第22回 私は何でも知っている~あと知恵バイアス~
あなたは、テレビでスポーツ観戦をよくしますか?
サッカーの日本代表の試合を見たとします。
試合に勝てば、
「選手起用がズバリ当たった」
と、監督のことを名采配と呼び、
ファン・ジャーナリスト・元プロサッカー選手の評論家等が褒め称えます。
ですが、負けると、
「考えられない采配をした」
「奇をてらった采配は無意味」
「そもそも代表選手の選び方が悪い」
などボロクソに言います。
選手の選択・起用は、チーム内でしかわからない事情があるだろうし、
相手チームとの相性もあるでしょう。
様々な要因を考えて監督なりに最も良いと熟考した上での采配なはずです。
あなたの仕事や家事について不満が合っても、
「当事者になってみないとわからないんだよ」
と、上司や同僚・部下、家族に対して思っていませんか?
人というのは、物事の結果を知ってから、
それが予測可能だったと考える傾向があるのです。
有名企業の業績低下を聞いた時に、
「やっぱりその戦略は間違いだったでしょ」
と批判しがちです。
結果論好きなんです、人間は。
何か事が起きた時に
「~だと思った」
って予言者のように言いふらす心理的な傾向が絶対にあるんです。
では、トレードではどうでしょう。
ファンダメンタルズ分析なら、
「あの指標が予想値よりよかったので上昇トレンドとなった」
逆に、予想値より低くて上がっても、
「織り込み済みだった」
なんてこと、よく聞きますよね。
私も実際にブログでよく使っています^^;
テクニカル分析なら、
「このチャートの動きだったから、下落になったんだなぁ」
といくらでも後から説明つくわけです。
自分の思惑通りに動いたら、
「ほらね」
自分と反対の動きになったら、
「そういう気配があったんだよ。迷ったんだよなぁ」
などと、解説します。
特にテレビやラジオ、その他のメディアによる、
アナリスト、ストラジテスト、なんていう肩書の解説は、その最たるもんです。
身銭を切ってトレードしていないもんですから、言いたい放題です。
このバイアスは、トレードにおいては有効でもあり、邪魔なバイアスにもなります。
検証するのに、結果から見て、
どうしてそうなったかを考えることはとても重要です。
ですが、こだわりすぎると、
生き物のように幾通りにも動く相場では、例外やだましに対応できません。
実際のトレードでは、損失を膨らませてしまったり、
エントリーすら、怖くなってできなくなることもあります。
人間には、頭でわかっていても結果論で動く性質がある
ということを知り、気づくことが大切です。
どんな理性のある人でもどんな場面でもです。
あと知恵バイアスは排除できることはできない強力なバイアスです。
いま自分が、あと知恵バイアスに陥ってないか、
常に冷静であることを心がけるしかなさそうです。
矢田の成績等はコチラ http://fx-mental.info/
よろしいですか?