仮想通貨相場分析【11月18日】
暗号通貨
? 市場概況:仮想通貨の急落と背景
ビットコイン(BTC)の動向
ビットコインは、10月6日に記録した史上最高値12万6,000ドルから約30%の大幅な下落を見せました。このデジタル通貨は、現在、年初来でマイナスに転じており、過去12ヶ月間の上昇率は1%未満にとどまっています。
現在の9万ドル水準は、今年4月末頃の価格帯と同等です。
• 下値の抵抗帯(サポートレベル): 8万8,000ドルから7万7,000ドル付近が重要な抵抗帯(レジスタンスライン)として意識されており、市場はこの水準を下に抜けるか、それとも反発するかを注視しています。
急落の要因と背景
ビットコインは先週、突如として暴落し、BitMEXでは一時10万ドル近くから9万2,856ドルまで下落し、市場全体が悲観相場に覆われました。
この下落の要因の一つとして、AI(人工知能)関連株への支持の揺らぎが指摘されています。これが政策への懸念と相まってリスクフローとなり、仮想通貨市場に波及するドミノ倒しのような現象を引き起こしたと考えられています。
• AI関連取引の不安定化: すべては金曜日にAI関連取引が不安定になったことから始まりました。投資家がAI関連の好材料が既に完全に織り込まれているのではないかという疑問を抱き始めたため、NVIDIAの株価は新たな売りに見舞われました。
• 不安の深刻化: この不安は、アメリカの著名な億万長者であるピーター·ティール氏が保有するNVIDIA株をすべて売却したことが規制当局への提出書類で明らかになったことで、さらに深刻化しました。
政治·金融政策の影響
同時期に、ワシントンではFRB(連邦準備制度理事会)当局者が、12月の利下げがもはや確実ではないことを明確にしたことで、市場に動揺が走りました。
• FRB当局者の発言: ボストン連銀のスーザン·コリンズ総裁やカンザスシティ連銀のジェフリー·シュミット総裁など一部の当局者は、利下げの決定は今後の経済指標の発表次第だと強調しましたが、この経済指標の発表は最近の政府閉鎖の影響で遅れている状況です。
ウォール街と政治的支援にもかかわらず、BTCの急落は市場の脆弱性を示しており、年初来の価格変動は赤字に転じています。
? 主要アルトコインと市場心理
イーサリアム(ETH)の状況
イーサリアムは現在3,100ドル前後で推移しており、数カ月前には4,800ドル付近まで高騰していましたが、現在は7月下旬の水準まで下落しています。
• 下落率の比較: ビットコインが最高価格から現在の価格まで約17%の下落率であるのに対し、イーサリアムは**約35%**と、より大きな下落となっています。
ETF(上場投資信託)からの資金流出
先週、仮想通貨ETFからは合計20億ドルもの大規模な資金流出が記録されました。
• BTC: 約13億8,000万ドルの流出
• ETH: 約6億8,900万ドルの流出
• XRP(リップル): 約1,550万ドルの流出
• SOL(ソラナ): 約830万ドルの流出
恐怖強欲指数(Fear & Greed Index)
上記の悲観相場の影響で、市場のセンチメントを示す**恐怖強欲指数は「10」という極めて低い水準にあります。通常、ここまでの数値はめったに見られず、市場が「かなりの悲観相場」**に陥っていることを示しています。
• 投資戦略としての示唆: これまでのデータから、恐怖強欲指数が低下した時に購入した際のパフォーマンスが将来的に高くなることは実際に証明されています。この「悲観で買う」という戦略を検討する状況にあると言えます。
• 注意点: 今後さらに価格が下がる可能性も否定できないため、一度にすべての資金を投入するのではなく、**資金配分(ドルコスト平均法など)**について慎重に考える必要があります。
? 専門家の見解と企業·機関の動向
Raoul Pal氏による下落の全体像整理
著名な投資家であるラウル·パル氏(Raoul Pal)は、今回の仮想通貨市場の下落を過去のサイクルと比較し、全体像を整理しています。
• ビットコイン(BTC): 2024年に-32%、2025年に-32%下落したのに対し、今回は約**-28%**で、これは「普通の範囲内」であり、過去にも何度も経験してきた水準だと述べています。
• ソラナ(SOL): 過去に-47%、-67%下落したのに対し、現在は**-48%**です。
• Sui: 過去に-69%、-79%下落したのに対し、現在は**-64%**です。
総評: 下落率自体はこれまで経験したもの以上ではないものの、テクニカル面では派手に売られすぎており、センチメントも最悪レベルに達しており、「今サイクルでここまで酷いのは初めてだ」と指摘しています。
機関·企業の積極的な購入行動
市場の暴落局面において、大手企業や中央銀行によるビットコイン·イーサリアムの購入が相次いでいます。
• チェコ中央銀行のBTC購入: 中央銀行として世界初の試みとして、チェコ中央銀行がビットコインの購入を発表しました。
◦ 目的と期間: 2~3年間でブロックチェーン資産の購入·保有·管理プロセスをテストし、準備金の分散化におけるBTCの役割を探求します。
・注意点: 近い将来、国際準備金への組み入れ予定はなく、投資額の積極的な増額も行わないとしています。
◦ 備考: 国の中央銀行によるビットコインの資産としての購入は世界初となります。(エルサルバドルは政府による直接購入)。
• ストラテジー社(Strategy)のBTC購入: マイケル·セイラー氏のビットコイントレジャリー企業Strategyは、今週新たに8億3,560万ドル相当のビットコインを購入しました。平均購入価格は7万4,000ドルです。この行動は、同氏がBTCを売却していたという最近の噂を否定するものとなりました。
◦ 特筆すべき点: ストラテジー社は、ビットコインの総供給量の**3%**もの量を保有しているとされ、その積極的な姿勢は衰えていません。
• ビットメイン(Bitmain)のETH購入: ビットメインもこのタイミングで、追加で**5万4,156 ETH(約1億6,300万ドル)を購入しました。現在、平均取得価格3,120ドルで合計355万9,879 ETH(約107億ドル)**を保有しています。
• エルサルバドルのBTC購入: エルサルバドル政府も、ストラテジー社とほぼ同じタイミングで100万ドル分のビットコインを購入したようです。
• 大手金融機関のETF蓄積:
◦ Goldman Sachs: 4230万株のETHA株(約10億ドル)
◦ Morgan Stanley: 960万株のBitmine株(約3億3,300万ドル)
◦ Fidelity: 600万株のBitmine株(約2億700万ドル)
◦ これらの大手金融機関は、ブラックロックが発行するイーサリアムのETFを購入しているようです。
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