心理的節目で交錯する売買
上昇トレンドに傾いたBTCですが、10000ドルを前に調整に入りました。
■2つの心理的節目に挟まれる
円の心理的節目の100万円はあっさり突破したものの、ドルの心理的節目の109万円付近(10000ドル)になると次第に上値が重くなり、利食いに押される形でBTCは100万円付近まで下落しました。しかし100日移動平均線が強く意識されていることから100万円を割った水準ではしっかり買いが入り、98万から109万前後のレンジ相場に突入した気配があります。
筆者は今週トレンド狙いだったため結構やられました。このようなレンジ相場の時は、無理にトレードせず安心感がある水準まで行ったら戻り売り、押し目買いを繰り返すのがベストです。
フォーメーションを見るとペナント型になっていることから、再度109万円にトライし抜けてしまえば125万円付近まではスムーズに上昇、逆に100日移動平均線の98万円付近やサポートラインを割れると、90万円くらいまで再度調整する展開をイメージします。
とはいえここのところ市場参加者の気配を見ていてもあまりやる気が感じられず、上昇までもうしばらく時間がかかりそうな印象を持っています。
■ファンダメンタルズでは金融機関の仮想通貨参入がニュースに
今週一定の買い材料として注目されたのは米系証券ゴールドマンサックスが暗号通貨トレードの責任者を外部から招聘し、ディーリングチームを開設するとのこと。これにより仮想通貨相場に新しいプレーヤーが生まれそうです。
とはいえ今回のデスクは先物というデリバティブ商品(厳密には仮想通貨ではない)の取次ぎのためのチームである可能性が高く、今後現物取引に参加するかは未定です。現物取引をするとなるとGSのような大手金融にとっては実は非常にコストが高く、レギュレーションの変更の度にビジネスを設計しなおさなければならない、為替・証券のように現物の受け渡しがないもののブロックチェーンとの連動で煩雑なオペレーションを行う必要があるなどいくつかの課題があります。人員も必要です。したがって当面は先物等を用いて顧客とのリレーションを強化しつつ、ノウハウが溜まってきたころに最終判断を下すのではないでしょうか。個人的には、まだまだ先の話になると思っています。
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【執筆者】
河田 西欧(カワダ サイオウ)
トレイダーズ証券市場部ディーリング課
スイス・ジュネーブ生まれ。慶應義塾大学卒。
世界各国を旅した経験から実体験に根ざしたファンメンタルズ分析は説得力がある。
学生時に学んだ行動経済学を活かし、市場参加者の心理的バイアスを理論的に分析しトレードに活かす。
趣味は将棋でアマ高段者の腕前。中盤の駆け引きは相場の次の一手を読む時にも活かしている。
「大衆は常に間違っている」が信条。
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