2018年SB株を何も考えず月100株ずつ買った結果・・・
こんにちは、下山です。
1つ株に関するクイズを出すので考えてみてください。
AさんとBさん、2人の投資家がいました。
2人ともソフトバンクグループ孫社長の志に
心打たれて昨年2018年から
ソフトバンクグループの株を
買うことにしました。
Aさんは株価の上げ下げに関係なく
2018年の1月から12月まで
毎月、その月の始値で
100株ずつ買うことにしました。
一方でBさんは
2018年の年始時点で
「下落が続くだろう」
と考え、
できるだけ安い価格で買う為、
しばらく様子を見ることにしました。
そしてBさんの予想通り
ソフトバンクグループの株価は
しばらく下落傾向が続きます。
6月になった時、
Bさんは
「ようやく底になった」と考え
7月から12月まで
毎月、その月の始値で
200株ずつ買うことにしました。
以下の数字は
2018年、
ソフトバンクグループ株
実際の始値(月単位)です。
1月:9,220
2月:9,028
3月:8,773
4月:7,915
5月:8,451
6月:7,759
7月:7,960
8月:9,390
9月:10,250
10月:11,380
11月:8,648
12月:9,720
Bさんの勘は正しく、
6月まで下落した後、
7月以降、
一気に上昇し
9月から10月にかけて
1万円を突破していますね。
Bさんがちょうど良いタイミングで
エントリーできたとも
見えますが、
さてここで問題です。
Aさん、Bさんともに
2018年12月時点で
同じ1200株ずつ
保有している状態ですが、
2018年の年末時点で
どちらが有利になっているでしょう?
直観でお答えください。
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下がりきったところから
買い始めた方が有利?
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いかがでしょう。
おそらくですが、
「Bさんの方が
有利な状況にある」
と考えた方が
多いのではないでしょうか?
下がりきったところから
買い始めたBさんの方が
有利になりそうですよね。
しかし、
実際にそれぞれの
平均建単価を計算してみると、
以下のようになります。
Aさん:9,041円
Bさん:9,558円
つまり、
Aさんの方が有利だということです。
意外に思われる方は
ぜひご自身で
計算してみてください。
ただ、ここで言いたいことは
「Aさんの戦略が正しいですね」
なんてことではありません。
相場状況によっては
Bさんの方が
有利になっていた可能性もあります。
このクイズを通じて
お伝えしたかったことは
「直観に縛られるな」
ということです。
ノーベル経済学賞も受賞している
アメリカの行動経済学者の
ダニエル・カーネマンによると、
人間の脳には
2つの思考モードがあるとのこと。
1つは直観的に答えを出す思考モード
(ファスト思考)。
もう1つはじっくり落ち着いて答えを出す思考モード
(スロー思考)。
例えば
5+5=
という式を見れば
あなたは反射的に
10と答えますよね?
これがファスト思考です。
一方で
43434×434354=
という式を見たら
多くの方が
じっくり考え計算するでしょう。
こちらがスロー思考です。
人間にはこれら2つの
思考モードが本能的に備わっていて、
意識しなければ
ファスト思考が
パパっと瞬時に答えを
出してしまいます。
もちろん、
その答えが正しければ
何の問題もありませんが、
ファスト思考は
付け焼刃的な答えを出すことも多く
気をつけなければいけません。
最初のクイズで
「Bさん」
と答えた方も
「底値から買い始めたBさんのほうが有利になる」
というファスト思考にとらわれてしまった
と言えますので、
どうぞ直観にしばられないよう
お気を付けください。
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ソフトバンクIPO株の失敗談
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ちなみにここ最近、
「ファスト思考にとらわれてるなあ」
と感じたのは
昨年末ソフトバンクのIPO株を買って、
損をしてしまった方の
話を聞いたときです。
その方は
「IPO=買えば儲かる」
というイメージを
持たれていたようですが、
その直観的な考えが
損失を招きました。
自分からすれば
「スロー思考モードで
冷静になって考えれば
防げた損失だったのになあ」
という感覚です。
例えばツイッターに
「ソフトバンク株の抽選に当たった」
という声があふれていましたし、
「倍率は1.1倍」
との情報も流れ、
応募すれば
ほぼほぼ当選するような状況であることは
一目瞭然でした。
さらに、
通信障害などの
トラブルの影響によって
キャンセルも出ていたようで、
証券会社が
やっとの思いで
ソフトバンク株を
売りさばいたような情報も
流れていました。
そんな供給過剰状態で
しかもライバルに比べて割高とも
言われていた株が
上がるとは到底思えませんよね。
もちろん、株式市場では
何が起こるか分かりませんが、
少なくとも
「上がる可能性はかなり低い」
ということくらいは
考えれば
すぐに分かったことです。
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2019年に期待されるIPO
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IPOに関して言うと
2019年も引き続き
有名企業の
IPOが期待されています。
ユニバーサルスタジオジャパンを
運営する『USJ』、
100均でおなじみの『大創産業』、
以前にメルマガで紹介したことがある
自動運転技術が注目されている『ZMP』、
クラウド会計ソフト「freee」を
提供する『freee』、
転職サイトを運営する
『ビズリーチ』など
世間一般的にも
名が知られているような企業のIPOが
期待されています。
またアメリカでは
ついにUBERが
上場するのではないかと
言われています。
IPOから目が離せませんね。
ただし、
IPOをうまく活用すれば
稼ぎやすいのは
間違いありませんが、
本日お伝えしたように
どうぞファスト思考に縛られないよう
お気を付けください。
IPOは絶対ではない、
ということを
どうかお忘れなく。
本日も最後まで
ご覧いただきありがとうございます。
下山敬三
(参考文献:
『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた
これからの投資の思考法(ダイヤモンド社)』)
よろしいですか?