現実世界の通貨と仮想通貨の価格変動
普段利用している通貨、現実世界のお金は、各国の中央銀行によって、流通量が決定される。
そして対外国での通貨の強弱は、流通量や経済状況などさまざまな要因が織り込まれて、為替レートという形で日々決定されている。
アメリカが金融緩和策を終了させることで、ドル高になったり、
日本が異次元の金融緩和策を継続することで、円安になったりと、
中央銀行、政府、国家によって管理されている。
一方で仮想通貨のシステムは、国家の法律がおよばない場所に存在するため、中央銀行、政府、国家にとって、脅威の存在になる可能性があるので、国・地域よっては、利用を規制している。
また、現実世界のお金をやり取りする上で守らなければいけない法律、
たとえば、金融商品取引法や貸金業法などの範疇の外に位置しているため、法律遵守に莫大なコストをかけている金融機関にとって無視できない存在となっている。
◯仮想通貨の両替所・取引所という存在
ビットコインのニュースで有名なのは、
2013年ノルウェーの男性が、24ドル(約2,400円)で購入した5,000ビットコインの価値が上昇し、数千万円相当となったため自宅を購入したビットコイン億万長者ニュース。
そして、マウントゴックス(株式会社MTGOX)が、300億円分のビットコイン盗難にあい、2013年末から2014年2月にかけて破綻したニュースではないだろうか。
一連の出来事によって、ビットコインのイメージは、得体の知れないもので、あくまで「仮想」というイメージがついてしまった。
そして、仮想通貨=コインを購入して、値上がりするかどうかという部分にのみ興味を持つようになってしまった。
破綻したマウントゴックス社(株式会社MTGOX)は、どういった存在なのか?
というと、
現実世界の通貨とビットコインを交換するための両替所・取引所になる。
そもそも、両替所・取引所が誕生した理由は、
ビットコインの採掘に成功した人は、ビットコインを保有しているだけではなく、これまでの費用を回収したい。
さらに、利益を上乗せした形で販売したいと考えるようになる。
同時に、ビットコインの存在を知り、採掘作業はしたくないけれど、ビットコインは手に入れたいと考える投資家が現れる。
そこに通貨とビットコインの交換需要が発生したことで、交換の場所として、両替所・取引所が誕生したのだ。
それが2010年頃のことになる。
マウントゴックス社の破綻を経た今では、多くの両替所・取引所が存在しており、ドル・ユーロ・円などの通貨がビットコインやその他の仮想通貨へ両替可能となっている。
マウントゴックス社は、あくまで両替所だったので、ビットコインのシステム自体の外に位置しており、ビットコインのシステム自体とは関係がない。
日本では、マウントゴックス事件を受けて、利用者保護などを目的として、2016年3月4日に仮想通貨に関する初めての法律案が国会に提出された。
取引所の事業者を資本規制や外部監査の対象となる予定だ。
これから法律面を含め整備されていく段階なので、
利用者側が、自分で責任を追う形で、両替所・取引所を選ぶ必要があることは、事前に知っておかなければいけない。
◯ビットコインの価格の上昇と下落
ビットコインの価格は、2011年と2013年に大きく上昇した。
きっかけとしては、
・闇サイトでビットコイン決済が可能になった
・オンランカジノにビットコインが使えるようになった
・キプロスショックで、現実のお金に不安が生じた
ことが挙げられる。
闇サイトの「シルクロード」では、麻薬など普通のサイトでは流通していない商品が購入できる場所で、ビットコインでの決済は、利用者にとって願ってもないチャンスだった。
通常の決済は、クレジットカードや銀行口座への入金など、購入者が一体だれであるか?を追跡することが可能な仕組みとなっている。
そのため、利用者としては、違法なものを購入しづらいという心理が働く。
けれども、「シルクロード」では、ソフトを用いることで、匿名性が維持した状態でビットコインが利用できたのだ。
2013年のキプロス・ショックの際は、キプロスがIMFへ資金援助などの救済を求めたが、支援の条件として、全預金に最大9.9%の課税を導入することが課された。
そのため、現金を持っていても、一方的に徴収される可能性があることから、ビットコインなど国家による取締がない通貨へ資金が流れた。
2013年10月14日に、中国の百度が、ビットコイン決済導入を発表。
中国人投資家の資金が流入して、一気にビットコイン価格は、10倍に跳ね上がった。
しかし、12月5日に高値をつけた後に、急落。
その原因は、中国の中央銀行である中国人民銀行が
「ビットコインは通貨として市場で流通・使用することはできない」
と発表し、百度がビットコイン決済の停止を発表したことだ。
その後、2014年に入り
「仮想通貨と法定通貨は共存可能である」
との意見から、ビットコイン禁止後に、仮想通貨規制の緩和の流れがあり、中国経済のための新たな仮想通貨を開発、発行する計画があると、2016年に入り中国人民銀行が明らかにしている。
このように、規制の変更に伴って価格が変動した歴史がある。
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