仮想通貨相場分析【12月9日】
🚀 暗号資産市場の現状分析:ビットコインとイーサリアムの動向
◯ビットコインの価格動向と市場心理
現在、**ビットコイン(BTC)**は9万ドル付近で推移しており、先週の9万2,000ドルからやや調整局面に入っている状況です。
ここ最近、価格の大きな変動は見られません。
「ビットコインが9万2000ドル台前半まで回復したにもかかわらず、機関投資家の資金流入はマイナスが続いており、これは構造的な撤退というより新規資本配分の鈍化を示唆している。」(出典略)
このように、年末にかけての流動性低下や、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利に関する様子見姿勢から、市場全体が次の動きをうかがっているかのようです。
◯相場が2022年の弱気相場入りと酷似
グラスノード(Glassnode)の最新の週次レポートは、現在の市場状況が、いわゆる暗号資産(仮想通貨)の冬として知られる2022年の弱気相場の初期段階と類似している点を指摘しています。
ストレスを示す重要な指標の一つは、大口の買い手のキャピチュレーション(投げ売り)リスクが高まっていることです。
グラスノードの供給量分位コストベース(大口の買い手が保有する供給量のコストベースを追跡)によると、11月中旬以降、現物価格が0.75分位(9万6,100ドル付近)を下回って取引されています。これにより、ビットコイン(BTC)供給量の25%超が含み損状態となりました。0.75分位を下回る同様の下落は、2022年の弱気相場の始まりを示していました。(出典:コインデスク)
◯イーサリアム(ETH)の現状とアップグレード
次に**イーサリアム(ETH)**ですが、チャートの形状はビットコインと類似しています。
オレンジ色の200日移動平均線を見ると、イーサリアムはビットコインよりもこの線に近く、年後半にかけてビットコインよりもパフォーマンスが高いことが示唆されています。
先週は、イーサリアムの待望のアップグレードである「Fusaka」が無事に完了し、その直前のタイミングで相場が上昇しました。
◯注目される機関投資家の動きと新潮流
ヴァンガードがビットコインの取り扱いを開始
米国の巨大金融機関であるヴァンガードがビットコインの取り扱いを開始しました。これは非常に大きなニュースです。
- 米国の退職資金シェアで1位
- インデックス型投信で1位
- 個人の直接投資で1位
- 中間層の長期パッシブ資金で1位
資産運用額ではブラックロックが最大ですが、“アメリカ人の資産の中心”を握っているのはヴァンガードであり、そのビットコイン受け入れは市場にとって大きな意味を持ちます。
◯ブラックロックがステーキング付きETHのETFを申請
BlackRock ($BLK) は、iShares Staked Ethereum $ETH Trust ETFの登録届出書を米国SECに提出しました。21 SharesやGrayscaleなども、既存のEthereum ETFにステーキングを追加する申請を以前に提出しています。
「ブラックロックがステークドETH ETFの正式申請を提出しました。ファンドは「iShares Staked Ethereum Trust ETF」と呼ばれています。ステークドETHはすでに史上最高値の1,090億ドルに達しています。機関投資家のイーサリアム·ギガサイクルは今まさに始まったばかりです。」(Joseph Youngより)
これは待ちに待った提出と言えます。イーサリアムはビットコインと構造が異なるため、ステーキングによって配分(利子)を受け取ることが可能です。今回ブラックロックが申請したのは、すでに運用されているイーサリアムETFとは別の銘柄となり、この新規銘柄を購入することでステーキングによる配分を受け取れるようになるようです。せっかくイーサリアムを保有するなら、配当金のように利子を受け取りたいと考える投資家は多いでしょう。
◯ハーバード大がビットコイン投資を本格化
ハーバード大学は、第3四半期(Q3)にビットコイン投資を1.17億ドルから4.43億ドルへ大幅に増加させました。金ETFも1.02億ドルから2.35億ドルへ拡大していますが、投資比率はBTC:ゴールド=2:1となっており、通貨価値の下落への備えとして、よりリスク資産であるビットコインを強く選好する姿勢が見られます。
今回の下落をチャンスと捉えて本格化したものと見られます。これは今の米国の流れに乗った動きと言えるでしょう。
◯ユニークなDeFiへの「トレジャリー戦略」
「ビットコインは買わない」──老舗トイレメーカーが挑む、調達30億円DeFi全振り「トレジャリー戦略」の全貌
コインデスクから興味深い記事が公開されました。創業300年を超える歴史を持つ衛生陶器メーカーを中核とする、ASAHI EITOホールディングスが、暗号資産トレジャリー事業(DAT:Digital Asset Treasury)への参入を発表しました。
その事業内容は、メタプラネット社などに代表されるような「ビットコイン(BTC)の保有」ではありません。
- イーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)を主な投資対象とする。
- 「Uniswap」や「Jupiter」といったDEX(分散型取引所)を活用した**流動性提供(LP)**を行う。
- 約27億円を暗号資産の購入および運用費用に充当する計画です。
同社がビットコインを選ばなかった理由の一つは、**「ビットコインは多くの企業が既に主な投資及び保有対象として公表しているからだ。後出しでは独自性もインパクトもない」**という点です。さらに、ビットコインは保有しているだけでは金利を生まないのに対し、**PoS(プルーフ·オブ·ステーク)**銘柄であるイーサリアムやソラナは、ステーキングやレンディング、流動性提供を行うことで、保有量に応じた報酬を得ることができます。
これは非常にユニークな投資戦略であり、筆者の投資スタイルにも似ています。投資額が大きいため運用には注意が必要ですが、これらの通貨はBTCに比べて下落も上昇も大きい傾向があります。しかし、運用の配当で常に収入を得られることは確かで、相場が上昇した際にはその恩恵をさらに大きく受けることができます。
記事の内容から、単にイーサリアムとソラナを保有しステーキング収入を得るだけでなく、DeFiを活用するなど運用はかなり積極的であり、詳しいアドバイザーがいることが推測されます。
◯マクロ経済と暗号資産の将来性
38.3兆ドルの「危機」がビットコイン価格の高騰を引き起こす可能性ーイーロン·マスク
フォーブスによると、イーロン·マスク氏は再び警告を発し、アメリカがビットコイン価格の劇的な変動を引き起こす可能性のある「債務危機」へ急速に突き進んでいると述べました。
マスク氏は、将来「通貨という概念は存在しなくなる」と予測し、エネルギーが唯一の「真の通貨」になると述べています。
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