ハマれば抜け出せない底なし沼の正体を解説する。
「50%下落」を「50%上昇」で取り返せるか?
レバレッジの恐怖は、下落した瞬間ではなく、そこから「元に戻そうとする時」に牙を剥く。 下落幅と、回復に必要な上昇幅はイコールではない。ここにバグがある。
小学生レベルの算数で考えよう。 例えば、君が持っている銘柄の価額が「50%」暴落して半値になったとする。 これを元の価格(100%)に戻すためには、何%の上昇が必要か?
直感で「+50%」と答えた君は、投資をやめた方がいい。 正解は「+100%(2倍)」の上昇が必要だ。
100万円が50万円(▲50%)になった。その50万円を100万円に戻すには、50万円の利益が必要だ。つまり、残った資金を2倍(+100%)にしなければならない。 下落時には資産の半分を失うだけで済むが、回復時には倍のエネルギーが必要になる。これが「負け」の重みだ。
90%下落=「死」を意味する理由
では、レバレッジを効かせた商品で、暴落局面に遭遇し「90%」下落したらどうなるか。 今のレバナス信者の中には、この恐怖を想像できていない者が多すぎる。
計算してみろ。 資産が10分の1になった状態から、元本を回復させるために必要な上昇率はいくつか。
答えは「+900%(10倍)」だ。
残った僅かな資金を、市場でテンバガー(10倍株)に育て上げなければ、スタートラインにすら戻れない。 一度深く掘ってしまった穴は、深ければ深いほど、そこから這い上がる難易度は指数関数的に高くなる。これが現実だ。
「逓減」が君の資産を溶かし続ける
さらに厄介なのが「逓減(ていげん)」という性質だ。 レバレッジ型商品は、日々の変動率に対して倍率をかける仕組み上、相場が上がったり下がったりを繰り返す「レンジ相場」であっても、基準価額は徐々に目減りしていく。
株価が横ばいでも、君の資産は勝手に溶けていくのだ。 これは構造上の欠陥ではなく、数学的な仕様である。
結論
レバレッジとは、タイミングを見極めて一瞬で利益を抜き去る「短期決戦の劇薬」だ。 その性質を無視し、何も考えずに長期で握りしめて「ガチホすれば助かる」などと祈るのは、投資ではない。数学に対する冒涜だ。
「死の計算式」を理解できないなら、大人しくインデックスでも積んでおけ。それが身のためだ。
Is it OK?