【フジトミ】東京金は反落、安全資産としての役割後退へ
(東京原油・石油製品)
8日の東京原油・石油製品は海外原油の急落を嫌気して急反落。原油期先11月限は前日比880円安の3万3240円、ガソリン期先12月限は同890円安の4万5700円、灯油期先12月限は同900円安の4万6850円。
かなり弱気な米EIAの在庫統計を嫌気して、海外石油市場は軒並み急落を強いられ、東京石油市場も急反落を演じた。原油先限は3万3000円を下回る場面もみられた。日中取引では円安進行と海外原油の下げ一服から、下げ幅を縮小したものの、やや強引に買い進まれた面もあり、海外原油の急落を素直に映した下げとはいえず。ところで、梅雨入りの影響でガソリン期近がまた急落している。製油所の定期修理も予定されるため、原油在庫の積み増しされることに。しかし、いずれも売り材料にならず、原油やガソリンの期先限月は割高な値位置を形成したとみる。世界の原油の供給過剰に変わりなく、戻り売りスタンスが無難。下げ渋った東京は週末の反動安も予想しておきたい。14時台の円高でやや売り直されたが、円高に割りに下げ渋っており、その分、東京の下げ余地は大きくなる。
(東京貴金属)
8日の東京金はNY金の急落を受けて反落。金期先4月限は前日比11円安の4521円、白金期先4月限は同29円安の3348円。
コミー前FBI長官の8日の議会証言を前にして、冒頭の内容が明らかになり、トランプ米大統領の捜査妨害の動きが明らかになった。しかし、市場の予想通りの内容だったことで、知ったらしまいでNY金が急落してしまった。NY金はこの急落で、目先の高値示現の可能性もある。昼以降、NY金は1290ドルでの上値の重さを嫌気してまた売り込まれ、東京金は下げを強いられることに。すでに安全資産としての金の役割が解消されたとみるべきで、東京金は4500円を試す可能性もある。白金は期待通りに下落しているが、戻り売りスタンスはそのまま。来週から下げが本格化する可能性もある。14時前に日銀の金融政策転換の情報を受け、円高が進行し、東京金は下げ幅を拡大した。ただ、円高を受けてNY金はようやく1290ドル台を示現したこともあり、東京金はやや買い直され、15時前に4520円台回復もみせたが、マイナス圏の解消には至らず。
(東京ゴム)
8日の東京ゴムは期近中心に続落。期先11月限は前日比3.9円安の181.6円。
夜間では円高を嫌気して売り直された。日中取引でも当限の大幅続落を受け、期先は180円割れをみせたが、前日の安値更新とはならず。ただ、当限の急落で、ほぼ同ザヤ水準になり、次第に期先の売りが手控えられ、昼にかけて期先は大きく買い直されることに。昼過ぎには185.7円を示現し、一時的にプラス圏に乗せた。しかし、185円は壁に。14時台の円高でまた売り直されることに。円高を警戒して、結果的に戻り切れず。夜間も円高を警戒する動きになりそうだ。
(東京トウモロコシ)
8日の東京トウモロコシはシカゴ急伸を映して大幅続伸。期先5月限は前日比280円高の2万2680円。
米コーンベルトとプレーンズのホット&ドライを警戒してシカゴは大幅続伸し、これを受けて東京も急伸。昼にようやく2万2800円台に水準を切り上げたが、夜間の値位置から200円以上も上昇するように、東京の上げ渋りが目立っていた。注目はシカゴコーン市場での大口ファンドの売り越しである。まだまだ、ネットショートのポジションとみられ、ファンドのさらなる買い戻しや新規買いが十分予想される状況だ。また、週末からホット&ドライが予想されるが、そのホット&ドライは長期化しそうで、コーンの作柄へのダメージも避けられないだろう。週末には2万3000円も予想しておきたい。週末発表される需給報告は材料にならず、コーンベルトやプレーンズ天気予報から目が離せず、2万3000円も通過点とみている。円高進行で上げ幅を縮小したが、円高にやや過剰反応とみる。
(東京米国産大豆)
8日の東京一般大豆は玉次第にマチマチ。期先4月限は前日比670円高の4万5260円。
シカゴ続伸を好感して東京一般大豆も続伸へ。ただ、シカゴ大豆の上昇はつなぎ売りを浴びて限定的である。それに比べ、東京はシカゴが急騰したような急伸をみせたことで、高値警戒もあり、反落し、高値から1000円近く急落する場面も。前日、かなり強引に買い進まれた反動もあり、この値崩れも仕方ないところ。9日に発表される需給報告も弱気な内容が想定されているだけに、今後とも東京は不安定な相場つきが予想される。
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