「金利上昇=債券買い」は自殺行為だ。残酷なシーソーの法則
資産1.5億円を運用するFP1級のエスである。 日銀の利上げ観測が高まる中、ニュースを見て単純にこう反応する投資家がいる。 「金利が上がるのか!なら、債券を買えば利回りが増えて儲かるな」
もし君がそう思ったのなら、今すぐ投資の教科書を買い直し、最初のページから読み直せ。 その直感は、真逆だ。 債券投資において「金利上昇」は、保有している債券価格が暴落することを意味する。
今回は、生半可な知識で債券市場に飛び込むと火傷をする、金利と債券価格の「残酷なシーソー」のメカニズムを解説する。
直感の罠。「金利」と「価格」は逆相関する
結論から言う。 金利が上がれば、債券価格は下がる。 逆に、金利が下がれば、債券価格は上がる。
このシーソーの関係を理解せずに、「これから金利が上がるから債券ETFを買おう」と動くのは、これから下落する資産を喜んで掴みに行くようなものだ。 なぜこのような現象が起きるのか。小学生でも分かるように「商品の魅力」という観点で説明しよう。
「1%のゴミ」を誰が買うのか
想像してくれ。 君が、額面100円で「年利1%」のクーポンが付いた債券(既発債)を持っているとする。
そんな中、世の中の金利が上昇し、新しく「年利3%」の債券(新発債)が発行された。
投資家たちの視点に立て。 「1%しか貰えない君の債券」と「3%も貰える新しい債券」。どちらが欲しい? 言うまでもなく、全員が3%の新商品を選ぶ。君が持っている1%の債券など、誰も見向きもしないゴミ同然の扱いになる。
では、君がその「1%のゴミ」を市場で売却するにはどうすればいいか。 答えは一つ。「バーゲンセール(値下げ)」をするしかない。
「利回りは低いですが、その分、価格を安くします」 そう言って、実質的な利回りが新商品の3%と同じ水準になるまで、債券価格(元本部分)を暴落させて売るしかなくなるのだ。
生半可な知識でETFに飛び込むな
これが、利上げ局面で債券価格が下落するメカニズムの正体だ。 債券そのものだけでなく、債券を組み入れている投資信託やETFも同様の動きをする。
「金利が上がる」というニュースを聞いて、これからの高い利回りを享受しようと債券ETFに飛びついた結果、保有しているETFの基準価額(価格)が下落し、受取利息以上に元本を毀損する。これが典型的な負けパターンだ。
結論
債券投資は、株式投資以上に数学的であり、ロジカルだ。 「金利が上がりきった(価格が下がりきった)後に仕込む」のが正解であり、上昇局面の最中に飛び乗るのはリスクが高い。
仕組みを知らないカモは、機関投資家に養分として処理される。 残酷なシーソーの法則を脳に刻み込み、相場の変動に備えろ。
Is it OK?