ジャクソンホール講演に踊らされる相場 —— パウエルは本当にハト派に変わったのか?
ジャクソンホール講演に踊らされる相場 —— パウエルは本当にハト派に変わったのか?
「いやいや、ちょっと待ってくれよ!」
23:00、みんなが固唾を飲んで待っていたジャクソンホール講演。パウエル議長がマイクの前に立ち、一言目で「利下げ容認」のニュアンスをポロリ。
その瞬間、ドル円はガラガラと急落。
まるで「タワマンのエレベーターが停電で一気に落ちた」ようなチャートの動きです。
つい先日のFOMC議事録では、あんなに「インフレに警戒だ!利下げなんてとんでもない!」とタカ派一辺倒の発言をしていたのに……まさかの一転、ハト派ムード満載。
これ、トレーダー的にはツッコミどころ満載ですよね。
「おいおい!議事録であれだけタカ派アピールしてたじゃん!あれはフェイクニュースだったのか?」
と思わず深夜にひとりでテレビに突っ込みたくなった方、きっと私だけではないはずです(笑)。
ドル円147円まで急落
結果はシンプル。
ドル円は147円までズドーンと急落。
たしかに、ここ最近は「150円台をキープできるか?」が市場の大きなテーマになっていました。
ところがパウエルの一言で、為替はまるでジェットコースター。
「これ、遊園地なら追加料金取られるだろ」というぐらいの落差。
しかも相場ってのは不思議なもので、落ちている最中はみんな悲鳴を上げるんですけど、終わってみると「まあ、これぐらいは想定内かな…」なんて顔している。
人間って、順応性が高い生き物ですよね。
トランプ劇場の延長戦?
今回のジャクソンホール講演、実のところ「トランプさんの意向を汲んだ発言」だと私は見ています。
思い返してください。
トランプさんって大統領選の頃から「強いドルはアメリカ経済の敵だ!」とずっと主張してきたわけですよ。
彼にとってドル安は正義。輸出企業を助けるし、インフレの帳尻も合わせやすい。
その流れを汲むと、今回のパウエル発言は「まあ、予想通りっちゃ予想通り」なんです。
つまり私たちが驚いたのは、実は「想定内に驚かされた」だけ。
これ、相場のあるあるです。
日米関税合意はまだ「仮」
さて、もうひとつ大きな要素が「日米関税合意」。
とはいえ、これはまだ「仮」の状態。
数ヶ月ごとに見直しが入る仕組みなので、正式決定ではありません。
いわば「婚約指輪は渡したけど結婚式はまだ」という状態。
しかも、この見直しの中には為替レート監視も含まれています。
となると、ドル円が147円にとどまれるかどうかはかなり重要なポイント。
ここで安定できなければ「お前、婚約破棄な!」とアメリカから突きつけられる可能性も。
為替介入は封印?
ここで思い出したいのが、先日のベッセント米財務長官の発言。
「日本は透明性のある良識を持った為替介入をする国だから信用している」
これ、表向きは褒め言葉のように聞こえますが、裏を返せば「だから余計な介入はすんなよ」という皮肉。
要は、円安誘導のための介入は封印された、ということです。
結果として、日本は手足を縛られたまま、円高の波に飲み込まれていく……。
これが「円高時代一直線」のシナリオです。
海外株はプラス、でも週明けは…
皮肉なことに、海外株はプラスで反応。
「利下げ容認=金融緩和方向=株価に追い風」というシンプルなロジックです。
日経平均も釣られて上昇しましたが、私はちょっと懐疑的。
むしろ週明けは大きく下げる可能性を感じています。
なぜなら、日本株は「海外投資家の気分次第」で大きく揺れるから。
ちょうど居酒屋で「お前、今日奢れよ!」と上司に言われる新入社員みたいなもの。
立場が弱いんですよ。
エピソード:深夜トレードの罠
ここでひとつ、私の体験談を。
ジャクソンホール講演のような大きなイベントって、やっぱり「ライブで見たい」んですよね。
で、私も23時にチャートを凝視。
気づいたらコーヒーを片手にスタンバイしていました。
ところがパウエルが話し始めた瞬間に急落。
私は「これは戻るだろう」と根拠のない期待でロング。
……結果?
3分後にはロスカット。
気づけばコーヒーではなく、深夜のブラック焼酎を片手に反省会。
「やっぱり寝てればよかったな」と思ったのは言うまでもありません(笑)。
トレーダーとしてどう向き合うべきか?
では、我々トレーダーはどうすべきか?
ポイントは3つです。
- イベント前にポジションを持ち越さない
——これは鉄則。ギャンブルでしかありません。 - 相場が急落・急騰しても飛びつかない
——動きの大きさに飲まれると、冷静さを失います。 - シナリオを複数用意しておく
——ハト派、タカ派、どっちに振れても対応できるように。
まとめ
今回のジャクソンホール講演でのパウエル発言は、市場にとって大きなサプライズでした。
しかし実際には「トランプ路線の延長」と見れば、ある意味で想定内。
ドル円は147円まで急落。
日米関税合意はまだ仮の状態。
為替介入は封印。
そして海外株は上昇しているものの、日本株は週明けに調整リスク大。
まさに「相場は生き物」。
一瞬の言葉、一つのニュアンスで大きく動きます。
でも、大事なのは冷静さ。
トレードで勝つためには、チャートの上下動に振り回されるのではなく、「次にどうなるか」を複数シナリオで用意しておくこと。
そうすれば、パウエルがタカ派になろうがハト派になろうが、
「はいはい、想定内ですよ」と余裕を持って相場に臨めるようになります。
👉 さて、あなたは昨夜のジャクソンホール講演、リアルタイムで見ていましたか?
もしチャートにかじりついて寝不足なら……それはもう、パウエルではなく自分に負けている証拠かもしれませんね(笑)。