台風地震...災害経験するほどリスク選好になる怖い事実
こんにちは、下山です。
地震、台風、豪雨。
日本はイヤになるほど災害大国です。
今年も異常に勢力の強い
大型台風がなんども発生。
都心では電車の計画運休も実施されましたが、
考えてみると、一昔前は
電車があらかじめ計画的に運休するといったことは
無かったように思います。
こういった対策が講じられるようになったことも
台風の勢力が昔よりも増していることを
象徴しているように思います。
「海水の温度上昇が
台風の勢力を強めている可能性がある」
という話を聞いたこともありますが、
理由がなんであれ、昔と比べて
自然環境が変化していることを感じます。
いい加減、
台風シーズンも終わってほしいところです・・・。
さすがに11月に入れば
甚大な被害をもたらすような台風が上陸する可能性は
ほとんど無いかと思いますが、
それでも絶対にないとは言い切れません。
実際、昨年2018年11月には、
3つの台風が発生しています。
また、台風以外にも異常気象で
急な豪雨や暴風が発生する可能性もあります。
さらには、台風や豪雨以外にも、
大地震がいつどこで発生してもおかしくありません。
よく言われることですが今後30年以内に
南海トラフ地震が発生する可能性は70〜80%、
と想定されています。
ですから、日本に住んでいる限り、
何らかの災害がいつ起こっても対処できるよう、
できる限りの備えをしておくべきです。
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帰宅難民になった時に役立つ豆知識
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では、災害に対して、
何を準備しておくべきか?
防災グッズなどを用意しておくのは
もちろんのこと、
「いざという時に役立つ知恵」を
備えておく、ということも重要です。
ちょっとした知恵やアイデアが
あなたを救うこともあります。
例えば、警視庁災害対策課のツイッターには
緊急時に役立つような知恵が公開されています。
https://twitter.com/mpd_bousai?lang=ja
フォローワーが80万人いる、人気アカウントです。
最近では、ツイッターでつぶやかれた情報が
まとめられた本も発売されていますので、
そちらを読んでみるのも良いかもしれません。
ツイートの内容がまとめられたサイトページも
用意されています。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/saigai/yakudachi/index.html
参考に、どんな内容がつぶやかれているのか
その一部を紹介させてもらいます。
例えば、『重い物が軽くなる方法』
地震など何らかの事情で電車が突然ストップし、
タクシーもつかまらず、帰宅難民になり、
家まで何十キロも歩いて
帰らなければいけなくなった時、
荷物はあなたの体力をジワジワ奪います。
軽めの荷物でも、何十キロも歩くと
相当な重荷になります。
少しでも荷物の重さを緩和できれば
嬉しいですよね。
実は同じ重さの荷物を持っていても
荷物の詰め方、持ち方次第で
軽く感じられます。
その方法は
「重い物は上の背中側に、軽い物は下の外側に詰める。」
というものです。
(引用元
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/saigai/yakudachi/mamechishiki/1009569114124251136.html)
実は「重いもの」が上寄りにある方が
軽く感じられます。
また、この原理は
リュックに入れて荷物を運ぶ場合だけではなく、
両手を使って
何かモノを運ぶときにも有効です。
重いものと、軽いものを運ぶときは
軽いものを下にして
重いものを上に重ねた方が
軽く感じられるということです。
普段、何かモノを運ぶ時に使えますね。
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手が寒い時は血液を送れ
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もう1つ紹介させてもらいます。
これから寒い時期になりますが、
災害の際、極寒の中、
ずっと外にいなければいけないようなことも
あるかもしれません。
特に指先が凍るように冷たくなり
かじかむこともあるでしょう。
そんな時に役立つ豆知識です。
指先の感覚がなくなるくらい
寒い時は、手を振れば良いのです。
腕から大きく素早く振ると
遠心力により「体幹の温かい血液」が
指先に送られます。
(引用元
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/saigai/yakudachi/mamechishiki/1090020344079933441.html)
我慢できないほど指先が冷たい時は、
ぜひ試してみてください。
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災害経験するほどリスク選好になる心理的理由
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普段からあらゆる事態を想定して、
防災グッズや知恵をたくわえておくと
いざという時に助かりますが、
「災害時に人間はどういう心理に基づき
行動を選択する傾向があるのか?」
その心理的傾向を知っておくことも非常に重要です。
災害時にどのような行動を選択するか、
ということが命取りになることもありますからね。
そこで本日は最後に、
災害にまつわる心理的傾向を
1つ紹介いたします。
台風、豪雨、地震など、
あなたも何かしらの災害を経験したことが
あるかもしれませんが、
「災害を経験するほど人はリスクの高い行動を
選択するようになる」
そんな傾向があります。
普通に考えれば、
「災害を経験し、恐怖を感じた人ほど慎重になるんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、逆です。
なぜか?
ここにその理由を紹介します。
↓
“安全のための試行錯誤では
一番正しいことをしたときには何も報酬や喜びが得られず、
一方、間違えたことをしたときに報酬や喜びが手に入る、
という逆のしくみがあるからだ。”
中谷内一也
『災害リスクの心理学(丸善出版株式会社)』
平成30年9月1日
P.43より
どういう意味かお分かりになりますか?
例えば台風などの災害に備えるとき、
食料や水を備蓄したり、
窓ガラスが割れないよう補強したり、
シャッターを取り付けたりするでしょう。
危機に備える、という点で適切な判断ですね。
しかし、台風の場合、
思っていたより、たいしたことがなかった
ということもよくあります。
進路が予想からずれたり、
自分が住んでいる地域は全然たいした影響がなかった、
ということはよくある話です。
そうなると万全の備えは無駄になります。
さらに、台風通過後、窓の補強を外したり、
余計な労力がかかることもあるでしょう。
本来、リスクに対する備えが無駄になることは
喜ばしいことなのですが、その時に
「ああ、こんなに備えなければ良かった」
と後悔してしまうのが人間です。
正しい備えをしていても、
無駄で間違ったことをしているような
気になってしまうんですね。
一方で、危機に対する備えをせず、
結局台風の被害がたいしたことなかったとき、
余計な労力やコストがかからずに済み、
「ああ、何も準備しなくて良かった。
私の判断は正しかったんだ」
という満足感に満たされることになります。
このように、危機に備えない方がかえって
満足感が得られるケースも多いので、
災害でそれほど被害を受けなかった経験を積み重ねると、
備えることをやめてリスクの高い行動を
好むようになってしまうのです。
この心理的傾向は本能的なものなので
他人事と思わずあなたもぜひ気をつけてください。
結果的に無駄に終わろうとも
リスクを高めるような行動は選択しないことです。
ちなみに、相場の世界でもこれと同じ理由で
どんどんリスクの高いトレードをされる方が
いらっしゃいますのでお気をつけください。
たとえば、保険のポジションを持ったら
それが含み損をかかえて
かえって足かせになってしまうようなことも
あるかと思いますが、
しかし、それが適切なリスク管理になるのであれば
結果的に足かせになることも承知の上で
きちんと保険のポジションを持たなければいけません。
災害も相場も適切にリスクを管理することを怠る人間は
生き残ることができません。
それでは、本日も最後までご覧くださいまして
ありがとうございます。
下山敬三
よろしいですか?