スクリーニングとシステムトレード
プログラム売買と一言で言ったとしても、何を売買するのかという問題が付きまといます。戦略的売買手法で全ての銘柄にマッチしたものを作り出すというのが長い間多くの人の目標になっていましたが、現実には銘柄ごとに値動きは異なり、そういった夢のプログラムを作り出すことは不可能だと思われていました。方向性と時間を導き出すといわれている、一目均衡表も長い期間の分析には適していると言えますが、もみ合いの相場における次の一手を読むのはそれほど得意分野ではないように、それぞれの分析にはそれぞれの得意分野があるようです。そこで銘柄の抽出をする手法であるスクリーニングが力を発揮します。
膨大な銘柄からその条件を抽出することはコンピュータの時代になった時点ですら、多くの時を必要としていました。インターネットの能力、PCの能力が新化した現代でもその手法によってはかなり時を必要としますが、今回見せてもらった進化したTradeStation SuitesのRaderScreenはサーバーと通信に工夫を加え、過去見なかったほどのスピードで抽出を行ってくれるようです。現実には多少のプログラム知識が必要となるのですが、条件をいくつか指定してあげることにより、該当する銘柄の抽出が完了します。これにより、どの銘柄においてであれば、自身で構築したプログラムトレードが威力を発揮するかが簡単に選び出せそうです。
簡単な例を挙げると、スクリーニングと言えばPERや売買総額や時価総額といった項目がすぐに思い浮かびますが、ここに、テクニカルで使われている数値に値する、RSIやボラティリティといった項目を入れていきます。トレンドに乗っているのであれば大きく動いてくれたほうがいいと思い勝ちですが、高いボラティリティの場合、変動も大きいため逆に振られる可能性が高くなります。従ってヒストリカルボラティリティの値が5%前後で、TrueRangeも極端に大きくない状況で、RSIが(MACDでも可)標準偏差に収まっている、または60%前後の買われ過ぎ手前の銘柄を抽出し、押し目や戻りといったポイントの近くにある銘柄を選びます。そこでトレンドフォロー系のプログラム売買を載せて、売買を行うことにより、勝率をより高いものにすることが可能でしょう。問題は流動性を無視できないという点で、そういった点も考慮すべきでしょう。レンジブレイクアウト逆張りでという場合は、値動きの範囲を指定することにより抽出を行い、設定したリバーサルのポイントに達したら張っていくというプログラムを起動させるようにすれば勝率をより確かなものにすることが可能だと思います。
とても当たり前の事を書いたのですが、この「当たり前」を機械にやらせることにより、感情を排除した売買につながっていきます。
(次回、レジェンド達の必勝パターン)
よろしいですか?