【フジトミ】シカゴ穀物は急落、天候改善を嫌気
(NY貴金属)
12日のNY金は続落。NY金期近8月限は前週末比2.5ドル安の1268.9ドル、NY白金期近7月限は同4.2ドル高の944.5ドル。
米FOMCでの0.25%の利上げが確実視される中、金利を生まない金は冴えない動きをみせている。ここにきてNY株式市場の先行き不透明さが増しているだけに、安全資産としてのヘッジ買いも注目されていたが、米利上げ観測に上値は抑制され、ヘッジ買いも極めて限定的。NY銀の急落も圧迫要因になっていた。一方、パラジウムは連騰しており、白金の心理面の支援材料になっていた。ただし、NY株式市場の値崩れも警戒し始めており、マインドの悪化が警戒され、当面、900ドルが大きな壁になるとみられている。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
12日のWTI原油は小反発。WTI原油期近7月限は前週末比0.25ドル高の46.08ドル、北海ブレント期近8月限は同0.19ドル高の48.34ドル。RBOBガソリン7月限は同1.37セント安の148.80セント、NYヒーティングオイル期近7月限は同0.58セント安の142.54セント。
欧州時間帯に急伸する場面もみせたが、ナイジェリアのパイプラインの油漏れによって不可抗力条項が発令されたとの情報が流れ、急伸をもたらしていた。ナイジェリアの原油増産が世界的な原油の供給過剰の一端であるため、市場が敏感に反応した。しかし、米国の原油増産基調に加えて、株価の下振れの動きから石油需要の先行き不透明につながり、WTIは46.71ドルを高値にして、その後、値を消してしまった。ひとまず46ドル台は維持したものの、上値の重さも確認されることに。特に、石油製品の地合い悪化足かせになっていた。ロイター通信が発表した在庫統計に対する事前予想で、原油在庫は前週比300万バレル減、ガソリン在庫は800万バレル減ながら、市場の反応はイマイチ。すでに、欧州時間帯に急伸してしまったためとみられる。
(CBOT大豆)
12日のCBOT大豆は小麦やコーンの急落に追随して大きく値を消している。期近7月限は前週末比9.50セント安の932.00セント、新穀11月限は同9.50セント安の938.75セント。
大豆市場にとっても米コーンベルトの天候改善は売り材料に。大豆への作付シフト懸念はくすぶっており、また週末発表された需給報告もかなり弱気な内容で、弱気なファンダメンタルズが目白押しの中、下げるべくして下落したといえる。さて、シカゴ引け後に発表される作柄状況で、全米平均の優と良の合計に対する事前予想平均は69%。今季初の作柄状況で市場では注目しているが、大豊作観測の中、下向きの流れに改めて転換したとの見方が支配的。
(CBOTコーン)
12日のCBOTコーンは天候改善の予報を嫌気して急反落している。期近7月限は前週末比11.00セント安の376.75セント、新穀12月限は同10.75セント安の395.25セント。
週末の米コーンベルト及びプレーンズの天候はホット&ドライだったが、予想されたほどの高温にはならなかった。週明けもホット&ドライが予想される一方、水曜日から週末にかけて降雨も予想され、ホット&ウエットな天気予報に変化している。生育はプラスの天気予報だけに、週明けから売り先行の展開に。また、前週発表された小麦の生産高が弱気な内容だったこともあり、週明けの小麦が急落し、これも売り材料になっていた。さて、シカゴ引け後に発表される作柄状況で、全米平均の優と良の合計に対する事前予想平均は67%(前週68%)。若干の作柄後退が予想されているものの、今後の天候回復で改善すると市場ではみているようで、急落に変わりはく、引けにかけて売り直されていた。まさに天候相場の値動きであり、天気予報に振り回されている。
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