暴落の真犯人?機関投資家のリスクパリティ戦略とは。
こんにちは、下山です。
先日、アメリカ・NY州が「非常事態宣言」を出しましたが、
ちょうどその頃
ニューヨークに短期出張していた知人がいたので
現地の話を聞いてみました。
「コロナ!」と罵声を浴びせられるアジア人、
時々そんな記事を見かけますが、実際どうなのか?
知人はNY現地でそのような罵声を浴びせらることは
なかったようです。
「もしかしたらホテルのフロントで嫌な顔をされるのではないか」と
気にしていたものの特に嫌な顔をされることもなかったと。
地下鉄に乗ってもたいていの人は
スマホの画面に夢中で、そもそも他人に目を向けず
特にイヤな視線を感じることもなく。
もちろん、アジア人に対する差別的なものが
ないとも言い切れませんが、
実際にそれを態度に表す人は
ごくごく一部の人間なのでしょう。
「メディアの報道を全てだと思ってはいけない」
ということですね。
ここ最近、日本を訪れる欧米人を見ていると
普段マスクをつける習慣がない欧米人でも
マスクをしている人の割合が多いと感じます。
「この世の終わりか」とも思えるような
毒ガスを防げそうな
フル装備マスクをつけている人もたまに見かけますが、
「非常事態宣言」が出された最中ですから、
「NYでもさぞマスクをしている人が多いのではないか」
と思って尋ねてみると、
知人が滞在した期間中に関していうと、
マスクをしている人はほぼ見かけなかったとのこと。
そもそも売っていないのかもしれませんが
とにかくマスクをしている人は
ほとんどいなかったようです。
「マスクをつけてウイルスの体内侵入を防げるのか?」
と疑問視されている部分もありますが、
それでも咳やくしゃみなどによって
ウイルスがばらまかれることに関しては
一定の効果が認められています。
「人々がマスクをつけないNYは大丈夫だろうか」
と話を聞いた時、心配に思いました。
アメリカの医療は高額で有名です。
日本のように
「国民健康保険」があるわけでもないので
体調が悪くても病院に行かず、
なんとか自分で治そうとする人も多いと聞きます。
その状況がコロナウイルス感染を
助長する結果にならないか、
世界経済の中心であるアメリカの
行き着く先が気になります。
====================
誰が暴落の犯人か
====================
株トレードの話をします。
ここ最近、株価暴落に
胸が締め付けられるような苦しみや緊張感を
覚えている方が多いかもしれません。
「もうさすがに底をついただろう」
と思ったらさらなる下落。
売りが売りを呼ぶような状況が続き大きな資金を失い
株トレードにうんざりしているしている方も
多いかと思いますが、
起こってしまったことを嘆いていても
状況は何も変わりません。
こういった暴落は定期的に訪れます。
これを乗り越えられない限り、
株トレードで利益を出し続けることはできません。
でも、なぜこのように
株式相場で暴落が起こったのでしょうか?
当たり前ですが、「誰かが売ったから」です。
では誰が?
誰が売っているのか正確にはわかりませんが、
ヒントはあります。
「リスク・パリティ(均衡)」
という戦略をご存知でしょうか。
リーマンショック以降、
一気に注目されるようになった戦略ですが、
こちらが近年の暴落を引き起こす
1つの引き金となっていることが指摘されています。
では「リスク・パリティ」戦略とは?
説明させてもらいます。
====================
分散投資の限界
====================
はじめに、
「リスク・パリティ」戦略が生まれた歴史的背景から。
『卵は一つのカゴに盛るな』
という有名な相場の格言があります。
「複数の商品に投資をし、リスクを分散させましょう」
という教えですね。
一見理にかなっているようにも
見える考え方ですが、
リーマンショックを機に、
「この考え方は通用しない」
と市場関係者が気づき始めます。
たとえ株や債権に分散投資していても
もし、株も債権も暴落してしまったら
分散投資の意味はまったく無いわけですが、
2008年リーマンショック時には
実際に株も債権も一気に値下がりしてしまい、
「従来の分散投資の考え方ではダメだ」
という意識が金融市場に芽生え始めます。
そんな中、登場したのが「リスク・パリティ」戦略でした。
英語で書くと「Risk Parity」
ですが、Parityは均衡という意味なので
そのまま訳すと「リスク均衡」戦略です。
この戦略は、ヘッジファンド運営会社
ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者である
あのレイ・ダリオ氏が世に広めたものです。
では、具体的にどんな戦略なのか?
株や債券などに分散投資するのは
従来の分散投資と同じです。
しかし、従来のように株を資産の60%、
債権を資産の40%にしよう、というように
資産配分を単純に比率で決めたりしません。
「リスク・パリティ」という名前の通り、
それぞれの資産におけるリスクの割合を均衡にします。
株のリスクが高まれば株の比率を減らす、
ということですね。
リスクを測定する基準は
金融の世界にいろいろありますが、
「リスクパリティ」戦略で採用されるのは
「ボラティリティ」です。
つまり、価格変動の大きさ。
例えば、株価の変動が大きくなるほど
リスクが高いとみなされ、株式を売って
その割合を減らそう、となるわけです。
そしてここ最近、
一気に株価の変動が大きくなったため、
株式の持分比率を下げるため、株式が一気に売られた
ということが考えられます。
リーマンショック以降、「リスクパリティ戦略」は
機関投資家などを中心に広まり、
「リスクパリティ」戦略の考えに基づき
巨額の資金が動かされていましたので、
その資金が株式市場から一気に引き抜かれ、
下落が下落を引き起こした可能性が考えられます。
====================
まずは分散投資をやめなさい。
====================
最後に「リスク」について
自分の考えをお伝えしておきます。
「リスクパリティ」戦略の話を聞いて
参考にしてみよう、と考える個人トレーダーの方も
いらっしゃるかもしれませんが、
個人が実践するにはあまりにハードルが高すぎるので
まずオススメしません。
そもそもですが、本当にリスクを回避したいのであれば
「株と債権に分散投資する」といった
根本的な戦略を見直すべきです。
いつもお伝えしているように
自分の場合は1つの銘柄で取引し、
買いと売りを持つなどして
リスクヘッジをしていますが、
このやり方なら株価がどうなろうと
100%確実に全ポジションが損失になる、
という事態を回避することが可能です。
先の見えない今だからこそ、
絶対に資金を失わないことを最低条件として、
慎重にトレードするべきです。
それでは本日も最後まで
ご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
よろしいですか?