【FX相場の見通し】本日20日のG7会議が注目!ドル安継続となるか?!
昨日(5月19日(月)まで)のFX市場のまとめ
為替:格下げ報道を機にドル安・円高
ムーディーズによる米国債格下げ(Aaa→Aa1)が発表され、財政リスクを意識したドル売り・円買いが進展。ドル円は一時144円台後半まで円高が進み、2週間ぶりの水準へ。
ドル全体を示すブルームバーグ・ドル指数も下落し、主要通貨に対しドル安基調。クロス円でも円高が目立ち、ユーロ円・ポンド円などは総じて下落(円高)。
債券:米国債利回り上昇、日本国債にも波及
米長期金利は30年債が節目の5.0%に達し、格下げの影響が「米国売り」を再燃させる形に。
日本国債も売りが波及し、新発10年債利回りは1.48%まで上昇。石破首相が日本財政リスクを示唆したこともあり、海外勢の警戒感が強い。
株式:米株は押し目買いで小幅高
東京株式市場は為替の円高とリスクオフ感が重なりやや下落。TOPIXは-0.1%、日経平均は-0.7%。
米株は一時大幅安後に押し目買いが入り、S&P500は+0.09%で続伸。市場には「ムーディーズ格下げは想定内」との見方があり、強気相場を保つ動きも。
プロの見解とポジション動向
ムーディーズ格下げについて「新味がなく、むしろ買い場」(ウェルズ・ファーゴ)、「世界的には‘米国売り’のテーマが戻る可能性」(BBH)など、意見が分かれる。
ドル円下落を支持する声が増加:FRBのハト派観測(年内利下げ)×日銀の引き締め継続姿勢で、中期的ドル安・円高シナリオが意識される。ゴールドマン・サックスは3カ月先のドル円予想を142.50円に下方修正。
投機筋(CFTCデータ)で円買いロングが大幅増加。ドル円が148円台半ばを付けた局面で、新たにドル売り・円買いを仕掛けた模様。
5月20日(火)午前の東京市場の動向
朝方のドル円は144円台後半→実需(輸入企業)のドル買いで145円50銭近辺まで上昇→仲値通過後に再び144円台後半→昼前には145円前半と、上下に神経質な値動き。
G7財務相・中銀総裁会議(カナダ開催)や近く予定の日米財務相会談で「米国が円安是正を求めるのか」への警戒がくすぶり、ドル円の上値を抑制。
一部報道で「日米関税交渉には米財務長官不在」と伝わると、円安是正への圧力が後退と解釈され、一時ドル買い戻しも。
東京株式市場は米株高を受けて反発し、日経平均は+400円超の上昇場面あり。ただし引けにかけて伸び悩むなど、全体的にイベント待ちの様相が続く。
今週の注目イベント
5月20日(火):RBA政策金利、G7会議
RBAが0.25%利下げなら豪ドルの反応限定的、据え置きや0.50%なら大きく振れ得る。(※追記:想定どおりで大きくは振れず)
G7で円安是正が議題に上る可能性。日米財務相会談が開催されれば、為替介入やドル安誘導の思惑が台頭しドル円が乱高下リスク。
5月21日(水):英CPI・RPI
インフレが高止まりならBOEの追加利下げ後退→ポンド高要因、逆に鈍化なら利下げ拡大→ポンド安要因。
英国債利回りに影響が及び、GBP/USD・GBP/JPYの変動に直結しやすい。
5月22日(木):各国PMI速報、ECB理事会議事要旨、米失業保険
PMIは欧州・米など主要国の製造業・サービス業の先行指標。結果次第で為替に即影響。
ECB議事要旨で「追加利下げへの姿勢」が読み取れればユーロ売買が活発化。
米失業保険申請が増加すれば「利下げ織り込み→ドル売り」か。
5月23日(金):日本CPI、英小売売上高
日本コアCPIが強ければ日銀引き締め観測で円買いリスク。
英小売は消費の強さを映す指標。堅調ならポンド上昇、急減速なら景気後退懸念からポンド売り。
主要6通貨ペアの短期見通し(1時間足テクニカル含む)
1. ドル円(USD/JPY)

ファンダメンタルズ:
米はインフレ沈静化でFRB利下げ観測が強まる。財政面でも格下げを受け投資家の「米国債離れ」懸念あり、ドルの頭を抑える。
日本は1-3月GDPが予想外のプラス成長・物価上昇も粘り強く、日銀の金融正常化(利上げ)思惑がじわり。米日金融政策の方向性が反対となり、中長期的にドル安・円高要因。
短期的には急速な円高の反動から自律反発もあるが、G7や日米会談で円安是正が言及されればさらに下押しリスク。
テクニカル (1時間足):