FXの勝ち方って実は教えられないかも[鹿内武蔵]
あれ?FXってどうやって勝つの?
最近自分のトレードを振り返ったり、これまでの雑誌の仕事を思い返したりした結果、あらためてFXってどうやって勝つんだろう?…という思いが強くなってきています。
これは、勝ってる人なんかいない、っていう意味じゃないですよ。実際に利益を出している方は大勢います。私の友人にも何人もいます。
ただ、その人たちが「どういう方法で勝っているのか」ということを、まともに説明できる気がしないんです。利益の出し方というものは、突き詰めていくとそのトレーダーの生活であり、人生そのものなんですね。なので、他人が再現すること自体に無理があるんじゃないか、という気がし始めています。
裁量トレードではなく、自動売買なら、たしかに他の誰かとまったく同じ手法、取引結果を再現することはできます。でも、人のトレードは、人のトレードなんですよね~。利益が出たとしても、誰かの真似をしたトレードなら、それは自分のトレードではないというか。
FXでいくら負けるかなら誰だって管理できる
という感じで、「FXの勝ち方」を教えるのは、とても難しいんじゃないかという気がしています。そこそこ本気で。
なので僕は、「FXの負け方」をしっかり教えられる人になりたいと思います。
僕自身はトレードをもちろん日々行っていますが、プロではないので人に誇れるような成績は出せていません。
ですが、FXを上手に負ける方法なら、ある程度分かっています。これさえちゃんと伝えられれば、とりあえずはOKなんじゃないか、と。
FX攻略.comの雑誌を買ってくださったり、公式サイトをご覧いただいている皆さんは、もちろんFXで利益を出すことを目標にしていますよね。ここであらためて、FXで勝つことをちゃんと定義しましょう。損失額を利益額が上回ることが、FXで勝つという状態じゃないですか。
でも、利益額を増やすのは、ここまで述べさせていただいたとおり、とても難しいんですね。いや、本当に。人間力そのものなんじゃないかとすら思います。
だからこそ、損失を減らす。これに尽きます。
結局のところ、いつもの「損切りをしよう」という結論に行き着くわけです。だって、コントロールが難しい利益額を増やすことにチャレンジするくらいなら、100%自分で決められる損失額をコントロールしたほうがいいですよね。
FXにおいて、利益はどこまで伸びるか、伸びないかは誰にも分かりませんが、損失がいくらになるかは、完全にトレーダー自身が決めることです。
今すぐFXで勝てる方法?そんなのないです
もう一つ、負け方にクローズアップする理由があります。自分もそうだったように、多くのFXチャレンジャーの皆さんは、とにかく性急に結果を求める傾向があります。いわく、今すぐ勝てる方法はないのか、と。
ありません。うまく理由は説明できませんが、とにかくありません。
聖杯はないし、即効性の劇薬もないのですが、そのことに気づくまでに、それなりに負けないといけないのがFXです。
必ずうまくいかない時期を通過しなければいけないのなら、その時期をできるだけ少ないダメージで乗り切るのがポイントです。
FXには裁量トレードやら、自動売買やら、いろいろな手法があり、利益の出し方にも複数の考え方がありますが、損失を限定する考え方にはそれほどたくさんの種類がありません。
「一度のトレードでの損失を、全資金の数%にとどめること」
「損切を、OCO注文などであらかじめ予約しておくこと」
「利益の幅に対して、損失の幅が広すぎないこと」
この3点だけで、守備力は飛躍的に高まります。上手に負ける技術は、柔道の受け身のようなもの。まずここからです。
※この記事は、富士山マガジンサービス読者限定FX攻略.com編集部便りに掲載されたものを加筆・編集したものです。
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鹿内武蔵(しかうち・むさし)プロフィール
株式会社tcl代表取締役。2008年のFX攻略.com創刊時から編集部に在籍、本誌と公式サイトの運営に携わる。取材や記事執筆の他、トレーダーとしてFXの運用も日々行っている。好きなテクニカルは平均足、好きな手法はブレイクアウト。
公式サイト:株式会社tcl
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