分割売買
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連載「トレード哲学」……19
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「同棲」というと、昭和の時代は暗いイメージでしたが、最近はけっこう“ふつう”のことのようです。
同棲=結婚を前提、とは限りませんが、いいところしか見ずに結婚するよりも、ヘンな言い方ですが“お試し”の共同生活は合理的かつ効果的だと思います。
「分割売買が技法の第一歩」
林投資研究所では、こんな説明を前面に出しています。
いきなりドンッと出動すると“引くに引けない”状態に陥りやすいので、自分自身をコントロールするには、分割の仕掛けが有効だという考え方です。
慎重に、少しずつ、様子を見ながら踏み込んでいく姿勢です。
逆に、手仕舞いはアッサリとした方向に偏らせます。
「すでに、しっかりとかかわっているポジションからの撤退」なので、ぐずぐず言わずに決断するべき、と考えるわけです。
でも、先日インタビューした実践家は、逆の方法でトレードしています。
「一括で仕掛け、丁寧な分割で手仕舞いする」のです。
225先物トレーダー、“ついてる仙人”こと金子稔氏は、慎重に見極めて仕掛けるものの、予定枚数まで一気にポジションをつくり、そのあとのポジション操作をきめ細やかに行います。
インタビューは、『研究部会報』2017年9月号に掲載します。
お楽しみに!
彼の話を聞いて、「これはこれでバランスがいいかもしれない」と感じました。
「買って売る」「売って買い戻す」という“単発”の売買を基本イメージに、予測不能の値動きの中を“泳ぐ”感覚で、適度なポジション増減を行うのがトレードの実際です。
分割が大切といっても、やたらと分割したって混乱するだけ。
どこの部分に、どれだけのエネルギーを向けられるか──。
トレードの取り組み方には制約がないので、やり方は人それぞれですね。
「確信ある自分流」を追究してください。
よろしいですか?